2012910(月)

呉軍港で終戦を迎えた日本海軍航空母艦・・『龍鳳』


呉軍港で終戦を迎えた日本海軍航空母艦・・『龍鳳』

ホビーコーナーから日本海軍航空母艦『龍鳳』の新製品・フジミからリリースの2商品から空母『龍鳳』のお話です。

潜水母艦から改造されて間もない、短い飛行甲板の1942年の状態と、その後の改装で全通の長い飛行甲板となった1945年の状態の2つのモデルで再現されています。

前述のように『龍鳳』は最初から空母として建造された艦ではありませんでした。最初の艦型・艦名は潜水母艦『大鯨』。

というのも、当時はロンドン海軍軍縮条約というものの縛りで、主力艦はもとより補助艦の保有数を大きく制限されていた事から、制限の無い10000トン以下の潜水母艦を、戦時にはいつでも空母に改造できる諸元で建造するという方法を考えたためです。

その考えで空母改造を前提で建造された潜水母艦『大鯨』。

潜水母艦とは、内部が狭く、燃料は勿論、食糧その他の物資も多く積む事が出来ない潜水艦に代わり、潜水艦に随伴してそれらの物資を潜水艦に補給する仕事を請け負っていた船です。

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フジミ 1/700 特-64 龍鳳 1942(昭和17年)¥2835

『大鯨(龍鳳)』の船体は世界初ともいわれる、全船体電気溶接という画期的な方法で建造され、建造開始から半年ちょっとで進水と言う異例のスピードで作られました。

1941年太平洋戦争の勃発と同時に『大鯨』は空母への改造工事に着手され、1942年航空母艦『龍鳳』として完成しました。改造中の空襲で被弾したこともあり工期は計画から大きく遅れました。空母としては小型の軽空母としての完成です。

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フジミ 1/700 特-65 龍鳳 1945(昭和20年)¥2835

空母としての『龍鳳』は、南方への輸送任務などに従事したものの、雷撃による損傷などでなかなか実戦に参加する機会には恵まれませんでした。

しかし、その『龍鳳』にも初陣の機会が訪れます。米機動部隊がマリアナ沖へとコマを進めた際のマリアナ沖海戦です。

しかしこの海戦で、日本は苦戦を強いられ、翔鶴・飛鷹・大鳳の三隻の空母を失う事になります。これは建て直しを図ったばかりの日本海軍機動部隊が、壊滅的な状況へと追い込まれた事を意味します。

『龍鳳』はこの海戦で、ただ逃げ帰る事しか出来ませでした。

その後の『龍鳳』は南方と本土の間での輸送任務を淡々とこなします。空母としての姿をもつ『龍鳳』でしたが、その甲板に搭載する航空機はありませんでした。

とはいえこの任務の最中これといった攻撃にさらされる事が無かった『龍鳳』は、ある意味幸運に恵まれたとも言えます。

やがて、国内の艦船・航空燃料も底を尽き、『龍鳳』は呉軍港に係船されたまま終戦を迎えます。終戦までに大破していた『龍鳳』はその後、復員船としての使用もされず解体されました。

『龍鳳』の最後は余りにもの悲しいものですが、新技術の導入や船体改造のノウハウを技術者達に提供した点では、無駄な生涯ではなかったようにも思います。

そんな『龍鳳』の在りし日の姿を模型で再現してみるのも、良い供養の仕方かな・・と考えるのでした。

今日はホビーコーナー新製品から、空母『龍鳳』のお話でした。

※表示価格は、ブログ更新時の当店売価です。

明日9/11(火)は、当店お休みを頂きます。宜しくお願いいたします。

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