艦船模型だけを扱ったちょっと濃いホビーコーナーから・・８月の新製品-フジミから発売の1/700日本海軍航空母艦『雲龍』です。

今回は、フジミが竣工時と終焉時の２つの状態で再現。
比較ができるキットで発売されました。

航空母艦『雲龍』は、雲龍型航空母艦の一番艦として僅か2年と言う短工期で1944年に竣工した中型空母。

それまでの作戦で喪失していた航空母艦の穴埋めをする意味でも、この雲龍型空母の完成は、急がれました。

フジミ　特-69　日本海軍航空母艦『雲龍』竣工時　￥2835

雲龍型空母は同型艦15隻の建造計画が持ち上がり、うち６隻の同型空母が起工されましたが、戦況悪化による資材の枯渇などから、完成したのは半分の３隻。残る船は建造が途中で中止されています。

1944年と言えば戦況が悪化の一途をたどる時期。1944年8月に完成竣工した『雲龍』でしたが、不運は、完成時点で、この新造空母に搭載すべき航空機が失われていたこと。

航空機動部隊を運用しての本来の作戦参加・出撃で日の目を見ることは、最後までありませんでした。

そんな『雲龍』が、特攻機「桜花」などをフィリピン方面へ輸送する任務を命じられる事となります。

空母としての仕事とはかけ離れた輸送任務、航空機よりも武器や車両などの数が圧倒的に多い輸送作戦でした。

フジミ　特-70　日本海軍航空母艦『雲龍』終焉時　￥2835

1944年12月17日、駆逐艦・『時雨』・『檜』・『樅』の護衛を得ての日本を離れ東シナ海へと進路をとります。

このとき『雲龍』には、海軍部隊だけでなく、陸軍部隊も多く便乗していたため、3000名を超える乗艦者がいたといわれます。

東シナ海へ出てまもなく、米潜水艦の追尾を受け

12月19日、米潜水艦「レッドフィッシュ」の魚雷攻撃を受け数度の回避もむなしく一本の魚雷が艦尾に命中。

その後火薬庫に引火爆発、総員退避命令から僅か9分で、艦首から前のめりになりながら沈没。

『雲龍』は完成から僅か4ヶ月で海に姿を消しました。

同型空母には『天城』『葛城』がありましたが、そのうち『葛城』は、日本海軍が最後に完成させた空母となりました。

その『葛城』は幸運にも終戦まで無事であり、戦後の復員任務についた後に解体されました。

かく
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