海・船ネタ記事(64)


2012213(月)

気になるもの・・・タイヤ


気になるもの・・・タイヤ

当店、本日は工房の作業のためお休みを頂いておりますが、手短に、船のお話、してみます。


上の画像、皆さんもご存知の港ではたらく力持ち『タグボート』です。

さて、このタグボートにはお相手の船を傷つけないようにタイヤがいっぱいぶら下がっていますね。

大きな船との間に挟まれて、押されて潰されて・・悲鳴が聞こえてきそうですが皆頑張って耐えています。

ところでこのタイヤ、いったい何のタイヤなのでしょうか・・?

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拡大してみると、幅のある大きなタイヤです・・

でも車のような溝模様がありません・・はてさて、何のタイヤでしょうか?

・・・・

答えはこの乗り物です・・・

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現在は飛行機、主に旅客機のものが最も多く使われています。

もちろんこのタイヤは新品ではなく使い古した中古タイヤ・・タグボートなどの運行会社がコンテナ単位で買い置きして使っているそうです。

空を飛んでいたものが、今度は海で・・、飛行機のタイヤもこんなところでちゃんとリサイクルされていたのです。

港へ出かけたら、目にするものを注意して見てみてください。意外な発見があちらこちらで出来るはずです。

今日は、手短に、タグボートのタイヤにスポットを当ててみました。

当店、明日も、工房作業でお休みを頂きます。
ご不便お掛け致しますが、よろしくお願いいたします。
明後日、2/15からは通常営業です。



船の模型と海雑貨・・STAR SHIP MODELS

店舗情報はこちら→http://www.obnv.com/interior/475外部リンク



201226(月)

気になるもの・・素朴な疑問?


気になるもの・・素朴な疑問?

この物体、港にいっぱいあるものです。
石原裕次郎が足をかける、アレです。

日本ではこれをビットと呼ぶのが普通ですが、日本語で書くと『係船柱』という漢字になります。

係船柱(ケイセンチュウ・・なんかお尻から出てくる何かのような読みですが)は読んで字のごとく、船を繋ぎ止めて置く柱、円柱の柱の先が太くなってロープが外れないようになった直柱というタイプと、この写真のように先が陸側に向かって折れ曲がった曲柱というのがあります。

海外に行くと『ボラード』と言う読み方をさせられますが、形状や付いている場所で呼び方が変わり、混同するので、船側の柱を『ボラード』岸壁の柱を『ビット』と呼ぶのが一般的になっているようです。

そんなわけでこの物体、『ビット』と呼んで下さい。

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岸壁に整然と並んだ『ビット』。

何かの生き物が魔法か何かで鉄の塊にさせられたような光景です。

ロープは船から伸びて『ビット』に繋ぎとめられるので、当然先端はロープの外れない方向、つまり陸側に曲がっています。

ここに船がつながれるわけですが、一つの岸壁に何隻もの船が繋留されることもしばしばです・・・

と、そこで一つの疑問を感じたことのある方もいるのではないでしょうか?・・一本の柱に沢山のロープ・・最初に掛けた船は最後まで出港できないのでは??

『ビット』の謎・・・

でも、ご安心を・・一つのルールを守ることでこの問題が解決し、掛けた順番に関わらず、ロープを外せるようになります。


ルールは簡単。先に係船してあるビットに、後から係船する場合、後から係船する船のロープは、必ず先に係船した船のロープの輪の下から内側を通してからビットに掛けることです。

ただ、これだけ・・

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このルールを守ると、上の図のように、いくつロープが掛かっていても順番に関係なくロープを外す事が可能になります。

しかし、これをしないと、先につないだ船が先に出港しようとして綱を解く際、後から来た船のロープが上にかかっているためそれを外せなくなってしまうのです。

こうなると、大変ですが、岸壁ではこのルールがしっかり守られていて、一本のビットに何本ものロープがかかっていても、ちゃんと外せるようになっているのです。

これが出来ないつなぎ方を見かけたら・・それはきっと外せなくなっている船への嫌がらせ??かもしれません。。

今日は港で見かけるものの正体とそのうんちくでした。


明日2/7(火)は、当店お休みを頂きます。



只今、当店では・・
模型の企画展『1:1250モデルシップの世界』を店内企画展示室で開催中!入場は無料です。

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企画展『1:1250モデルシップの世界』は、2月12日(日)まで開催。100点余の精密ミニチュア模型をご覧いただけます。

模型ファンならずとも楽しめる内容です。開催期間中に是非一度ご覧下さい。

プラモデルコーナー新商品入荷!


雑貨コーナーも新装で、新商品入荷中!こちらも是非ご覧下さい。



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201222(木)

なんとも複雑・・セメントを運ぶ船


なんとも複雑・・セメントを運ぶ船

今日の船のお話はセメントを運ぶ船、『セメント運搬船』についてです。

セメントは私たちが生活するうえで身近なものの一つです。モルタルとして私たちの住む一般の住宅に使われたり、コンクリートとして建物や橋、道路他の建築物に多く使われている事は皆さんご存知の通り。

そのセメントの輸送方。産地からの大量輸送に活躍するのがこの『セメント運搬船』

写真のセメント船ですが、見てお気づきの通り、船上にはタンカーかそれ以上に非常に複雑な荷役装置が載っています。

セメントは粉上のもの、どうしてこんなに複雑な設備が必要なのでしょう?

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こちらが、荷役ようの設備のアップです。

とっても複雑ですね。

セメントは、粉状でいて粒子が細かい状態の製品のため非常に飛散しやすいです。また、水などにぬれてしまっては製品として使えません。そのためセメント専用船は、さまざまな理由から、ばら荷でありながらタンカーのようなつくりの船となっています。

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セメント船には、中央部の投入口とそこから伸びる斜路があり、投入された粉上のセメントは斜路(斜めの滑り台のようなもの)を下りながら途中にある投入用の配管から各船艙(荷物を載せるところ)にバランスよくピンポイントで入れられます。そのため飛散しやすいセメントを確実な位置に振り分けるとげできるわけです。

少々原始的な方法ではありますが、現在は、コンピューター制御でこの振り分けを自動的に行い、船が傾かないようにうまく積みつけてくれる装置も登場しました。

一方、船からセメントを降ろすときは、全く違う方法をとります。

空気などで簡単に飛ばせる性質を利用して、船倉に高圧の空気圧をかけ、ホースを使って、一気に地上の、貯蔵施設へと運び出します。この方法を使うと、接岸した岸壁から遠く離れた施設へもあっという間にセメントを運ぶ事ができるわけです。

ちなみに、この写真、セメントを後に見えるサイロ状の貯蔵施設まで地下の通路を伝って圧送中(圧力で荷揚中)のシーンです。

見るほどに頭をかしげてしまう、ちょっと複雑な船の形も、仕組みを知ると、なるほどなのです。

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皆さんのお宅の原材料(セメント)もこのような船で運ばれてきたものになるわけです。

また、身近なところに、船で運ばれたものを、発見・・!
できましたか?


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2012129(日)

砕氷艦『しらせ』パネル展(百年記念館)


砕氷艦『しらせ』パネル展(百年記念館)

本日まで開催されている『氷まつり』。
南極からやってきた氷も展示されていますね。

その会場の一角の百年記念館では、それを持ち帰った、砕氷艦『しらせ』の写真を展示したパネル展が開催されています。

今年は、この砕氷艦『しらせ』の船名の由来となった、白瀬  矗(しらせ のぶ)中尉が率いた『白瀬隊』が初めて南極に到達して100年にあたる年でもあり、今年の南極観測は大きな節目とも言えます。そんな中でのパネル展の開催です。

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砕氷艦『しらせ』の特徴や、今期の南極航海の寄港スケジュールなどのデータをはじめ、南極はじめとした、航海中の写真が多く展示されています。

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「暴風圏内を航行するしらせ」

南極圏に入るには、年間通して低気圧が発生する海域を通過しなければなりません。いわば避けて通れない『暴風圏』、ここを抜けなければ南極にたどり着く事ができないわけです。

その真っ只中を航行する『しらせ』の船首を写した写真、青い波をかぶり、まさに荒海の航海。
『しらせ』といえどさぞ揺れた事でしょう。
船に弱い観測隊員は大変だったでしょうね。

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「昇らない太陽」

南極圏ならではの昇らない太陽と、そこにたたずむ『しらせ』のシルエット、とても幻想的な写真でした。

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「氷海を進むしらせ」

氷を割りながら進むしらせ・・
現在活躍中の2代目『しらせ』からは、新たに散水装置が船首に装備され、氷を砕く際、海水をまくことで氷との摩擦を減らし、容易に前に進むことができるそうです。

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「昭和基地としらせ」

今年も南極に到着した『しらせ』ですが、南極の氷が厚く南極接岸を18年ぶりに断念、物資や隊員の輸送は昭和基地に出来るだけ近い位置からヘリコプターと雪上車で行うそうです。これだけの新鋭船をもってしてもたどり着けない場所があるとは、やはり自然のもとで人間は小さな存在なのですね。この写真は接岸できた年の『しらせ』と昭和基地が写っています。

このパネル展は写真をメインとした展示で、普段見られない『南極』と『しらせ』の姿を見ることが出来ます。
オーロラと『しらせ』が写る芸術的なショットもありましたよ。


砕氷艦『しらせ』パネル展は、百年記念館1Fで開催されています。『氷まつり』にお出かけの方は、是非こちらにも足を運んでみてください。


そして当店では・・
模型の企画展『1:1250モデルシップの世界』を店内企画展示室で開催中!入場は無料です。

企画展『1:1250モデルシップの世界』は、2月12日(日)まで開催。開催期間中に是非一度ご覧下さい。



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20111218(日)

タイタニックの悲劇、あれから100年~救命ボートのこと


タイタニックの悲劇、あれから100年~救命ボートのこと

今日は、進水から100年を迎えた、あのタイタニック号の救命ボートについて書いてみます。

歴史に残るタイタニック号の遭難ですが、その犠牲者を増やしたのが、救命ボートの数が不足していたことから生じた事実は多くの方がご存知だと思います。

さて、このタイタニック号の救命ボート、いったい何艇?何人分?どんな形のもの?が積まれていたのでしょうか。

まず、標準で装備されていた木製の一般用の救命ボートが14艇ありました。このボートは定員が各65名に設定されていました。

それから緊急時用の救命艇が2艇。このボートは定員が40名でした。

そして折りたたみ式の救命艇が4艇、うち2艇はブリッジの後方の天井に載せてありました。このボートの定員は47名

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タイタニックの折りたたみ式救命ボート

これらをあわせた20艇の救命ボート、その収容人数は1178名。
乗員が892名、乗客が1331~2336名(概算)、酷寒の海で合計2223~1328名(概算)が乗船していたタイタニック号、救命ボートの定員いっぱいいっぱい乗っても、乗船者の約半分しか助からない計算でした。

この船が救命艇を定員の半分しか積んでいなかった最大の理由の一つが、船体に取り入れられた当時画期的とも言われた区画構造にありました。

船体下部を防水隔壁で16の区画に分けることで、そのうち2つの区画(船首部では4区画)であれば、進水しても船が沈む事がないと言う画期的な設計でした。そのためタイタニック号は浮沈船とまで言われたのです。そのため船の美観を損ねる救命ボートは、見た目重視で定員半分の搭載数にとどまったのです。

ところがタイタニック号が氷山に衝突して出来た亀裂は5区画から6区画、タイタニックに同乗したこの船の設計者トーマス・アンドリューズ にもこの船の運命はすぐにわかりました。

氷山との衝突から2時間40分後、海に消えたタイタニック。
実際に救命艇に乗船して助かった生存者は 705名。


各ボートに乗船した人数を見ると、避難開始後前半のボートには定員の半分に満たない人数でタイタニックを離れたものも多く、もう少し乗せていればより多くの命が助かったとも考えられます。

船を離れた救命ボートの中には、操船のための乗員以外、男性客の姿がない救命艇も多くあり、紳士の国、レディーファーストのお国柄がここでも現れています。

この事故を教訓に1914年、海上における人命の安全のための国際条約、SOLAS(ソーラス)条約=海上人命安全条約」採択され、それは現代も時代に応じて改正され生きています。その中にはもちろん、救命艇の搭載、その装備品、ダビット(救命艇を降下させる装置)の強度まで細かく決められています。

タイタニックの事故があったことで今の海の安全が高められているのも事実ですね、あの事故がなく更に船が大型化していたらもっと多くの犠牲者を出す遭難事故が起きていたかもしれません。

タイタニックの悲劇は現代の私たちの海での安全を守ってくれる事となったわけです。

◎タイタニック遭難の年『1912年』の出来事・・日本がオリンピック(ストックホルム)に初参加。明治天皇没、元号が大正に変わる。清朝が滅亡。日本最初の南極探検隊が南極大陸上陸。カシミール・フンク(ポーランド)がビタミンを解明。石川啄木、肺結核のため死去。・・

今日は進水から今年で100年、タイタニック号の救命ボートのお話でした。

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今では、こんな模型キットもあります。
アルテサニア社から発売の『TITANICS LIFEBOAT』タイタニックの救命ボート 1/35木製キット タイタニックの救命ボートをリアルに再現できます。定価¥8,190


来年は『タイタニック号』処女航海100年を迎える年になります。

3月には当店でもタイタニックの模型や資料を展示する企画展『タイタニック展(仮称)』を開催します。おって開催日をお知らせしますので是非ご来場下さい。



☆年末年始の営業のお知らせ・・

年内は12月26日(月)までの営業とさせて頂きます。

新春初売・1月2日(月)より営業いたします。



明日、12/19(月)は、当店お休みを頂きます。


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STAR SHIP MODELS(雑貨&模型)
十勝・帯広に『海』を広めるお店をオープン。海辺のギフトショップをイメージした店内には『海・雑貨コーナー』と『ホビーコーナー』が同居。雑貨好き・模型好きともに楽しめるお店です。海・雑貨はマリン雑貨をはじめ、アクセサリー小物、ハワイアンまで取り揃えています。ホビーコーナーは船が中心のプラモデルから木製キット、完成品まで取り扱い。海・船・雑貨・模型の記事をランダムにブログにしていきます。

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