2011年5月2日(月)
ねことねずみと、にじのはし
生き物を守りたい×7
4月の連休前、仕事帰りに家路を急ぐと、近くの休耕田の道端で、散歩中の大きな犬が何かを覗き込みました。
そして飼い主は、犬をむりやり引っ張って去っていきました。
犬の来た方に向かって帰るので、何があったのかとそのそばを通ると、みいみいと声が聞こえます。
仔猫だ、とすぐに思いました。
猫は好きです。
だから道端から泣き声のするところを覗き込むと、4匹の仔猫が草が深く生い茂ったところで鳴いていました。
あたりに親らしい猫のすがたは見えません。
すぐに、捨てられたのだろうと思いました。
休耕田や、家庭菜園用に貸し出す畑があちこちにあるこの地域には、たまに猫を捨てていく人がいるのです。
その時は、スルーしました。
私は猫アレルギーを。
子供たちは喘息を持っているからです。
夕方の5時半。大分暖かくなって、日も長くなりました。
もしかして母猫が迎えにくるかも。
もしかして飼い主が迎えにくるかも。
だからスルーしました。
家に帰って食事の支度をしました。
その間、仔猫のことは気にしていました。
支度が終わると、ちょうど上の子が学校から帰ってきました。
仔猫の話をしたら、見に行きたいというので、
「もう居ないかもしれないよ」。
と断りをいれ、下の子も一緒に三人で見に行きました。
仔猫はいました。
最初に見たときの場所からもっと奥まったところに落ち込んだようにうずくまっていて、みいみい鳴いていましたが、子供たちを見たとたん、3匹がいっせいによたよたとこどもたちに向かって歩いてきて、一番歩みのおそいからだの小さい子さえもが、子供の方に向かって歩いてきました。
4匹の仔猫をいったん保護することにして家に連れ帰りました。
家につれて返って庭にそっと降ろしたら、畑仕事をしていた義父は、
「なんで拾ってくるの、あのあたりには猫にえさやってる人がいるのに」
と困惑したような表情で言いました。
おいておいでとも言われましたが、もう真っ暗になっていたせいか、ダンボールをくれました。
仔猫たちをダンボールに入れたら、落ち着いたのか居眠りを始めました。
庭の隅において、これからどうしようと猫を飼っている友人に尋ねました。
「まず病院」
といってももう病院は終了しています。
仔猫たちは、衰弱している様子もなく、急を要する感じでもなかったので、それは次の日にしようと思いました。
友人は電話もくれました。
体の大きさ、様子などを尋ねてくれて、どんなものを与えたらいいのかも教えてくれました。
猫は一度も飼ったことはありませんから、何も準備はありません。
とりあえず、すぐに仔猫の食べるものを買いに行きました。
教えてもらったとおりに子猫にあてがうと、仔猫たちは、ほんのちょっとではありましたが食べました。床に置いた皿から食べるのがあまり上手でなかったので、スプーンで口のそばに持っていくと、スプーンをなめながらもぐもぐと食べました。
その間に上の子の友達が仔猫を見にやってきました。
里親を探そうと友達にメールを送ったら見にきてくれたのです。
可愛い可愛いとなでたり、抱っこしている間に仔猫がうとうと眠ったりとして、1時間ほど仔猫の様子を見ながらそばにいました。
おしっこやうんちも見てあげました。
夜も9時を回ったので、友達を帰すように促し、仔猫たちは箱に入れ、塀と門に囲まれた母屋に隣接している物置の軒下に置きました。
玄関に入れたいとも思いましたが、家に猫を連れ帰ってきたことはまず同居の義両親は好みませんでしたし、私たちもアレルギーや喘息が起きたら大変なので、もうずいぶん暖かい日だったので、風も雨もあたらないような場所においたつもりでした。
家に入ってからは、インターネットで飼い方や必要なものを調べました。
自分では飼いたくても飼えませんから、これから飼い主になってくれる人を探そうと思って、それまでなんとかしようと思いました。
でも。
でも仔猫たちは、皆死にました。
正確には、何かの野生の生き物に殺されてしまったのです。
朝、様子を見に行った下の子の知らせを受けて身体を調べたら、向かって左側の首筋だけに穴をうがったような傷がありました。
身体はもう固くなっていました。
手を合わせながら、彼らのために敷いてあげたバスタオルに兄弟をくるんで、すぐにしかるべきところに持ち込んで処理してもらいました。
時間がたった今から思えば、赤ん坊のような仔猫たちを家の敷地とはいえ、戸外においておいたのは間違っていたと気づいたのですが…。
もしあのまま捨てられていたところに放っとけば、一匹くらいは生き残ったのでしょうか。
もしかして飼い主は迎えに来てくれたのでしょうか。
連れてこなければよかった、
そしたら死ななくてもすんだかも、
と思いもします。
なきがらを預けたら、がっくりして居眠りし、そして夢を見ました。
先日ジャンガリアンハムスターが死んだ話を書いた時、「虹の橋を渡ったのですね」というコメントを頂き、そのイメージが頭に作り出されて、虹の橋をハムスターがチョコチョコ渡っていく夢を見たりしていたのですが、そのときの夢に、4匹の仔猫がハムスターについていく姿が映ったのです。
多分、妄想。
多分、思い込み。
多分、欺瞞。
それでも、ハムスターは仔猫をうまく誘導するにはとても効果があることでしょう。
上手に連れて行ってほしいと、そして、みんなで虹の橋を渡って、あの世で―それがあるとするならば―幸せになってくれることを願っています。
・・・なんとかしてあげられなくて、本当にごめんなさい。
そして飼い主は、犬をむりやり引っ張って去っていきました。
犬の来た方に向かって帰るので、何があったのかとそのそばを通ると、みいみいと声が聞こえます。
仔猫だ、とすぐに思いました。
猫は好きです。
だから道端から泣き声のするところを覗き込むと、4匹の仔猫が草が深く生い茂ったところで鳴いていました。
あたりに親らしい猫のすがたは見えません。
すぐに、捨てられたのだろうと思いました。
休耕田や、家庭菜園用に貸し出す畑があちこちにあるこの地域には、たまに猫を捨てていく人がいるのです。
その時は、スルーしました。
私は猫アレルギーを。
子供たちは喘息を持っているからです。
夕方の5時半。大分暖かくなって、日も長くなりました。
もしかして母猫が迎えにくるかも。
もしかして飼い主が迎えにくるかも。
だからスルーしました。
家に帰って食事の支度をしました。
その間、仔猫のことは気にしていました。
支度が終わると、ちょうど上の子が学校から帰ってきました。
仔猫の話をしたら、見に行きたいというので、
「もう居ないかもしれないよ」。
と断りをいれ、下の子も一緒に三人で見に行きました。
仔猫はいました。
最初に見たときの場所からもっと奥まったところに落ち込んだようにうずくまっていて、みいみい鳴いていましたが、子供たちを見たとたん、3匹がいっせいによたよたとこどもたちに向かって歩いてきて、一番歩みのおそいからだの小さい子さえもが、子供の方に向かって歩いてきました。
4匹の仔猫をいったん保護することにして家に連れ帰りました。
家につれて返って庭にそっと降ろしたら、畑仕事をしていた義父は、
「なんで拾ってくるの、あのあたりには猫にえさやってる人がいるのに」
と困惑したような表情で言いました。
おいておいでとも言われましたが、もう真っ暗になっていたせいか、ダンボールをくれました。
仔猫たちをダンボールに入れたら、落ち着いたのか居眠りを始めました。
庭の隅において、これからどうしようと猫を飼っている友人に尋ねました。
「まず病院」
といってももう病院は終了しています。
仔猫たちは、衰弱している様子もなく、急を要する感じでもなかったので、それは次の日にしようと思いました。
友人は電話もくれました。
体の大きさ、様子などを尋ねてくれて、どんなものを与えたらいいのかも教えてくれました。
猫は一度も飼ったことはありませんから、何も準備はありません。
とりあえず、すぐに仔猫の食べるものを買いに行きました。
教えてもらったとおりに子猫にあてがうと、仔猫たちは、ほんのちょっとではありましたが食べました。床に置いた皿から食べるのがあまり上手でなかったので、スプーンで口のそばに持っていくと、スプーンをなめながらもぐもぐと食べました。
その間に上の子の友達が仔猫を見にやってきました。
里親を探そうと友達にメールを送ったら見にきてくれたのです。
可愛い可愛いとなでたり、抱っこしている間に仔猫がうとうと眠ったりとして、1時間ほど仔猫の様子を見ながらそばにいました。
おしっこやうんちも見てあげました。
夜も9時を回ったので、友達を帰すように促し、仔猫たちは箱に入れ、塀と門に囲まれた母屋に隣接している物置の軒下に置きました。
玄関に入れたいとも思いましたが、家に猫を連れ帰ってきたことはまず同居の義両親は好みませんでしたし、私たちもアレルギーや喘息が起きたら大変なので、もうずいぶん暖かい日だったので、風も雨もあたらないような場所においたつもりでした。
家に入ってからは、インターネットで飼い方や必要なものを調べました。
自分では飼いたくても飼えませんから、これから飼い主になってくれる人を探そうと思って、それまでなんとかしようと思いました。
でも。
でも仔猫たちは、皆死にました。
正確には、何かの野生の生き物に殺されてしまったのです。
朝、様子を見に行った下の子の知らせを受けて身体を調べたら、向かって左側の首筋だけに穴をうがったような傷がありました。
身体はもう固くなっていました。
手を合わせながら、彼らのために敷いてあげたバスタオルに兄弟をくるんで、すぐにしかるべきところに持ち込んで処理してもらいました。
時間がたった今から思えば、赤ん坊のような仔猫たちを家の敷地とはいえ、戸外においておいたのは間違っていたと気づいたのですが…。
もしあのまま捨てられていたところに放っとけば、一匹くらいは生き残ったのでしょうか。
もしかして飼い主は迎えに来てくれたのでしょうか。
連れてこなければよかった、
そしたら死ななくてもすんだかも、
と思いもします。
なきがらを預けたら、がっくりして居眠りし、そして夢を見ました。
先日ジャンガリアンハムスターが死んだ話を書いた時、「虹の橋を渡ったのですね」というコメントを頂き、そのイメージが頭に作り出されて、虹の橋をハムスターがチョコチョコ渡っていく夢を見たりしていたのですが、そのときの夢に、4匹の仔猫がハムスターについていく姿が映ったのです。
多分、妄想。
多分、思い込み。
多分、欺瞞。
それでも、ハムスターは仔猫をうまく誘導するにはとても効果があることでしょう。
上手に連れて行ってほしいと、そして、みんなで虹の橋を渡って、あの世で―それがあるとするならば―幸せになってくれることを願っています。
・・・なんとかしてあげられなくて、本当にごめんなさい。
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