2012年1月26日(木)
北海道模型紀行①函館・金森倉庫編
模型紀行×15
今日は、函館は金森倉庫の一角にある、船の模型たちの紹介をしてみます。
金森倉庫の一角、倉庫内を見渡せる二階部分の回廊に、函館生まれ、函館育ちの模型作家、故 釜谷 弘 氏の作品4点が展示されています。
釜谷氏は人生最後となる平成15年まで模型製作に打ち込み、その年の3月青函連絡船記念館・摩周丸に青函連絡船・金比羅丸の模型を寄贈。その夏、まさに最後のときまで模型製作とともに歩んだ生涯を終えました。
展示されている模型は、木材をベースに、ほとんどの部品は自分で製作し、木製の甲板などはそのままの質感を残して製作された味わい深い作品です。
釜谷氏の作品は金森倉庫のレンガ作りの古風な雰囲気に絶妙にマッチしています。
メインの画像は、戦前から日本が誇った豪華客船『浅間丸』の姿です。
『浅間丸』(日本郵船)模型の煙突が並ぶ上部の構造物を眺めてみます、現代の客船とは違い、さまざまな空調機器や機械類がむき出しで所狭しと並び、当時の船の様子をよく捉えて、臨場感ある模型に仕上げています。
日本郵船の客船といえば、現在横浜に保存されている『氷川丸』が有名ですが、横浜-ホノルル-サンフランシスコを結んだこの『浅間丸』はそれより一回り大きく、室内装飾には大理石を使ったりと豪華な装飾で日本を代表する客船でした。『氷川丸』は格付けが貨物と旅客の両方を運ぶ“貨客船”だったのに対しこちらは“客船”文字通り旅客輸送に特化した豪華客船だったのでした。
現代では模型業者が製作するハイクオリティーの船舶模型も数多くありますが、釜谷氏の模型にはそのような模型にはない暖かみが感じられるところがあります。それは、一隻一隻、入魂するかの思いで製作された作者の魂が宿っているからのようにも思えます。
こちらは『愛国丸』(大阪商船)。
南アフリカ航路に就くために作られた客船で当時としては斬新なデザインで美しい船でしたが、戦争とともに軍に徴用され、特設巡洋艦という肩書きのもと戦争に参加、他の多くの船と同じく日本から遠く離れた地で沈んでしまった船でした。しかし模型では、その船の華々しい客船としての優美な姿が細かく作りこまれています。
『愛国丸』の船尾構造、クレーンの一つ一つも手を抜かず作られていて、甲板の材料も、実物同様、細切りされた板を一枚一枚丁寧に張ってあるあたり、作者の模型に対する愛情を感じます。
こちらは、フランスが国の威信を掛けて建造した当時最大の客船『ノルマンディー』です。全長313mの巨船で当時流行したアールデコ様式のデザインを船体から船内に至るまで余すところ無く取り入れたことから『洋上の宮殿』と呼ばれました。
最後は『金剛丸』。関釜連絡線として、釜山と日本本土との間を運行した連絡線で、当時の連絡線としては新しい技術を導入した、快適な船だったようです。戦時中、空母への改造案も出たのですがそうはならず。客船として活躍、その間機雷に接触するも、座礁して沈没を免れ、船の形を保って終戦を迎えました。その後修復されアメリカ軍に徴用されて使われ、戦争の狭間で活躍した船の中では比較的息の長い船だったようです。
今日は、北海道内の船舶模型をたずねて、『函館模型紀行』と題してその一回目、金森倉庫に展示されている、釜谷 弘
氏の作品群を紹介しました。
船舶模型にはなんとも言い表せない奥深さがありますが、今回の釜谷氏の模型をみて更にその奥深いところを知ったような気がします。
函館へお出かけ予定がある方は、このような港町ならではの展示にも目を向けてみては如何でしょうか。
模型の企画展『1:1250モデルシップの世界』を店内企画展示室で開催中!入場は無料です。
企画展『1:1250モデルシップの世界』は、2月12日(日)まで開催。開催期間中に是非一度ご覧下さい。
雑貨コーナーも新装で、新商品入荷中!こちらも是非ご覧下さい。
船の模型と海雑貨・・STAR SHIP MODELS
店舗情報はこちら→http://www.obnv.com/interior/475
金森倉庫の一角、倉庫内を見渡せる二階部分の回廊に、函館生まれ、函館育ちの模型作家、故 釜谷 弘 氏の作品4点が展示されています。
釜谷氏は人生最後となる平成15年まで模型製作に打ち込み、その年の3月青函連絡船記念館・摩周丸に青函連絡船・金比羅丸の模型を寄贈。その夏、まさに最後のときまで模型製作とともに歩んだ生涯を終えました。
展示されている模型は、木材をベースに、ほとんどの部品は自分で製作し、木製の甲板などはそのままの質感を残して製作された味わい深い作品です。
釜谷氏の作品は金森倉庫のレンガ作りの古風な雰囲気に絶妙にマッチしています。
メインの画像は、戦前から日本が誇った豪華客船『浅間丸』の姿です。
『浅間丸』(日本郵船)模型の煙突が並ぶ上部の構造物を眺めてみます、現代の客船とは違い、さまざまな空調機器や機械類がむき出しで所狭しと並び、当時の船の様子をよく捉えて、臨場感ある模型に仕上げています。
日本郵船の客船といえば、現在横浜に保存されている『氷川丸』が有名ですが、横浜-ホノルル-サンフランシスコを結んだこの『浅間丸』はそれより一回り大きく、室内装飾には大理石を使ったりと豪華な装飾で日本を代表する客船でした。『氷川丸』は格付けが貨物と旅客の両方を運ぶ“貨客船”だったのに対しこちらは“客船”文字通り旅客輸送に特化した豪華客船だったのでした。
現代では模型業者が製作するハイクオリティーの船舶模型も数多くありますが、釜谷氏の模型にはそのような模型にはない暖かみが感じられるところがあります。それは、一隻一隻、入魂するかの思いで製作された作者の魂が宿っているからのようにも思えます。
こちらは『愛国丸』(大阪商船)。
南アフリカ航路に就くために作られた客船で当時としては斬新なデザインで美しい船でしたが、戦争とともに軍に徴用され、特設巡洋艦という肩書きのもと戦争に参加、他の多くの船と同じく日本から遠く離れた地で沈んでしまった船でした。しかし模型では、その船の華々しい客船としての優美な姿が細かく作りこまれています。
『愛国丸』の船尾構造、クレーンの一つ一つも手を抜かず作られていて、甲板の材料も、実物同様、細切りされた板を一枚一枚丁寧に張ってあるあたり、作者の模型に対する愛情を感じます。
こちらは、フランスが国の威信を掛けて建造した当時最大の客船『ノルマンディー』です。全長313mの巨船で当時流行したアールデコ様式のデザインを船体から船内に至るまで余すところ無く取り入れたことから『洋上の宮殿』と呼ばれました。
最後は『金剛丸』。関釜連絡線として、釜山と日本本土との間を運行した連絡線で、当時の連絡線としては新しい技術を導入した、快適な船だったようです。戦時中、空母への改造案も出たのですがそうはならず。客船として活躍、その間機雷に接触するも、座礁して沈没を免れ、船の形を保って終戦を迎えました。その後修復されアメリカ軍に徴用されて使われ、戦争の狭間で活躍した船の中では比較的息の長い船だったようです。
今日は、北海道内の船舶模型をたずねて、『函館模型紀行』と題してその一回目、金森倉庫に展示されている、釜谷 弘
氏の作品群を紹介しました。
船舶模型にはなんとも言い表せない奥深さがありますが、今回の釜谷氏の模型をみて更にその奥深いところを知ったような気がします。
函館へお出かけ予定がある方は、このような港町ならではの展示にも目を向けてみては如何でしょうか。
模型の企画展『1:1250モデルシップの世界』を店内企画展示室で開催中!入場は無料です。
企画展『1:1250モデルシップの世界』は、2月12日(日)まで開催。開催期間中に是非一度ご覧下さい。
雑貨コーナーも新装で、新商品入荷中!こちらも是非ご覧下さい。
船の模型と海雑貨・・STAR SHIP MODELS
店舗情報はこちら→http://www.obnv.com/interior/475
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