療養費の支給と基準(2)
2013年3月2日(土)
②受診後の保険者による通院調査について
●療養費の給付制度は利用者の理解も大切です。
それは様々な場面で療養費の給付制度を利用することが多いといえるからです。
健康保険では、保険医療機関の窓口に保険者証を提示して様々な医療サービスをその場で受ける『現物給付』が原則となっていますが、様々な事情で、保険医療機関で保険診療を受けることができず、自費で受診したときや下記のような場合は、その費用について療養費の給付を受けることができます。
〈たとえば一例ですが〉
①事業主が資格取得届の手続き中で被保険者証が未交付のため、保険診療が受けられなかったとき
②感染症予防法により、隔離収容された場合で薬価を徴収されたとき
③療養のため、医師の指示により義手・義足・義眼・コルセットを装着したとき
④生血液の輸血を受けたとき
⑤柔道整復師等から施術を受けたとき
⑥旅行中、すぐに手当を受けなければならない急病やケガを負ったが、近くに保険医療機関がなかったので、やむを得ず保険医療機関になっていない病院で自費診察を受けたとき、など。
●なぜ療養費給付は利用者(受診者)の理解が必要なのか?
医療費、療養費を支給する決定権利者は保険者にあります。そして治療に要した費用を医師医療として請求する場合の請求権利者は医師側にあります。このため患者側は請求にかかわる詳細を知らなくてもよいのですが、療養費を請求する権利者は患者側にあります。因みに医師医療を受診した際は、このような調査は行われません。また療養費請求の時効は2年です。2年を過ぎた請求はできません。
●柔道整復師(整骨院・接骨院)受診時の保険者による通院調査について
整骨院を受診した際は、柔道整復師に受領委任をすることにより病院と同じように窓口で自己負担の支払いで受診できますが、柔道整復師に受領委任をしても請求する権利は患者側に残ります。そして請求された療養費の支給を認める決定権は保険者にあります。そのため頻繁に保険者による通院調査等々は、患者側に対して直接行われます。
調査は、通院に問題がある場合と、まったく問題のない通院にも行われていました。
単に支払う保険者側都合による医療費削減、通院抑制の目的でもあり、または不正請求の防止目的もあり、調査は各保険者によって目的や方法にかなりの差がありました。
そのため、これらの方法について平成24年3月12日厚労省課長通知によりガイドラインが交付されましたが、そもそもの問題として利用者(患者)が療養費の給付制度をよく知らない、知らされていない事と、給付基準の複雑化や法改正が先送りされ続けた事を踏まえて真の適正化を望みたいと思います。
通院調査の対象になった場合は、通院して2~3カ月後に保険者から封書で郵送されてきます。内容は主に通院期間、支払い金額、負傷原因や負傷年月日などの調査ですが、明らかな場合は受診者の記憶で書き込めばいいのですが、受診しなければわからなかった傷病、負傷原因、いつ痛めたものか負傷が重複して複雑化した症状についての受診は本人の記憶も曖昧になりがちです。
仮に不支給の決定を受けてしまえば、全額が受診者(患者)負担になる場合があります。
調査について正確を期すためにも保険者からの調査内容について、ご不明な点があれば必ず、通院先かかりつけの柔道整復師にお尋ねください。
それは様々な場面で療養費の給付制度を利用することが多いといえるからです。
健康保険では、保険医療機関の窓口に保険者証を提示して様々な医療サービスをその場で受ける『現物給付』が原則となっていますが、様々な事情で、保険医療機関で保険診療を受けることができず、自費で受診したときや下記のような場合は、その費用について療養費の給付を受けることができます。
〈たとえば一例ですが〉
①事業主が資格取得届の手続き中で被保険者証が未交付のため、保険診療が受けられなかったとき
②感染症予防法により、隔離収容された場合で薬価を徴収されたとき
③療養のため、医師の指示により義手・義足・義眼・コルセットを装着したとき
④生血液の輸血を受けたとき
⑤柔道整復師等から施術を受けたとき
⑥旅行中、すぐに手当を受けなければならない急病やケガを負ったが、近くに保険医療機関がなかったので、やむを得ず保険医療機関になっていない病院で自費診察を受けたとき、など。
●なぜ療養費給付は利用者(受診者)の理解が必要なのか?
医療費、療養費を支給する決定権利者は保険者にあります。そして治療に要した費用を医師医療として請求する場合の請求権利者は医師側にあります。このため患者側は請求にかかわる詳細を知らなくてもよいのですが、療養費を請求する権利者は患者側にあります。因みに医師医療を受診した際は、このような調査は行われません。また療養費請求の時効は2年です。2年を過ぎた請求はできません。
●柔道整復師(整骨院・接骨院)受診時の保険者による通院調査について
整骨院を受診した際は、柔道整復師に受領委任をすることにより病院と同じように窓口で自己負担の支払いで受診できますが、柔道整復師に受領委任をしても請求する権利は患者側に残ります。そして請求された療養費の支給を認める決定権は保険者にあります。そのため頻繁に保険者による通院調査等々は、患者側に対して直接行われます。
調査は、通院に問題がある場合と、まったく問題のない通院にも行われていました。
単に支払う保険者側都合による医療費削減、通院抑制の目的でもあり、または不正請求の防止目的もあり、調査は各保険者によって目的や方法にかなりの差がありました。
そのため、これらの方法について平成24年3月12日厚労省課長通知によりガイドラインが交付されましたが、そもそもの問題として利用者(患者)が療養費の給付制度をよく知らない、知らされていない事と、給付基準の複雑化や法改正が先送りされ続けた事を踏まえて真の適正化を望みたいと思います。
通院調査の対象になった場合は、通院して2~3カ月後に保険者から封書で郵送されてきます。内容は主に通院期間、支払い金額、負傷原因や負傷年月日などの調査ですが、明らかな場合は受診者の記憶で書き込めばいいのですが、受診しなければわからなかった傷病、負傷原因、いつ痛めたものか負傷が重複して複雑化した症状についての受診は本人の記憶も曖昧になりがちです。
仮に不支給の決定を受けてしまえば、全額が受診者(患者)負担になる場合があります。
調査について正確を期すためにも保険者からの調査内容について、ご不明な点があれば必ず、通院先かかりつけの柔道整復師にお尋ねください。
2013年3月1日(金)
①療養費の給付と、その支給について
●療養費の給付制度について
急な病気や事故で、病院に入院したときなど速やかに治療を受けたいときに限って健康保険証を持っていないことが多いものです。この場合、受診先において治療費を全額支払うことになりますが、後で手続きをすると自己負担額を差し引いた分が患者側に戻されます。(償還払い)
これが「療養費の給付制度」の一連の流れです。そして療養費の給付は償還払いが原則です。
例として、受診先の窓口で全額の1000円を支払う⇒内300円(自己負担額3割)⇒残り700円の支給(償還払い)を患者側が加入する保険者から受ける。
急病や事故のケース以外でも、義眼、コルセットなどの治療材料費や柔道整復師を受診した際の施術費、針灸師、指圧マッサージ師による施術を受けたときも療養費の給付を受けることができます。
それぞれの給付については、支給に関する基準がありますので、お分かりにならない事があれば施術所の各資格者、加入する保険者にお尋ねください。
●療養費の給付その支給を柔道整復師に委任する受領委任払い制度について
療養費の給付は本来、患者側が費用の全額を支払った後、自らが加入する保険者へ請求をおこない支給を受ける「償還払い」が原則ですが、柔道整復師等に受診した場合は例外的な取扱いとして患者側が窓口で自己負担分を柔道整復師に支払い、柔道整復師が患者側に代わり残りの費用を保険者に請求する「受領委任払い」という方法が認められています。
現在、全国にある多くの整骨院・接骨院等の窓口では、病院や診療所にかかったときと同じように自己負担分を支払うことにより、施術を受けることがでるのは、患者側がこの療養費給付に関する支給分を柔道整復師に委任するからです。この場合は毎月、療養費支給申告書に患者側の署名をいただくことが必要となります。
急な病気や事故で、病院に入院したときなど速やかに治療を受けたいときに限って健康保険証を持っていないことが多いものです。この場合、受診先において治療費を全額支払うことになりますが、後で手続きをすると自己負担額を差し引いた分が患者側に戻されます。(償還払い)
これが「療養費の給付制度」の一連の流れです。そして療養費の給付は償還払いが原則です。
例として、受診先の窓口で全額の1000円を支払う⇒内300円(自己負担額3割)⇒残り700円の支給(償還払い)を患者側が加入する保険者から受ける。
急病や事故のケース以外でも、義眼、コルセットなどの治療材料費や柔道整復師を受診した際の施術費、針灸師、指圧マッサージ師による施術を受けたときも療養費の給付を受けることができます。
それぞれの給付については、支給に関する基準がありますので、お分かりにならない事があれば施術所の各資格者、加入する保険者にお尋ねください。
●療養費の給付その支給を柔道整復師に委任する受領委任払い制度について
療養費の給付は本来、患者側が費用の全額を支払った後、自らが加入する保険者へ請求をおこない支給を受ける「償還払い」が原則ですが、柔道整復師等に受診した場合は例外的な取扱いとして患者側が窓口で自己負担分を柔道整復師に支払い、柔道整復師が患者側に代わり残りの費用を保険者に請求する「受領委任払い」という方法が認められています。
現在、全国にある多くの整骨院・接骨院等の窓口では、病院や診療所にかかったときと同じように自己負担分を支払うことにより、施術を受けることがでるのは、患者側がこの療養費給付に関する支給分を柔道整復師に委任するからです。この場合は毎月、療養費支給申告書に患者側の署名をいただくことが必要となります。
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