2010117(日)

子どもの成長の痛みと運動によるスポーツ傷害


成長痛とは、一般的には成長する段階で伴う子供特有に出る骨の痛みといわれます。

特に、骨の成長に大切な骨端線のライン上で発生する場合や周辺筋肉組織で発生する場合など様々ですが、その症状の多くは手足にみられます。ジクジュクする、ジンジンする鈍痛や何とも説明しにくい独特な痛みがあります。一般的に、単純な成長痛では炎症や腫れは出ません。

また痛みも継続的に出るのではなく、一日経過したら痛みが治まったり、深夜就寝中に痛みが出たかと思うと、次の日は痛くないなど、症状は出たり消えたりをくりかえします。
これらの症状は、成長が止る時期になると自然と痛みは出なくなりますが、成長には個人差があり、痛みは小児から中学生、高校生でピークを迎える場合など様々です。

サポーター、アイシングや湿布(鎮痛目的)、入浴など身体が楽になると感じられる方法を行うことと、この時期は柔軟性にかなり問題がある方も多く、症状を悪化させる原因の一つであるとも考えられます。

現在、成長痛の詳しい原因については不明とされています。原因が特定されないかぎり成長痛に関する治療方法は、特にありません。症状が頻発して継続する場合は、他の病気も考えられますので検査も必要です。

さて、ここで注意しなければならないのは、スポーツによる損傷の痛みと成長痛との区別です。
年齢的に成長痛を発生しやすい子供が運動中に痛みを訴えると、単純に成長痛だと判断してしまいがちですが、スポーツ障害についての知識や認識がないと間違った判断になります。

また成長痛を伴う時期に激しい運動によりスポーツ傷害が併発症する場合もあります。
特にスポーツ傷害は、間違った使い方や、過剰な運動量により頻発します。この場合は治療やケアそしてチームリーダーと監督の協力が必要ですが、一番は練習を休ませる事です。しかしスポーツ選手にとって休む事は、かなりの勇気が必要です。では、休む以外にはどのような方法があるのか。

例えば練習方法にA・B・Cと、3パターンの練習メニューを用意しておくとします。普通に練習ができる人はAパターンで練習をします。次に身体に痛みや故障個所がある人は、負傷部位に負担をかけないBパターンで練習をします。そして、まだケガなどにより普通に練習参加するには、自信がない人はリハビリ要素を取り入れたCパターンで練習をします。このように練習メニューを複数用意する事により、少なくとも休んで何もしない事はなくなります。
どんな状態であっても、練習に参加できる環境づくりは選手にとっては、重要であり必要なことであると考えます。

しかし、管理者・指導者が不足している、選手の人数が足りないなどの理由から3パターンもの練習メニューを用意できるチームは少なく、実際は無理をして練習に参加する選手が多いようです。スポーツ傷害を完治させるためのポイントは、①練習内容の改善と工夫②ケア③治療です。

ケアには、ストレッチやアイシングも含まれます。一般的に、アイシングは練習直後、ストレッチは練習前後で行いますが、両方ともケアの一部だと考えると、練習中にも必要に応じて頻繁に行うことが必要です。ケアと練習は、常に背中合わせに一体化しているものなのです。

スポーツ傷害についての治療は、局所への鎮痛や消炎。関係する筋肉の緊張緩和や関節の可動域の確保を行います。その際、おもな療法としては温熱療法、光線療法、電気療法、手技療法を含むストレッチなどが行われます。また重症化の場合は、剥離骨折、疲労骨折など骨への影響も考えられますので、詳細な検査を必要とする場合もあります。

例として、一般的に膝下脛骨面で発生するオスグッド・シュラッター病(症候群)は成長期の子供に多発する事で有名であるため、膝の皿下が痛いと訴えれば、成長痛だと説明を受ける場合があります。
激しい運動さえしなければ、痛みも軽減します。激しい痛みと、炎症を伴う腫れや変形。歩行が困難になる場合もありますので単純に成長痛とは言えません。
そのような場合は、症状に応じた治療と監督やチームリーダーなどからのフォローアップが必要です。






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