2009324(火)

着物ひとつに帯三本


「着物ひとつに帯三本」。

一枚の着物をとことん生かすには、帯は三本あわせることが出来る、と私は捉えております。

そもそも私が帯広にいる頃、某新聞社主催スクールで、友人と着付けを習ったのが、着物の道への第一歩。
あれから、20年足らず。

単純に着物と言っても、歴史分野もあれば科学分野もあるし、生物学分野もあるし、民俗学も宗教もある。
長さ12メートル、幅35センチ前後の一枚の反物には、それこそ世界中の美術と技巧の業を載せて彩られ・・・。

と。

今日そこまで話しても、ただ難しいだけですね。
そのあたりは、おいおい話していきましょう。

さて。

今年は、実は、私にとって着物を着ることのできる当たり年です。

卒園式、卒業式、入学式二つ。
式服は洋服でも事足りますが、私は必ず着物を着ます。

本当は近所のお通夜にも着物で出席したいくらい。
ひとつ紋のついた色無地の赤みの無いものを、黒い喪の帯で飾っていけばいいのだけど、いまどきそんなことしたら、浮いてしまう。
だって、抹茶、墨桜、紺、紫なんかでもいいのだもの。
知っている人には、なんともなくても、知らない人には度肝を抜く振る舞い。
大人はやっぱりそこはかとなく控えなければいけません。

だからめでたい所には、着物を選ぶのです。
でも、卒園式と卒業式は近く、入学式は同じ日の午前と午後。

着物を使いまわしたほうが、ぜんぜんお得です。

何がお徳かというとメンテナンス。
一枚丸洗いすると、万吹っ飛ぶことがありますから。←滅多にないですが。

で、「着物ひとつに帯三本」にチャレンジ中。

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同じ着物で帯が違うものをポーズも似せてとってみました。
あっモデルが悪いのはどうぞ許して。

黒いほうは、紅型調の名古屋帯。
織り帯ではなく染め帯という、布の上に文様をかいた帯です。
そしてこれは、全通。
全通とは、文様が、切れ目なく続いている帯のことです。
帯揚げ・帯締め、ともに白。

赤いほうは、織りで椿を織り出した、しゃれ袋帯。
留袖に合わせる絢爛な、錦に比べると格はぐっとさがりますが、名古屋帯よりは格上。
こちらはお太鼓柄と言って、後ろのお太鼓のところと、腹側に来るところの2箇所の文様のみ。はっきり言って寂しい帯だといえます。
帯揚げは生成り色、帯締めは桃色。

面白いでしょ?

着物と似た濃い色のせいで黒い帯は同化してすっきりと軽く見え、赤いほうは反対色ともいえるけれど、大人しい柄行と布のつくりのせいで落ち着いて見えます。
色味だけだと、反対のイメージですよね。

帯揚げと帯締めのバリエーションも加えれば、もっと印象も変わると思います。
帯、または着物の中にある1色と同じ色を選ぶのがコツといわれていますが、そんなルール無視しちゃってもいいんです。

実際、赤いほうの帯には、全く色のない桃色を使っていますし。

帯の結び方も一興ですよね。

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名古屋帯は、一重太鼓。袋帯は二重太鼓。
太鼓という、背中にしょってる部分が一枚か二枚かで名前が違うのですが、それだけでもやはり見える印象はずいぶん変わります。

入学式にはどんな取り合わせにしようかな。

着物も変えようかなと思っていましたが、面白くなってきたので、手持ちの中で一番面白い友禅染の帯を使おうかなと思い始めました。

汽車が描かれている、おもいっきりの洒落もの。
それとも、京紅型の橙色の着物を変えて、赤い帯をしようか、緑の古典柄を染め抜いたものを使おうか。

組み合わせを考えるときが一番辛いときでもありますが、一番楽しいときでもあります。






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