201162(木)

壮絶な最後を遂げたフネ『矢矧・やはぎ』


壮絶な最後を遂げたフネ『矢矧・やはぎ』

6月に入りましたが、いかがお過ごしでしょうか?
今回も、先月行われた、『第一回・艦船模型発表会』の出展作品からの紹介。

本日は、1/350スケール・軽巡洋艦『矢矧(やはぎ)』外部リンク
、大谷氏、製作の作品です。

軽巡洋艦・矢矧は、1943年、機密に守られ完成しました。阿賀野型と呼ばれる巡洋艦の同型3番艦で、従来艦からは飛びぬけて進化した日本海軍が誇る最新鋭艦、艦名は長野県から中部地方を流れる矢矧川にちなんで命名されました。

1943年戦争に参加、マリアナ沖海戦外部リンクレイテ沖海戦外部リンク
、など数々の戦火をかいくぐり、いずれも帰還。
1945年4月1日の米軍の沖縄上陸をうけて「戦艦・大和」が沖縄に進路をとった『天一号作戦』で「大和」の護衛につくことなりました。

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主砲から艦橋方向-中央の構造物群を見る。

日本の軍艦史に残る優秀艦のその姿は、機能的でありながらシンプルにまとまっていて、戦後から次の世代にかけて暫く建造された艦船から見ても全く見劣りしません。

その最新鋭艦の優秀さは、他の艦船では度々行われた性能改善の大改装が、最後のときまでほとんど行われていないところからも伺えます。

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艦尾よりから矢矧を見る。

矢矧の最後は、終戦間近、戦艦・大和を護衛した沖縄特攻作戦。

多くの魚雷や爆弾を受け、推進力を奪われ大和の護衛から外れるも、なおも沈まず。生存した乗員は後に「もう早く沈んでくれと思うくらい沈まなかった」という言葉を残している。この際、左舷に大きく傾いた大和を見たといいます。

このクラスの艦船としては驚異的な数字の被弾に持ちこたえ、8発の魚雷と12発の爆弾を受け大和よりわずかに早く、波間へと消えました。

日本海軍、軽巡洋艦の壮絶な最後として語り継がれています。

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中央構造物をアップで見る。

大谷氏の作品は非常に丁寧な作りこみで、今回の発表会でも多くの支持を集めました。

マクロ(接写)撮影でも全く粗が見えない塗装のシャープさやマクロな視点で初めて見えてくるような細かな作りこみなどが、目を引きます。

来年も大谷氏の作品に早くも期待の声が上がっています。

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大谷氏の『矢矧』をモノクロで実艦の写真風に撮影してみました。

模型といわれなければ気づかないくらい様になっているところが、大谷氏の作りこみの技術の高さからでしょう。

模型から見て取れる、戦史。歴史的な話を交えて、後世に語り継ぐことが出来るのも艦船模型の特徴の一つでしょう。

皆さんも、是非、大谷氏のような作品を目指してみて下さい。今日は、大谷氏の作品・軽巡洋艦『矢矧』でした。


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