2011年11月26日(土)
魔法の箱
海・船ネタ記事×64
今日は船の話題から。
“魔法の箱”・・『コンテナ』の話です。
港に行くと見られる代表的な船の一つに、『コンテナ船』という船があります。
港へ行った事のある方は、規格が統一された箱がうず高く積まれた船を見たことがあるかと思います。港と縁がない方でも映画などで、密輸や密航などさまざまなシーンで登場しますね。
現在、私たちの身の回りで使う日用品を含むほとんどの品物が、この『コンテナ』で運ばれているんですよ。
『コンテナ』は、アメリカで、トラック業者を営むマルコム・マクリーンという人の手によって生み出されました。
陸運業者だった、マルコム・マクリーンですが、海と陸とを最も効率よく荷物を運ぶためトラックと船を連携して使う方法を思いつき、1956年、第二次大戦中に増産された戦時標準船のT-2と呼ばれるタンカーを改造して初めてのコンテナ船を運航し海上コンテナの利便性を実証したのです。
それまでは港まで運んだ荷物を、一度倉庫に入れ、船が入港したら沢山の人の手を使ってその荷物を積み込む・・到着地ではその逆の事をして最終目的地へと送り届ける・・このような輸送が一般的でした。その方法では荷物が目的地へ届くまで、時間は勿論、沢山の人手と労力、それに荷物をバラで取り扱うため、積み込み作業や中間の積み替えで、多くが損傷していましたので、荷主もそんなリスクを承知で出荷していた時代です。
荷役中の大型コンテナ船
そんな中開発されたコンテナ。積み込み地で荷物をコンテナに積みつけ、そのままトラックで港まで・・金属製のコンテナはそれ自体が風雨をしのげる建屋にもなり、屋外に積みおきしてもOK。船が着けば荷物の積み替えもなしにそのままクレーンで船へと載せ目的地へ送り出す。荷物は頑丈な箱で護られているので破損も最小限で済みます。
積み替えにかかる時間も人手も最小限で済んだのでした。
マルコム・マクリーンは海運会社を買い、『シーランド社』としてコンテナ輸送を世界に広げるのでした。
やがてこのシステムには多くの海運会社が参入、今では物流システムの中心的存在となり、マルコム・マクリーンは先見の明があったといえますね。
このシステムは船の形は勿論、港の構造まで変えていき、この変革は陸上輸送にも及ぶことに・・。今では海を渡ってきたコンテナを鉄道に積みつけて更なる目的地へと運ばれるようになり、日本国内でも海上規格のコンテナを積んで走る列車が走るようになったのです。
そんな『コンテナ』は世界経済を動かしている魔法の箱といえます。
コンテナの中は、こんな感じです。
コンテナは前述の通り、規格が統一されていて、コンテナ船の船倉もその規格で作られています。そのサイズは20フィート(6m)と40フィート(12m)があり、コンテナを数える単位としてTEUと言うものが使われています。1TEUとは、20フィートのコンテナ一つを指し、500TEU積みのコンテナ船というと20フィートのコンテナを500個、40フィートのコンテナなら250個、積めるということになります。
現在はそれよりも大きいサイズの45フィートと言うサイズも生まれ、コンテナ船には、20フィート、40フィート、45フィートの三つのサイズが載せられる事になります。
現在はコンテナ船で大型のものは全長400m近く、10000TEU、つまり20フィート・コンテナを10000個以上積む事ができるコンテナ船もあるんですよ。
現在18000TEU(20フィート・コンテナで18000個)積みのコンテナ船も計画されています。
コンテナ船が列をなすコンテナ埠頭の朝。
コンテナ船は、定期船として時刻表どおりに定時運航されていて、積み下ろしは停泊時間内に計画的に行われます。
そのため、船はのんびり・・なんて言葉は当てはまらないくらい時間に正確さを求められ、長距離の航路では一航海片道40日以上となる航海も定時到着率90%近い数字を実現しています。
そのコンテナ船の速度は時に時速50km、東京タワー以上の巨大な構造物が驚くほどのスピードで海上を動いるのです。
今日も世界中の港へ向けて、沢山のコンテナを載せた、巨大コンテナ船が出港していきます。
今年のクリスマスプレゼントも、そのコンテナ船で運ばれて来るものかもしれませんね。
今日は“魔法の箱”と題してコンテナの話をしてみました。
・・END
PR・・コンテナ誕生の秘話は、『コンテナ物語』―マルク・レビンソン 著 で知る事ができます。この本はコンテナの起源のみならず、起業家の成功の秘訣や紆余曲折なども読んで取れる本なので、事業者の方には特に読んで頂きたい書籍でもあります。
PS・・もうすぐ12月。クリスマスがやってきますね。
クリスマス・プレゼント探し、STAR SHIP MODELSも覗いてみてくださいね・・
船の模型と海雑貨・・STAR SHIP MODELS
店舗情報はこちら→http://www.obnv.com/interior/475
“魔法の箱”・・『コンテナ』の話です。
港に行くと見られる代表的な船の一つに、『コンテナ船』という船があります。
港へ行った事のある方は、規格が統一された箱がうず高く積まれた船を見たことがあるかと思います。港と縁がない方でも映画などで、密輸や密航などさまざまなシーンで登場しますね。
現在、私たちの身の回りで使う日用品を含むほとんどの品物が、この『コンテナ』で運ばれているんですよ。
『コンテナ』は、アメリカで、トラック業者を営むマルコム・マクリーンという人の手によって生み出されました。
陸運業者だった、マルコム・マクリーンですが、海と陸とを最も効率よく荷物を運ぶためトラックと船を連携して使う方法を思いつき、1956年、第二次大戦中に増産された戦時標準船のT-2と呼ばれるタンカーを改造して初めてのコンテナ船を運航し海上コンテナの利便性を実証したのです。
それまでは港まで運んだ荷物を、一度倉庫に入れ、船が入港したら沢山の人の手を使ってその荷物を積み込む・・到着地ではその逆の事をして最終目的地へと送り届ける・・このような輸送が一般的でした。その方法では荷物が目的地へ届くまで、時間は勿論、沢山の人手と労力、それに荷物をバラで取り扱うため、積み込み作業や中間の積み替えで、多くが損傷していましたので、荷主もそんなリスクを承知で出荷していた時代です。
荷役中の大型コンテナ船
そんな中開発されたコンテナ。積み込み地で荷物をコンテナに積みつけ、そのままトラックで港まで・・金属製のコンテナはそれ自体が風雨をしのげる建屋にもなり、屋外に積みおきしてもOK。船が着けば荷物の積み替えもなしにそのままクレーンで船へと載せ目的地へ送り出す。荷物は頑丈な箱で護られているので破損も最小限で済みます。
積み替えにかかる時間も人手も最小限で済んだのでした。
マルコム・マクリーンは海運会社を買い、『シーランド社』としてコンテナ輸送を世界に広げるのでした。
やがてこのシステムには多くの海運会社が参入、今では物流システムの中心的存在となり、マルコム・マクリーンは先見の明があったといえますね。
このシステムは船の形は勿論、港の構造まで変えていき、この変革は陸上輸送にも及ぶことに・・。今では海を渡ってきたコンテナを鉄道に積みつけて更なる目的地へと運ばれるようになり、日本国内でも海上規格のコンテナを積んで走る列車が走るようになったのです。
そんな『コンテナ』は世界経済を動かしている魔法の箱といえます。
コンテナの中は、こんな感じです。
コンテナは前述の通り、規格が統一されていて、コンテナ船の船倉もその規格で作られています。そのサイズは20フィート(6m)と40フィート(12m)があり、コンテナを数える単位としてTEUと言うものが使われています。1TEUとは、20フィートのコンテナ一つを指し、500TEU積みのコンテナ船というと20フィートのコンテナを500個、40フィートのコンテナなら250個、積めるということになります。
現在はそれよりも大きいサイズの45フィートと言うサイズも生まれ、コンテナ船には、20フィート、40フィート、45フィートの三つのサイズが載せられる事になります。
現在はコンテナ船で大型のものは全長400m近く、10000TEU、つまり20フィート・コンテナを10000個以上積む事ができるコンテナ船もあるんですよ。
現在18000TEU(20フィート・コンテナで18000個)積みのコンテナ船も計画されています。
コンテナ船が列をなすコンテナ埠頭の朝。
コンテナ船は、定期船として時刻表どおりに定時運航されていて、積み下ろしは停泊時間内に計画的に行われます。
そのため、船はのんびり・・なんて言葉は当てはまらないくらい時間に正確さを求められ、長距離の航路では一航海片道40日以上となる航海も定時到着率90%近い数字を実現しています。
そのコンテナ船の速度は時に時速50km、東京タワー以上の巨大な構造物が驚くほどのスピードで海上を動いるのです。
今日も世界中の港へ向けて、沢山のコンテナを載せた、巨大コンテナ船が出港していきます。
今年のクリスマスプレゼントも、そのコンテナ船で運ばれて来るものかもしれませんね。
今日は“魔法の箱”と題してコンテナの話をしてみました。
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