20081030(木)

忘れる。


ちょっとしたことを忘れる、言葉は悪いが「ぼけ」や「うっかり」ではなく、本当に忘れることが簡単に出来る人は天才だと、聞いたことがある。

酷い目にあわされたとか、話し合いたかったのに、それを拒否されてそのままとか、個人的なことはもちろん、盗難、天災、大きな事故、どうしようもなく避けることが出来なかったことなど、大きく辛かったことは簡単に忘れることはできない。

忘れることができるひとは、非常に少ない。

時は忘れる事を手伝ってくれる。
しかし、忘れるための時が、その人の寿命より多い場合、その忘れられない恨みはその後の世代に伝わっていく。

「忘れられない」というのは、「許さない」ということでもあるのだろうか。

だから、忘れるために人はいろいろなことをする。
されたことをぜんぜん別の人に返してみたり、まったく違うことで見返そうとしたり。
でも、よっぽど真剣になり夢中になり、それで十分満足したと感じなければ、いつまででもその恨みは火種となって残る。その間に、また新たな辛いことが起きて、火種を増やすことにもなりかねない。

抱えた問題の恨みを忘れるためには、その抱えた問題と同じ部分に真っ向から闘わなくては、忘れられない。恨みをもった相手にぶつけなくては意味がない。

何を言っているかと思うだろう、怖いと思うだろう。

人はたまに綺麗な事を語る。
だけど、その綺麗なことの裏には、きれいで無い思いが隠されていることがある。そのきれいで無い思いを「忘れる」ためにすることなら、忘れて何もなかったようにしたいと願っているのなら、それが反社会的なことでも、付き合うことがあるかもしれない。(反社会的=犯罪ではありません)

おそらく私は、つきあう。

だけれど、その恨みをますます強めていると感じたなら、断固として闘う。見極めは難しいが、人の恨みを貰って別の人にぶつけるなどばかばかしすぎる。
なぜなら、私たちは恨まれるために生まれてきたのはなく、愛されるためにこの世に出てきたのだから。


私は、意気地がなくて真っ向から闘うことが出来なかった。
しかも恨みをもらってぶつけることもできないお人よしだった。

食い尽くされた分、なかなか忘れることが、許すことが出来ない。

だから今は、許すために、忘れることを頑張っている。






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