2010年10月21日(木)
怖くないョ。
我が家で産まれた赤ちゃん子牛
オス♂は 10日~2週間 ミルクを飲ませて面倒を見た後 市場でお肉になる為に育ててくれる牧場へ売られて行きます
一方 メス♀のほとんどは オトナになるまでうちで育てます
最初はお母さんのミルクを飲み
それから粉ミルクになり
フツーは1ヶ月~2ヶ月離乳するのですが
うちは3ヶ月くらいかけて離乳します
離乳した子牛は育成牛舎に移され
小集団で飼われます
その後 個体差はありますが
13~18ヶ月くらいで最初の発情があります
そこで 種付けをし うまく止まれば妊娠
約10ヶ月の妊娠期間をへて 初めてのお産になります
妊娠期間は 外の育成場で過ごすのですが
出産して おっぱいが出るょぅになると
牛舎に入って搾乳してもらえる
一人前の牛さんになれます
家の牛舎は つなぎ飼いなので 牛さんそれぞれ 自分の入る場所が決まっています
だいたい 出産後2ヶ月くらいから 次の発情が来て 種付け→妊娠(10ヶ月)
予定日の2ヶ月前には乾乳をして(搾乳を止めてお休みする) 次の出産になるというサイクルです
乾乳期間は外のパドック(運動場)で過ごします
この乾乳期を過ごす牛さんが出て行く時に 入れ替わりに 乾乳中
の出産が近い牛さんが牛舎に戻って来たり 新しい牛さんが入ります
初産の牛さんは 予定日の1、2週間前 乾乳中の牛さんは 1週間前くらいに牛舎に入ります
この牛さんの入れ替えがけっこう大変っっ
牛さんにはそれぞれ決まって入る場所があり 何日かかけて自分の場所を覚えさせると
『そこに入れば エサがあたる』と学習し まっすぐそこに入るょぅになります
でも 初めて入る牛さんには 決まった場所がないので
『この牛が何月頃入れ替えだから ここ入れょぅ。。。』等 長いスパンで場所を決めています
経産牛なら 3日前後で自分の場所を思いだしてくれますが
初産の牛さんだと 牛舎生活自体慣れてないので 怖がって なかなか入ってくれません
だから 初産牛を 初めて牛舎に入れる場合 毎日 育成場にお迎えに行き ロープで引いて来ます
性格にもよりますが 基本的に牛さんは臆病な動物なので 一筋縄では行きません
1人で引っ張っても牛さんの力には勝てないので 後ろから誰かに追ってもらって 牛舎まで 誘導します
この“ごまごまぱんだ(長男命名)”は 明日が出産予定日です
この牛さんも 牛舎デビューすることになり 初めて牛舎に入る時のことです
長男が「ぼくが入れる」と言って
ロープを持って 牛さんをお迎えに行きました
「大丈夫??」って聞いたら
「自信あるから大丈夫!!」だって
長男は各々の牛さんの性格を理解した上で判断するので 大丈夫だろう…と そのお仕事を お願いしました
だいたいの牛さんは 人間が来ると
「捕まる」と思って逃げるので ロープを隠して
「おぉ~よしよし☆ 大丈夫だョ~」って安心させてちょっとずつ近づいて捕まえるのですが
このコは 全~然動かず
あ、どぅぞ…ロープつないでもぃぃですから・・・ぐらいな勢い
もくし(牛さんの顔についてる紐)にロープをかけ 長男が引っ張ります
長男「さぁ お家行くョ
お家あっちだョ
どした??大丈夫??
怖いの??大丈夫だョ~
さぁ行くョ…」
今まで聞いたことのないくらい優しい声でした
でも ごまごまぱんだは歩きません
ぃゃぃゃ…(´Д`;)
怖い怖い…((゜д゜;))
後ろから 棒で叩いて やっと歩きました
でも すぐに立ち止まってしまいます
その度
「大丈夫だョ~ ほら 頑張って」と励ます長男
ごまごまぱんだの入り口は ごまごまぱんだが赤ちゃんの時にいた場所
赤ちゃん牛は ちょっと大きくなると 牛舎から お外に出して 日向ぼっこさせるのですが その時に出入りしていた場所です
長男「ごまごまぱんだ~ 覚えてるかぃ??
赤ちゃんの時 いたしょ??
だから 大丈夫☆」
力いっぱい引っ張っていて 声が震えていました
それでも声を荒げることはなく 優しくx2 話しかけ ごまごまぱんだを安心させようとしてるのが よく分かります
牛さんは 後ろ足の付け根とおっぱいの間の隙間に手を入れて
足の付け根の内側を叩くと歩いたりするのですが
ごまごまぱんだは この刺激が一番歩くょぅでした
棒で叩くのを止め 足の付け根を叩くに変更して後ろから追いました
長男「ほら こっちだョ~ もぅ少しだョ~」
それでも立ち止まる牛さんを振り返り
顔を撫でながら話しかけます
長男「…怖いよね
…見たことないもんね
初めてだもんね
分かるョ~
でも大丈夫だから 大丈夫。」
長男の
「分かるョ~」がなんとも言えず 嬉しかった
『分かるョ』
相手に寄り添う言葉
相手を思いやる言葉
優しいなぁ~
って思った
牛さん…言葉分かんないけど
きっと息子の思いは伝わってると思った
牛舎に入るまで 大変だったし
牛舎に入ってからも
他の親牛の圧迫感や それまでの外生活とは違う景色に
なかなか自分の場所に入れず
叩いて 叩いて ようやく決められた場所に入れることが出来た
ものすごく疲れたけど それより何より 長男の言葉が印象的だった
あれから1週間近く経ち 長男が数日手伝ってくれた他は 毎日 私が入れている
長男の真似っこしながら
「ほらお家帰るョ~」って
「頑張って歩いてョ~ もぅ少し もぅ少し…」
牛が立ち止まる度思い出す
『分かるョ~』
その言葉を思い出すと 不思議とイライラしなかった
仕方ないもんね
って思えた
君の言葉の教えてくれた気持ち
それは 言葉以上に価値のあることなんだョ
『大丈夫だョ 大丈夫。』
平成20年10月3日生まれのごまごまぱんだ
2歳で母となる…予定。
(この子牛は同じころ産まれた ごまごまぱんだそっくりの赤ちゃん牛 ごまごまぱんだの赤ちゃん頃の写真 なかった~)
メイン画も このお話とは関係ない子牛です。。。可愛かったので。。。
オス♂は 10日~2週間 ミルクを飲ませて面倒を見た後 市場でお肉になる為に育ててくれる牧場へ売られて行きます
一方 メス♀のほとんどは オトナになるまでうちで育てます
最初はお母さんのミルクを飲み
それから粉ミルクになり
フツーは1ヶ月~2ヶ月離乳するのですが
うちは3ヶ月くらいかけて離乳します
離乳した子牛は育成牛舎に移され
小集団で飼われます
その後 個体差はありますが
13~18ヶ月くらいで最初の発情があります
そこで 種付けをし うまく止まれば妊娠
約10ヶ月の妊娠期間をへて 初めてのお産になります
妊娠期間は 外の育成場で過ごすのですが
出産して おっぱいが出るょぅになると
牛舎に入って搾乳してもらえる
一人前の牛さんになれます
家の牛舎は つなぎ飼いなので 牛さんそれぞれ 自分の入る場所が決まっています
だいたい 出産後2ヶ月くらいから 次の発情が来て 種付け→妊娠(10ヶ月)
予定日の2ヶ月前には乾乳をして(搾乳を止めてお休みする) 次の出産になるというサイクルです
乾乳期間は外のパドック(運動場)で過ごします
この乾乳期を過ごす牛さんが出て行く時に 入れ替わりに 乾乳中
の出産が近い牛さんが牛舎に戻って来たり 新しい牛さんが入ります
初産の牛さんは 予定日の1、2週間前 乾乳中の牛さんは 1週間前くらいに牛舎に入ります
この牛さんの入れ替えがけっこう大変っっ
牛さんにはそれぞれ決まって入る場所があり 何日かかけて自分の場所を覚えさせると
『そこに入れば エサがあたる』と学習し まっすぐそこに入るょぅになります
でも 初めて入る牛さんには 決まった場所がないので
『この牛が何月頃入れ替えだから ここ入れょぅ。。。』等 長いスパンで場所を決めています
経産牛なら 3日前後で自分の場所を思いだしてくれますが
初産の牛さんだと 牛舎生活自体慣れてないので 怖がって なかなか入ってくれません
だから 初産牛を 初めて牛舎に入れる場合 毎日 育成場にお迎えに行き ロープで引いて来ます
性格にもよりますが 基本的に牛さんは臆病な動物なので 一筋縄では行きません
1人で引っ張っても牛さんの力には勝てないので 後ろから誰かに追ってもらって 牛舎まで 誘導します
この“ごまごまぱんだ(長男命名)”は 明日が出産予定日です
この牛さんも 牛舎デビューすることになり 初めて牛舎に入る時のことです
長男が「ぼくが入れる」と言って
ロープを持って 牛さんをお迎えに行きました
「大丈夫??」って聞いたら
「自信あるから大丈夫!!」だって
長男は各々の牛さんの性格を理解した上で判断するので 大丈夫だろう…と そのお仕事を お願いしました
だいたいの牛さんは 人間が来ると
「捕まる」と思って逃げるので ロープを隠して
「おぉ~よしよし☆ 大丈夫だョ~」って安心させてちょっとずつ近づいて捕まえるのですが
このコは 全~然動かず
あ、どぅぞ…ロープつないでもぃぃですから・・・ぐらいな勢い
もくし(牛さんの顔についてる紐)にロープをかけ 長男が引っ張ります
長男「さぁ お家行くョ
お家あっちだョ
どした??大丈夫??
怖いの??大丈夫だョ~
さぁ行くョ…」
今まで聞いたことのないくらい優しい声でした
でも ごまごまぱんだは歩きません
ぃゃぃゃ…(´Д`;)
怖い怖い…((゜д゜;))
後ろから 棒で叩いて やっと歩きました
でも すぐに立ち止まってしまいます
その度
「大丈夫だョ~ ほら 頑張って」と励ます長男
ごまごまぱんだの入り口は ごまごまぱんだが赤ちゃんの時にいた場所
赤ちゃん牛は ちょっと大きくなると 牛舎から お外に出して 日向ぼっこさせるのですが その時に出入りしていた場所です
長男「ごまごまぱんだ~ 覚えてるかぃ??
赤ちゃんの時 いたしょ??
だから 大丈夫☆」
力いっぱい引っ張っていて 声が震えていました
それでも声を荒げることはなく 優しくx2 話しかけ ごまごまぱんだを安心させようとしてるのが よく分かります
牛さんは 後ろ足の付け根とおっぱいの間の隙間に手を入れて
足の付け根の内側を叩くと歩いたりするのですが
ごまごまぱんだは この刺激が一番歩くょぅでした
棒で叩くのを止め 足の付け根を叩くに変更して後ろから追いました
長男「ほら こっちだョ~ もぅ少しだョ~」
それでも立ち止まる牛さんを振り返り
顔を撫でながら話しかけます
長男「…怖いよね
…見たことないもんね
初めてだもんね
分かるョ~
でも大丈夫だから 大丈夫。」
長男の
「分かるョ~」がなんとも言えず 嬉しかった
『分かるョ』
相手に寄り添う言葉
相手を思いやる言葉
優しいなぁ~
って思った
牛さん…言葉分かんないけど
きっと息子の思いは伝わってると思った
牛舎に入るまで 大変だったし
牛舎に入ってからも
他の親牛の圧迫感や それまでの外生活とは違う景色に
なかなか自分の場所に入れず
叩いて 叩いて ようやく決められた場所に入れることが出来た
ものすごく疲れたけど それより何より 長男の言葉が印象的だった
あれから1週間近く経ち 長男が数日手伝ってくれた他は 毎日 私が入れている
長男の真似っこしながら
「ほらお家帰るョ~」って
「頑張って歩いてョ~ もぅ少し もぅ少し…」
牛が立ち止まる度思い出す
『分かるョ~』
その言葉を思い出すと 不思議とイライラしなかった
仕方ないもんね
って思えた
君の言葉の教えてくれた気持ち
それは 言葉以上に価値のあることなんだョ
『大丈夫だョ 大丈夫。』
平成20年10月3日生まれのごまごまぱんだ
2歳で母となる…予定。
(この子牛は同じころ産まれた ごまごまぱんだそっくりの赤ちゃん牛 ごまごまぱんだの赤ちゃん頃の写真 なかった~)
メイン画も このお話とは関係ない子牛です。。。可愛かったので。。。
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