海・船ネタ記事(64)


201238(木)

エドワード・ジョン・スミス  タイタニックと運命をともにした船長


エドワード・ジョン・スミス  タイタニックと運命をともにした船長

エドワード・ジョン・スミス、彼は、タイタニック号の処女航海で船長として乗り組んだことで名を残しました。

映画『タイタニック』(1997)でも、ホワイトスターライン(タイタニックの運行会社)社長のイズメイとの会話など、事故の起因となるシーンで度々登場します。

彼は、1880年に、ホワイトスターライン社に入社。
入社後、四等航海士としてオーストラリア航路・ニューヨークヨーク航路と、船に乗り組みながら技術を習得、昇進を重ねます。

そして1887年には蒸気船パブリック号の船長となります。

1895年からは大型の客船、マジェスティック号の船長を務めることとなりますが、この間には、第二次ボーア戦争が勃発、マジェスティック号とともに軍隊輸送船船長として戦地への軍隊輸送に当たりその往復の任務を全うしました。

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スミス船長が乗船、安全運行で戦時において船員・乗船者の命を守り抜いたマジェスティック号

軍隊輸送船船長として任務を成し遂げた事から、スミス船長は『安全な船長』という評価を受けホワイトスターライン運行の歴代の名船の船長を任されました。

スミス船長は、世界で最も経験豊かで信頼のおける船長として、史上最大の巨船の船長を任されることになります。

その船こそがタイタニックの同型姉妹船オリンピック号です。

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当時、世界最大の船として建造されスミス船長が舵取りを任されたオリンピック号

しかし、このオリンピック号乗船中に、タイタニック号の事故を予見させるかのような事故が数度起こります。
タグボートの巻き込みに始まり、最たるものは軍艦との衝突事故まで、スミス船長の今までの経歴からは、考えられないような事故でした。

これらの事故は、単なる人為的ミスというよりも、この船がそれまで運行された記憶が無いような巨船であったため、スミス船長はじめ乗組員全員が操船に不慣れであったための操船の難しさが露呈した事故であったとも言われています。

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オリンピック号の出港操船を行うスミス船長

そのような事故が続いたにもかかわらず、ホワイトスターライン社は処女航海を迎えるタイタニック号の船長にスミス氏を再び任命したのでした。

このタイタニック号の処女航海が、スミス船長の引退航海だったとも言われています。

しかしタイタニック号はその航海で氷山に衝突、あの悲劇を招いたのでした。

沈没までの限られた時間に避難の指示、無線での救助要請の指揮を執ったあと、1912年4月15日の沈没の10分前、乗組員に『皆自分のために行動せよ』という言葉を残しブリッジに入って行く姿が、彼が最後に目撃された姿となりました。。(享年62才)

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タイタニック号・運命の出港のシーン

あの航海で悲劇を歴史に刻む事となったスミス船長をたたえる者はありませんが、人間的には懐深く、関係者からは船長適任の人物であったと言われています。

今日はタイタニック号と運命をともにした船長、エドワード・ジョン・スミス氏についてお話しました。


お知らせ・・

明日・3/9(金)FM-JAGA 13:10からの T TIMEでSTAR SHIP MODELSからの中継が入ります。リポーターは、梶山さんです。お時間ある方は聴いてみてくださいね!


タイタニック号・処女航海100年企画・企画展『タイタニック展』開催中

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処女航海から今年で100年を迎えるタイタニック号を模型や写真、遺品レプリカなどでわかりやすく展示しています。

開催期間:3月1日(木)~4月20日(金)

会場:店内企画展示室

時間:店舗営業時間(10:00~19:00)休業日を除く

入場は無料です。多くの方のご来場お待ちしております。





船の模型と海雑貨・・STAR SHIP MODELS

店舗情報はこちら→http://www.obnv.com/interior/475外部リンク



201236(火)

予言されていたタイタニックの悲劇


予言されていたタイタニックの悲劇

今日はタイタニック展から、タイタニックにまつわる予言についてお話したいと思います。

タイタニック号の悲劇の後、多くの予言があったことが、話題に上げられますが、その中で1800年代後半から大型客船が氷山に衝突するという点でストーリーが類似したいくつもの遭難劇が小説で描かれています。

その中に、タイタニック号の事故に酷似したものの存在があったことは、ご存知でしょうか?

1898年のモーガン・ロバートソンの短編小説がそれです。

そのストーリーは不沈船と大々的に宣伝された豪華客船が、イギリス-ニューヨーク間を航海、その航海の最中に氷山に衝突し沈没してしまう。ここまでは、多くの作家が思いつきそうな筋書きで、それに近いものは以前にも書かれていました。

しかし驚くべきは物語の設定。とくに沈没した船についてのデーターがタイタニックに不気味なまでも酷似していたのです。

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まず、この物語で沈んだ船の名前は『タイタン号』その名前・その由来はタイタニックそのものです。

船体のスペックもタイタニックと驚くほど似ています。
まず船の全長は、『タイタン号』800フィートに対し・・』タニック号』が882フィート

そして総トン数、『タイタン号』45000トンに対して・・『タイタニック号』46329トン

『タイタン号』の最高速力は25ノット・・『タイタニック』では24ノット

不沈船という言葉の所以となる水密隔壁まで物語の設定に登場しており、それはタイタン号で19区画・・タイタニック号では16区画でした。

沈没時の乗船者数はタイタン号2000名に対し・・タイタニック号2223名(概算)。

救命ボートの数、タイタン号24艇・・タイタニック号20艇です。

事故の海域は北大西洋で、その時期も4月と同じ、氷山へ衝突した速度もほぼ同じです。衝突した場所もともに右舷側と、すべての点で酷似しています。

この事故が救命ボートの不足から多くの犠牲者を出してしまうと言う結末までもが一緒だったのです。

実は、実際のタイタニック号の名前の由来となっているのが、ギリシャ神話の巨人族、タイタンから来るもので、タイタンは神話の中で、神にたてついたことで滅ぼされています。

タイタニック号はそのタイタンのごとく、文明のなかに技術革新をなしとげた人間の驕りから自然神の怒りにふれ、海に飲み込まれたととることが出来ます。

これを予言と取る事も出来ますがモーガン・ロバートソンは、産業革命によって技術が一人歩きした時代に警鐘を鳴らしていたとも言える訳で、このような耳を傾けるべき警告は現代に生きる私たちの周りにもあるのです。

身近な例では、震災から尾をひいている原発事故。これもタイタニック同様、備えをおろそかにした事で起きた事故ともいえるわけです。


今日は、タイタニックのミステリー・・タイタニックの運命を予言した著書から引用して、小説と酷似した部分をお話してみました。


『タイタニック展』では、タイタニック号のエピソードや、建造から処女航海、氷山衝突まで、分かりやすく展示しています。

タイタニック号・処女航海100年企画・企画展『タイタニック展』開催中

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処女航海から今年で100年を迎えるタイタニック号を模型や写真、遺品レプリカなどでわかりやすく展示しています。

開催期間:3月1日(木)~4月20日(金)

会場:店内企画展示室

時間:店舗営業時間(10:00~19:00)休業日を除く

入場は無料です。多くの方のご来場お待ちしております。


本日、3/6(火)は工房作業のため店舗お休みを頂きます。ご不便お掛け致しますが宜しくお願いいたします。


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店舗情報はこちら→http://www.obnv.com/interior/475外部リンク



201234(日)

ダミーだったタイタニックの煙突


ダミーだったタイタニックの煙突

本日は、タイタニック展からタイタニックのはなしです。

メイン画像は取り付け前のタイタニック号の煙突です。今日は、このタイタニックの大きな煙突についてお話します。

タイタニック号には巨大な煙突が4本、取り付けられています。この四本の煙突はタイタニック号の均整のとれた優美な姿を作るのに大きく貢献しています。

この煙突、当時は機関(エンジン)一つに対して一本の煙突を立てるのが一般的でした。四本煙突は一般的には機関が4基あるということを意味し、それは高出力で速い船というイメージを船客に対しても与えたものでした。

さて、ここまで一般的な煙突の話をしてきましたが、タイタニック号の煙突、実は機関(エンジン)の数と一致しません。

そう、タイタニック号の機関(エンジン)は3基、煙突の数4に対して3つのエンジンしか載せていませんでした。

最後尾一本の煙突は、なんと見かけを良くするためのダミーだったのです。

その事は、タイタニック号を撮影した、当時の写真で、最後尾一本の煙突から煙が上がっていないことからも分かります。

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3基にとどまったタイタニックのスクリュー。

当時、タイタニック号が航路とした北大西洋は、速度競争のまっ只中で、各国の汽船が、ヨーロッパ-アメリカ間をいかに短時間で結ぶかという事を国の威信をかけて競い合っていた時代でもありました。

そんな中では速度を上げるため機関の数を当時最大の基数である4基として、スクリュー・プロペラを左右に2基ずつ4基配置した高速船が登場していたのです。

そのため4本の煙突は、速い船という印象を与え、当時最先端の客船であるという見た目の美しさにも影響を与えていました


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タイタニック号の4本の煙突(展示中の模型から)


タイタニック号は、建造前から高速運行は考えず、巨大化した船体で一度に多くの船客を運び、なおかつ高級客室や豪華設備を充実して優雅な船旅を演出すると言う、独自の路線を企画したのでした。

しかし、建造する船にその美しく速さを連想させる船容を求めて、あえて4本目の煙突を立てたのでした。船客にとってよく映る4本煙突は、この上ない宣伝材料ともなりました。

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煙を出さないタイタニックの4本目の煙突。

当時、速度を上げて航行するためには、当然通常より多くの燃料を焚くこととなり、資金面で政府などの援助が不可欠でした。当然、建造費も普通の船よりも多く掛かるため、英国でも政府援助を受けた高速船が登場していました。

タイタニック号を運行するホワイトスターライン社は、英国企業でありながら、米国の資本が導入されていました。そのため英国政府の資金援助が受けられず。そのことから高速船としての運行を諦めたとも考えられています。

このタイタニック号、速度記録への挑戦は、当初から考えていなかった事になります。

タイタニック展から・・今日は、タイタニックの煙突についてお話してみました。


『タイタニック展』では、タイタニック号のエピソードや、建造から処女航海、氷山衝突まで、分かりやすく展示しています。

タイタニック号・処女航海100年企画・企画展『タイタニック展』開催中

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処女航海から今年で100年を迎えるタイタニック号を模型や写真、遺品レプリカなどでわかりやすく展示しています。

開催期間:3月1日(木)~4月20日(金)

会場:店内企画展示室

時間:店舗営業時間(10:00~19:00)休業日を除く

入場は無料です。多くの方のご来場お待ちしております。


明日3/5(月)と、明後日3/6(火)は工房作業のため店舗お休みを頂きます。ご不便お掛け致しますが宜しくお願いいたします。


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201233(土)

タイタニック号・史上最大/巨船の誕生


タイタニック号・史上最大/巨船の誕生

今日は、店内で開催中のタイタニック号処女航海100年企画『タイタニック展』から、タイタニック号についての話題です。

タイタニック号は、1909年、北アイルランドのベルファストと言うところにある造船所“ハーランド&ウルフ造船所”で始められました。

3000人の人の手にかかり、2年の月日を費やし建造されました。

建造ドックでは、姉妹船の『オリンピック号』と並んで建造され、そのオリンピック号は一足早く1911年に完成・処女航海を迎えています。

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建造が進むタイタニック号

ハーランド&ウルフ造船所は、当時、世界最大の巨船を建造すると言う一大プロジェクト、タイタニック含む、三隻の同型姉妹船の建造を、タイタニックの運行会社であるホワイトスターラインに提案、それが実現したのでした。

その設計・建造の統括指揮をしたのが、造船技師、トーマス・アンドリュース。アンドリュースは、造船・機械工学を熟知し技術的にも素晴らしいものを持っていましたが、作業現場からも慕われる人間的にも非常に評価が高かった人物でした。彼はタイタニック号の仕上がりの確認などのため、8人の造船技師とともに処女航海に乗船していますが、帰らぬ人となっています。

造船技師トーマスアンドリュースの人物像についてはまた別の機会にお話しすることにします。

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建造時のタイタニック号について展示したコーナー。

タイタニック号の進水式には4万人ともいわれる人々が集まり盛大な進水式が行われたそうです。

巨大なエンジンやスクリュー、煙突、見るもの全てが破格のの大きさだったに違いありません。

そしてタイタニック号は、1912年4月に完成し、その試験航海を1日で済ませ、処女航海の出発地である、サウサンプトンへ向かったのです。

『タイタニック展』では、タイタニック号のエピソードや、建造から処女航海、氷山衝突まで、分かりやすく展示しています。

タイタニック号・処女航海100年企画・企画展『タイタニック展』

開催期間:3月1日(木)~4月20日(金)

会場:店内企画展示室

時間:店舗営業時間(10:00~19:00)休業日を除く

入場は無料です。多くの方のご来場お待ちしております。





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2012217(金)

動く立体駐車場・・自動車船


動く立体駐車場・・自動車船

自動車運搬船(以下自動車船と記載)・・自動車の輸出国として世界に多くの自動車を供給し続ける日本には欠かせない船です。

自動車船の標準的な大きさは、全長がだいたい200m以内、幅はパナマ運河を通れる32m。

縦横の寸法だけ聞くとそれほど大きくありませんが、実際に自動車船を目にすると、巨大なビルのようです。

それもそのはず。自動車船の中は立体駐車場のようになっていて、少しでも多くの車が乗せられるよう海面から上の高さも非常に高いのが特徴です。

海面に出ている部分と海中に沈んでいる部分の比率がとても大きな船なのです。

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船尾方向から見ると、四角い箱のようです。

船尾に見えるランプと呼ばれる、積み込み用の斜路から車が乗り降りします。中央部にも同じような積み込み口があって効率よく、積み込み荷おろしが行われます。

写真のクラスの船になると、一隻に積み込まれる車は、乗用車で約8000台とも言われます。


さて、これだけ多くの自動車をどうやって積み込むのでしょう?

積み込み時には、ギャングと呼ばれる積み込みドライバーのチームによってスピーディーにかつ傷をつけないよう慎重に積みつけられます。

ギャングは一台の乗用車に乗れる人数が1チームとなって、積み込み時には各積み込み車両に分乗し積みつけを行います。
積みつけが終わると、今度は随伴してきた車で船外に戻ります。

そして再び積みつけ作業を行う・・・と言う具合に・・この繰り返しをいくつかのチームで行うことで無駄なく短時間で積み込みを終える事が出来るのです。

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自動車船の中をのぞくとこんな感じ。
船底までびっしりと積まれた自動車、まるで立体駐車場です。少々海が荒れても、積荷の自動車が動かないよう、全てをしっかりと固定します。

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最近の自動車船では、高くそびえた船体の風圧抵抗を抑えるため、船首部分に傾斜をつけるなど、抵抗を減らす工夫がされています。その形はなんとなく未来的かもしれません。

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関門海峡を行く自動車船。

自動車船は今日も世界中の港を行き来しています。
北海道では、トラクターなども海外からこの船で運ばれてくるんですよ。

今日は、沢山の自動車を載せることに特化した船、自動車船のお話でした。

企画展のご案内・・
3月1日から、今年、処女航海100年を迎えるタイタニック号の資料を集めた企画展『タイタニック展』を開催いたします。会場:当店企画展示室・入場無料・是非ご来場下さい。

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十勝・帯広に『海』を広めるお店をオープン。海辺のギフトショップをイメージした店内には『海・雑貨コーナー』と『ホビーコーナー』が同居。雑貨好き・模型好きともに楽しめるお店です。海・雑貨はマリン雑貨をはじめ、アクセサリー小物、ハワイアンまで取り揃えています。ホビーコーナーは船が中心のプラモデルから木製キット、完成品まで取り扱い。海・船・雑貨・模型の記事をランダムにブログにしていきます。

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