模型紀行(15)
2012年5月23日(水)
模型紀行・・津軽の韋駄天・・ナッチャンワールド
模型紀行×15
久々の模型紀行。今日は青森港フェリーターミナル内に展示の模型『ナッチャン・ワールド』です。
『ナッチャン・ワールド』といえば『ナッチャン・レラ』とともに津軽海峡・青函航路に突如出現!一斉を風靡した高速フェリー。
原油高と引き波による減速運行の要請から当初の利用が見込めず、惜しまれつつも航路から撤退という運命を辿ってしまいました。
しかしながら、その高速運行性能はぬきんでて優れたもので、有事の際の自衛隊車両と隊員の輸送船として白羽の矢が立てられています。
特徴的な船体が目を引く『ナッチャン・ワールド』。
この船を建造したのは、オーストラリアのインキャット社の造船所。同社はウェーブ・ピアーサーと呼ばれる胴体を双胴化、三胴船化して海面に接する部分を極端に細くする船型で世界的に支持を集め、ヨーロッパなどを中心に成功を収めています。
その船が、日本に上陸とあって地元は沸き立ったのですが、昨今の燃料事情がそれを許さなかったようです。
船尾のウォータージェットノズル。
『ナッチャンワールド』は、推進の方式もウォータージェットと呼ばれる前方から海水を吸い込み後に向かって噴射する方式が採用されていて、高速運行の助けになっています。
このサイズの大きな船であれば従来はスクリュープロペラによることが多かっただけに、『ナッチャンワールド』が水を後に噴射して進むさまは豪快でした。
現在はこの船尾に戦車などの重量物の乗降に耐えられるランプウエイ(乗降装置)が新たに設けられています。
『ナッチャンレラ』・『ナッチャンワールド』で目を楽しませてくれたのが、楽しい海の仲間達の絵。絵を描いた子の愛称がなっちゃんで船名にもナッチャンが冠せられることになったそうです。
こんな試みがまた採用されると船の旅も楽しくなりますね。
高性能の実力派でありながら活躍の場を失ってしまったナッチャンですが、また活躍できる日がやってくると良いと思わずにはいられない優秀船でした。
現役時代、函館を出港する『ナッチャン・ワールド』
このあと波しぶきを上げて青森へと向かいました。
ナッチャン・ワールド: 総トン数10,712トン 全長112m 全幅30.5m
今日は模型紀行津軽海峡に鳴り物入りで現れた高速フェリー『ナッチャン・ワールド』模型でした。
☆模型作品・店内で展示中・・お客様製作の模型作品を店内で展示しています。
船の模型と海雑貨・・STAR SHIP MODELS
店舗情報はこちら→http://www.obnv.com/interior/475
『ナッチャン・ワールド』といえば『ナッチャン・レラ』とともに津軽海峡・青函航路に突如出現!一斉を風靡した高速フェリー。
原油高と引き波による減速運行の要請から当初の利用が見込めず、惜しまれつつも航路から撤退という運命を辿ってしまいました。
しかしながら、その高速運行性能はぬきんでて優れたもので、有事の際の自衛隊車両と隊員の輸送船として白羽の矢が立てられています。
特徴的な船体が目を引く『ナッチャン・ワールド』。
この船を建造したのは、オーストラリアのインキャット社の造船所。同社はウェーブ・ピアーサーと呼ばれる胴体を双胴化、三胴船化して海面に接する部分を極端に細くする船型で世界的に支持を集め、ヨーロッパなどを中心に成功を収めています。
その船が、日本に上陸とあって地元は沸き立ったのですが、昨今の燃料事情がそれを許さなかったようです。
船尾のウォータージェットノズル。
『ナッチャンワールド』は、推進の方式もウォータージェットと呼ばれる前方から海水を吸い込み後に向かって噴射する方式が採用されていて、高速運行の助けになっています。
このサイズの大きな船であれば従来はスクリュープロペラによることが多かっただけに、『ナッチャンワールド』が水を後に噴射して進むさまは豪快でした。
現在はこの船尾に戦車などの重量物の乗降に耐えられるランプウエイ(乗降装置)が新たに設けられています。
『ナッチャンレラ』・『ナッチャンワールド』で目を楽しませてくれたのが、楽しい海の仲間達の絵。絵を描いた子の愛称がなっちゃんで船名にもナッチャンが冠せられることになったそうです。
こんな試みがまた採用されると船の旅も楽しくなりますね。
高性能の実力派でありながら活躍の場を失ってしまったナッチャンですが、また活躍できる日がやってくると良いと思わずにはいられない優秀船でした。
現役時代、函館を出港する『ナッチャン・ワールド』
このあと波しぶきを上げて青森へと向かいました。
ナッチャン・ワールド: 総トン数10,712トン 全長112m 全幅30.5m
今日は模型紀行津軽海峡に鳴り物入りで現れた高速フェリー『ナッチャン・ワールド』模型でした。
☆模型作品・店内で展示中・・お客様製作の模型作品を店内で展示しています。
船の模型と海雑貨・・STAR SHIP MODELS
店舗情報はこちら→http://www.obnv.com/interior/475
2012年4月25日(水)
模型紀行・・室蘭 『大西洋の女王』巨大・精密ペーパーモデル
模型紀行×15
模型紀行、今日は室蘭で出会うことの出来る客船模型です。
一目見ると、いつもどおり期待を裏切らない美しい模型・・しかしその材質は、なんと『紙』!。
大澤浩之氏のペーパーモデルの世界から大西洋の女王『クイーンメリー』の模型を紹介します。
クイーンメリー号は、1936年から大西洋横断航路に就航した英国キュナードラインの大型定期客船。
この船の起工から完成までの間には、あのタイタニックを運航したホワイトスターライン社との合併という大きな出来事もありました。
この船が完成した当時の大西洋ではブルーリボン賞と呼ばれる、大西洋横断で速度記録を更新した船に就航した船に贈られるものがあり、各国が国の威信をかけてこの記録に挑んだ時代でもありました。
1936年の8月、クイーン・メリーは西回り航路で平均速力30.14ノット東回り航路で30.63ノットを記録、そのときブルーリボン記録を持っていたフランスのノルマンディー号からブルーリボン賞を奪ったのでした。
クイーンメリー号の総トン数は80,774トン、ライバルとなったフランスのノルマンディー号79,280トンを上回り当時世界最大となりました。
速度競争にも勝ったことから、文字通り世界で最も優れた客船と認められたわけですが、その座を奪われたフランスもただでは引き下がらず、速度・大きさそれぞれの首位争奪戦に火がつき、この2船の間でフランス対イギリスの客船性能勝負の幕があがりました。
紙製の模型とは思えない質感と正確なつくりに、時間を忘れて見入ってしまいます。
芸術的ともいえる模型を見ながらクイーンメリー号についての話を続けます。
さて、この船の命名については面白い逸話があります。
実をいうとこのクイーンメリー号、建造中、すでにクイーンビクトリアと言う名前に内定していました・・・それなのにどうしてクイーンメリーに?
そこにはこんなエピソードが残っています。
運行会社であるキュナードラインの社長が当時の国王ジョージ5世に謁見した際、この新客船には“イギリスの偉大な女王”の名を冠します・・と遠まわしな表現で船について話を切り出したところジョージ5世は自分の妻であるメアリー王妃の事と勘違いし、『ありがとう』と返答した。そのため急遽船名をクイーンメアリー(クイーンメリー)に変更。
船会社も大慌ての勘違い・・から生まれた船名なのでした。
船尾からクイーンメリー号を眺める。
ライバルのノルマンディー号が火災で焼失し短命で引退したのに対して、このクイーンメリー号は第二次世界大戦で軍隊輸送船として活躍するも無事生還、再び客船として航路に復帰し1967年まで現役で活躍しました。
惜しまれながらの最後の航海の後はアメリカ西海岸、ロサンゼルス近郊のロングビーチで博物館&洋上ホテルとして保存され、現在も当時の雰囲気を存分に味わう事が出来るそうです。
2004年この船の名を冠したクイーンメリー2という大型客船が、やはり建造時世界最大と言う記録をもって就航。今年3月、日本にも立ち寄っています。
船が移動手段だった時代の、象徴的な客船がこのクイーンメリー。移動が飛行機にとって変わられた現代、再び船旅は注目され余暇を楽しむクルーズと言う形で再燃、現在も客船を運航するキュナード社は、このクイーンメリー時代からの調度品を世代交代した新鋭船に乗せ変えているそうです。そんな中で伝統は守られていくのでしょうか。ちなみにこのキュナード社の船のレストランは未だに差別化の図られた等級制なのだそうです。
今日は大澤浩之氏の作品クイーンメリー号から、この客船のお話でした。
室蘭市で展示の大澤氏の作品にについて・・大澤氏は、阪神淡路大震災で被災、模型もその被害を受けた一方、生き残った模型たちも数多くあり、その中の一部を港湾都市である室蘭市に寄贈。その中の一部が道の駅みたら室蘭で展示されています。
道の駅『みたら室蘭』での船舶模型展示風景
室蘭へお出かけの際は数多く展示されている大澤氏のペーパーモデルシップのコーナーにも立ち寄ってみては如何でしょうか?
今週末からは『第二回・艦船模型発表会』を当店企画展示室で開催! 船の模型を集めた模型発表イベント!十勝在住モデラーの自信作が集まります。是非、ご来場下さい。
GW企画 『第二回・艦船模型発表会』
☆開催期間:4/28(金)~5/6(日)
☆時間:10:00~19:00
開催期間中は無休で営業
入場は無料です。
今年のGWは是非、魅惑の模型の世界に触れてみてください。
女性の方でも楽しめる内容だと思います。
期間中は雑貨セールも開催しますので是非お誘いあわせの上ご来店下さい。
ホビーコーナーから・・・
力作募集中!第二回・艦船模型発表会 開催!詳しくは・・こちら 作品エントリーを受付中です。
尚、時間が迫っておりますのでエントリーご希望の方は店頭又はお電話でのお問い合わせをお願いいたします。
船の模型と海雑貨・・STAR SHIP MODELS
店舗情報はこちら→http://www.obnv.com/interior/475
一目見ると、いつもどおり期待を裏切らない美しい模型・・しかしその材質は、なんと『紙』!。
大澤浩之氏のペーパーモデルの世界から大西洋の女王『クイーンメリー』の模型を紹介します。
クイーンメリー号は、1936年から大西洋横断航路に就航した英国キュナードラインの大型定期客船。
この船の起工から完成までの間には、あのタイタニックを運航したホワイトスターライン社との合併という大きな出来事もありました。
この船が完成した当時の大西洋ではブルーリボン賞と呼ばれる、大西洋横断で速度記録を更新した船に就航した船に贈られるものがあり、各国が国の威信をかけてこの記録に挑んだ時代でもありました。
1936年の8月、クイーン・メリーは西回り航路で平均速力30.14ノット東回り航路で30.63ノットを記録、そのときブルーリボン記録を持っていたフランスのノルマンディー号からブルーリボン賞を奪ったのでした。
クイーンメリー号の総トン数は80,774トン、ライバルとなったフランスのノルマンディー号79,280トンを上回り当時世界最大となりました。
速度競争にも勝ったことから、文字通り世界で最も優れた客船と認められたわけですが、その座を奪われたフランスもただでは引き下がらず、速度・大きさそれぞれの首位争奪戦に火がつき、この2船の間でフランス対イギリスの客船性能勝負の幕があがりました。
紙製の模型とは思えない質感と正確なつくりに、時間を忘れて見入ってしまいます。
芸術的ともいえる模型を見ながらクイーンメリー号についての話を続けます。
さて、この船の命名については面白い逸話があります。
実をいうとこのクイーンメリー号、建造中、すでにクイーンビクトリアと言う名前に内定していました・・・それなのにどうしてクイーンメリーに?
そこにはこんなエピソードが残っています。
運行会社であるキュナードラインの社長が当時の国王ジョージ5世に謁見した際、この新客船には“イギリスの偉大な女王”の名を冠します・・と遠まわしな表現で船について話を切り出したところジョージ5世は自分の妻であるメアリー王妃の事と勘違いし、『ありがとう』と返答した。そのため急遽船名をクイーンメアリー(クイーンメリー)に変更。
船会社も大慌ての勘違い・・から生まれた船名なのでした。
船尾からクイーンメリー号を眺める。
ライバルのノルマンディー号が火災で焼失し短命で引退したのに対して、このクイーンメリー号は第二次世界大戦で軍隊輸送船として活躍するも無事生還、再び客船として航路に復帰し1967年まで現役で活躍しました。
惜しまれながらの最後の航海の後はアメリカ西海岸、ロサンゼルス近郊のロングビーチで博物館&洋上ホテルとして保存され、現在も当時の雰囲気を存分に味わう事が出来るそうです。
2004年この船の名を冠したクイーンメリー2という大型客船が、やはり建造時世界最大と言う記録をもって就航。今年3月、日本にも立ち寄っています。
船が移動手段だった時代の、象徴的な客船がこのクイーンメリー。移動が飛行機にとって変わられた現代、再び船旅は注目され余暇を楽しむクルーズと言う形で再燃、現在も客船を運航するキュナード社は、このクイーンメリー時代からの調度品を世代交代した新鋭船に乗せ変えているそうです。そんな中で伝統は守られていくのでしょうか。ちなみにこのキュナード社の船のレストランは未だに差別化の図られた等級制なのだそうです。
今日は大澤浩之氏の作品クイーンメリー号から、この客船のお話でした。
室蘭市で展示の大澤氏の作品にについて・・大澤氏は、阪神淡路大震災で被災、模型もその被害を受けた一方、生き残った模型たちも数多くあり、その中の一部を港湾都市である室蘭市に寄贈。その中の一部が道の駅みたら室蘭で展示されています。
道の駅『みたら室蘭』での船舶模型展示風景
室蘭へお出かけの際は数多く展示されている大澤氏のペーパーモデルシップのコーナーにも立ち寄ってみては如何でしょうか?
今週末からは『第二回・艦船模型発表会』を当店企画展示室で開催! 船の模型を集めた模型発表イベント!十勝在住モデラーの自信作が集まります。是非、ご来場下さい。
GW企画 『第二回・艦船模型発表会』
☆開催期間:4/28(金)~5/6(日)
☆時間:10:00~19:00
開催期間中は無休で営業
入場は無料です。
今年のGWは是非、魅惑の模型の世界に触れてみてください。
女性の方でも楽しめる内容だと思います。
期間中は雑貨セールも開催しますので是非お誘いあわせの上ご来店下さい。
ホビーコーナーから・・・
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2012年4月12日(木)
模型紀行・・移民船からクルーズ客船へ初代「にっぽん丸」
模型紀行×15
雪も融け春めいて来た今日この頃、“すたーしっぷ”も店内BGMを波音に変えて営業中!雑貨も模型も新商品続々入荷中です。
今回はまたまた模型紀行です。
模型コーナーのお客様には、この模型紀行を楽しみにしていただいている方も多いようです。ネタが尽きないように取材を頑張りますのでご笑覧下さい。
さて、今日はクルーズ客船・「にっぽん丸」船内に展示されている。初代・「にっぽん丸」の模型です。
初代の「にっぽん丸」、実はもともと南米航路を行き来した移民船「あるぜんちな丸」です。
運行する商船三井客船では、この船(初代)を入れて現在は3代目になる「にっぽん丸」を運行しています。
初代「にっぽん丸」は、「あるぜんちな丸」として1958年に三菱重工神戸造船所で建造され、南米移民を主に運ぶ移民船としての役割を担いました。
1972年、移民の減少により南米航路が廃止されると、クルーズ客船に改造され初代「にっぽん丸」となります。
この船は日本の客船として初めて世界一周クルーズを行った船ともなったのです。
日本のクルーズ時代の幕開けでした。
純白の船体に朱色の煙突は、いかにも日本思わせる美しい姿で人目を引きました。
「あるぜんちな丸」時代は貨客船として貨物も混載したため貨物艙のハッチと貨物用のクレーンがそのまま残り、特に目を引きます。。
貨客船をベースとしてのクルーズ客船への改造は貨物艙を公共スペースにする程度の簡単なもので、クルーズ客船としては不十分な要素が多かったのか、この初代「にっぽん丸」は5年ほどののち引退しました。
均整の取れた船体は白く塗る事でますます美しさが増したように思えます。
「あるぜんちな丸」には、姉妹船の「ぶらじる丸」があり、ともに戦前にあった初代「あるぜんちな丸」・「ぶらじる丸」の2代目にあたります。
こちらは現在の「にっぽん丸」初代から数えて3代目となる船です。大型化が進むクルーズ客船の中では小柄なほうですが、その分質の高いサービスとアットホームな船旅が出来ると好評です。
戦前から続く南米航路の運行から引き継がれた客船運行のノウハウが蓄積された客船です。
紹介した初代「にっぽん丸」の模型はこの3代目「にっぽん丸」の船内カードルームに展示されています。
今日は、模型紀行・客船「にっぽん丸」船内の模型、初代「にっぽん丸」でした。
力作募集中!第二回・艦船模型発表会 開催!詳しくは・・こちら
タイタニック号・処女航海100年企画・企画展『タイタニック展』開催中
処女航海から今年で100年を迎えるタイタニック号を模型や写真、遺品レプリカなどでわかりやすく展示しています。
開催期間:3月1日(木)~4月20日(金)
会場:店内企画展示室
時間:店舗営業時間(10:00~19:00)休業日を除く
入場は無料です。多くの方のご来場お待ちしております。
TITANIC GOODS.
船の模型と海雑貨・・STAR SHIP MODELS
店舗情報はこちら→http://www.obnv.com/interior/475
今回はまたまた模型紀行です。
模型コーナーのお客様には、この模型紀行を楽しみにしていただいている方も多いようです。ネタが尽きないように取材を頑張りますのでご笑覧下さい。
さて、今日はクルーズ客船・「にっぽん丸」船内に展示されている。初代・「にっぽん丸」の模型です。
初代の「にっぽん丸」、実はもともと南米航路を行き来した移民船「あるぜんちな丸」です。
運行する商船三井客船では、この船(初代)を入れて現在は3代目になる「にっぽん丸」を運行しています。
初代「にっぽん丸」は、「あるぜんちな丸」として1958年に三菱重工神戸造船所で建造され、南米移民を主に運ぶ移民船としての役割を担いました。
1972年、移民の減少により南米航路が廃止されると、クルーズ客船に改造され初代「にっぽん丸」となります。
この船は日本の客船として初めて世界一周クルーズを行った船ともなったのです。
日本のクルーズ時代の幕開けでした。
純白の船体に朱色の煙突は、いかにも日本思わせる美しい姿で人目を引きました。
「あるぜんちな丸」時代は貨客船として貨物も混載したため貨物艙のハッチと貨物用のクレーンがそのまま残り、特に目を引きます。。
貨客船をベースとしてのクルーズ客船への改造は貨物艙を公共スペースにする程度の簡単なもので、クルーズ客船としては不十分な要素が多かったのか、この初代「にっぽん丸」は5年ほどののち引退しました。
均整の取れた船体は白く塗る事でますます美しさが増したように思えます。
「あるぜんちな丸」には、姉妹船の「ぶらじる丸」があり、ともに戦前にあった初代「あるぜんちな丸」・「ぶらじる丸」の2代目にあたります。
こちらは現在の「にっぽん丸」初代から数えて3代目となる船です。大型化が進むクルーズ客船の中では小柄なほうですが、その分質の高いサービスとアットホームな船旅が出来ると好評です。
戦前から続く南米航路の運行から引き継がれた客船運行のノウハウが蓄積された客船です。
紹介した初代「にっぽん丸」の模型はこの3代目「にっぽん丸」の船内カードルームに展示されています。
今日は、模型紀行・客船「にっぽん丸」船内の模型、初代「にっぽん丸」でした。
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タイタニック号・処女航海100年企画・企画展『タイタニック展』開催中
処女航海から今年で100年を迎えるタイタニック号を模型や写真、遺品レプリカなどでわかりやすく展示しています。
開催期間:3月1日(木)~4月20日(金)
会場:店内企画展示室
時間:店舗営業時間(10:00~19:00)休業日を除く
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2012年3月31日(土)
模型紀行・・青函連絡船を押した船たち
模型紀行×15
青函連絡船と聞くと、懐かしい響きに感じる方も多いと思いますが、青函連絡船が津軽海峡を行き来していた頃、連絡船の出入港を助けるための船が、函館・青森、各港に置かれていました。
今日は、現在函館港に繋留展示されている青函連絡船“摩周丸”内の展示模型から“補助汽船”と呼ばれた船を紹介します。
補助汽船は、一般的にはタグボートと呼ばれる船です。
連絡船ではこのタグボートの事を、補助汽船と呼んでいました。
そのうちの一隻がこの“ひうら丸”です。見るからに力強そうな船です。
終末期の連絡船には自力で離着岸ができる、サイドスラスターと呼ばれる横移動専用の動力が備えられていましたが、出入港の際の作業時間短縮や、強風時のサポートなど、連絡船には無くてはならない存在、縁の下の力持ちだったわけです。
強風の中でもしっかりと連絡船を航路や岸壁に導くことができるよう船首も安定感のある形をしています。
この船首で何回の出入港を手伝ったことでしょう。
一日のうちに何隻もの連絡船が出入りする函館、青森の各港では息つくまもなく出入港の作業が繰り返されたのです。
船尾に見えるのはタグボート特有の大きなプロペラです。
函館の港では、特に冬場に北西の季節風が吹くため風上に船を引かなければならない離岸作業も神経を使ったようです。
馬力の強いエンジンを駆使して船の安全な出入港をサポートしました。
こちらの写真は、対岸の青森港で同じく連絡船の離着岸作業を助けた“ふくうら丸”です。こちらの模型は対岸で展示されている八甲田丸の船内展示です。
ひうら丸・ふくうら丸、は1988年3月の、青函連絡船廃止の後も、タグボートとして苫小牧・小樽などで働きました。
その後ひうら丸は2007年・ふくうら丸は2000年まで各港で活躍しました。
ひうら丸・ふくうら丸ともに1978年製ですから、大変永い間活躍した事になります。
今日は青函連絡船をサポートした船補助汽船のお話でした。
当店では・・
タイタニック号・処女航海100年企画・企画展『タイタニック展』を開催中
処女航海から今年で100年を迎えるタイタニック号を模型や写真、遺品レプリカなどでわかりやすく展示しています。
開催期間:3月1日(木)~4月20日(金)
会場:店内企画展示室
時間:店舗営業時間(10:00~19:00)休業日を除く
入場は無料です。多くの方のご来場お待ちしております。
TITANIC GOODS.
船の模型と海雑貨・・STAR SHIP MODELS
店舗情報はこちら→http://www.obnv.com/interior/475
今日は、現在函館港に繋留展示されている青函連絡船“摩周丸”内の展示模型から“補助汽船”と呼ばれた船を紹介します。
補助汽船は、一般的にはタグボートと呼ばれる船です。
連絡船ではこのタグボートの事を、補助汽船と呼んでいました。
そのうちの一隻がこの“ひうら丸”です。見るからに力強そうな船です。
終末期の連絡船には自力で離着岸ができる、サイドスラスターと呼ばれる横移動専用の動力が備えられていましたが、出入港の際の作業時間短縮や、強風時のサポートなど、連絡船には無くてはならない存在、縁の下の力持ちだったわけです。
強風の中でもしっかりと連絡船を航路や岸壁に導くことができるよう船首も安定感のある形をしています。
この船首で何回の出入港を手伝ったことでしょう。
一日のうちに何隻もの連絡船が出入りする函館、青森の各港では息つくまもなく出入港の作業が繰り返されたのです。
船尾に見えるのはタグボート特有の大きなプロペラです。
函館の港では、特に冬場に北西の季節風が吹くため風上に船を引かなければならない離岸作業も神経を使ったようです。
馬力の強いエンジンを駆使して船の安全な出入港をサポートしました。
こちらの写真は、対岸の青森港で同じく連絡船の離着岸作業を助けた“ふくうら丸”です。こちらの模型は対岸で展示されている八甲田丸の船内展示です。
ひうら丸・ふくうら丸、は1988年3月の、青函連絡船廃止の後も、タグボートとして苫小牧・小樽などで働きました。
その後ひうら丸は2007年・ふくうら丸は2000年まで各港で活躍しました。
ひうら丸・ふくうら丸ともに1978年製ですから、大変永い間活躍した事になります。
今日は青函連絡船をサポートした船補助汽船のお話でした。
当店では・・
タイタニック号・処女航海100年企画・企画展『タイタニック展』を開催中
処女航海から今年で100年を迎えるタイタニック号を模型や写真、遺品レプリカなどでわかりやすく展示しています。
開催期間:3月1日(木)~4月20日(金)
会場:店内企画展示室
時間:店舗営業時間(10:00~19:00)休業日を除く
入場は無料です。多くの方のご来場お待ちしております。
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2012年2月27日(月)
模型紀行・日本最初のコンテナ専用船
模型紀行×15
お休みしていた船の話、今日は模型紀行です。
日本初のコンテナ専用船『箱根丸』の模型。
横浜は、三菱みなとみらい技術館に展示されている模型です。
この船が登場したのは、海上輸送革命とも言うべき革新的な輸送システムであるコンテナ輸送への移行が進んでいた時期。
それまでの海上輸送と言えば在来型と呼ばれるクレーンの林立した昔ながらの貨物船が主流。荷物の積み下ろしには沢山の人手が必要で、人海戦術の荷役はそれはそれは非常に時間のかかるものでした。
そんな中で登場した効率的な輸送システム、それがコンテナを使ったコンテナ輸送、規格が統一した箱に荷物を積みわけ、船から降ろした荷物は、コンテナごとトラックで目的地へ・・・と港での積み替えなども無く荷物の損傷事故も少ないなど、格段に効率がUPしました。
この『箱根丸』は、日本の船主として初めて導入したコンテナだけを積みつけるコンテナ専用船。わが国も時代の流れに乗り遅れることなく、順調なコンテナ輸送のスタートを切ったのでした。
居住区、ブリッジの構造物を挟むように並ぶコンテナ。
今でこそ当たり前のこの光景も、当時の人にとっては新しい時代を感じさせる船に見えたでしょう。
当時のコンテナ船は、ほとんどのコンテナが甲板より下の船倉の中に納まっていて、現在のように船上にうず高く積まれるようなことはありませんでした。
コンテナの輸送の効率をに速さをプラスするため、極限まで絞った船首形状、正面からみた船首は非常にスリムです。
航海速力は当時のこの大きさの船としては速い22ノット。
この速さも手伝って、従来の船で一航海あたり80日かかっていた日本-アメリカ西海岸航路を『箱根丸』は30日にまで短縮しました。この船は、従来の半分以下の日数で1往復の航海をこなしていた事になります。
速さのひみつはスリムな船首だけではありません、当時の船が採用し始めていた、球状船首という船首の形。現在では当たり前に目にする、船首下部の丸い出っ張り。
この船の頃は、まだ申し訳程度に突き出している感じもしますが、抵抗を減らし、少ない力で速く船を進める事が出来ました。
船尾はまだ、以前の貨物船の形状をそのまま引き継いでいて、少し古風なデザインです。
日本の国旗に、船籍港を意味する東京の文字。現在では外国籍の実質・日本船がほとんどですが、この頃はまだ日本の海運会社が運行する船は、ほとんどが日本船籍でした。
効率的な輸送と、所要時間の短縮、と効率化が図られ、この輸送システムは見事に現代の世の中に受け入れられるものとなりました。
この『箱根丸』は、日本の海運の躍進に貢献した船の一つと言えるでしょう。
箱根丸:総トン数16,240 トン 全長187m 全幅 26m 速力22ノット 1968年就航
今日は、日本初のコンテナ専用船『箱根丸』を模型とともに紹介してみました。
コンテナについてもっと知りたい方は・・『魔法の箱』も読んでみて下さい。
明日、2月28日(火)、と明後日2月29日(水)は、工房作業のためお休みを頂きます。ご不便お掛けしますがよろしくお願いいたします。
タイタニック号・処女航海100年企画・企画展『タイタニック展』を3/1より開催します。
タイタニック号の処女航海から100年、船内の様子などタイタニックの全貌や氷山衝突までのいきさつとその後、三隻の姉妹船についてなど・・模型や資料、写真、船内備品レプリカなどで紹介します。
開催期間:3月1日(木)~4月20日(金)
会場:当店企画展示室にて開催いたします。
時間:店舗営業時間(10:00~19:00)休業日を除く
入場は無料です。多くの方のご来場お待ちしております。
船の模型と海雑貨・・STAR SHIP MODELS
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日本初のコンテナ専用船『箱根丸』の模型。
横浜は、三菱みなとみらい技術館に展示されている模型です。
この船が登場したのは、海上輸送革命とも言うべき革新的な輸送システムであるコンテナ輸送への移行が進んでいた時期。
それまでの海上輸送と言えば在来型と呼ばれるクレーンの林立した昔ながらの貨物船が主流。荷物の積み下ろしには沢山の人手が必要で、人海戦術の荷役はそれはそれは非常に時間のかかるものでした。
そんな中で登場した効率的な輸送システム、それがコンテナを使ったコンテナ輸送、規格が統一した箱に荷物を積みわけ、船から降ろした荷物は、コンテナごとトラックで目的地へ・・・と港での積み替えなども無く荷物の損傷事故も少ないなど、格段に効率がUPしました。
この『箱根丸』は、日本の船主として初めて導入したコンテナだけを積みつけるコンテナ専用船。わが国も時代の流れに乗り遅れることなく、順調なコンテナ輸送のスタートを切ったのでした。
居住区、ブリッジの構造物を挟むように並ぶコンテナ。
今でこそ当たり前のこの光景も、当時の人にとっては新しい時代を感じさせる船に見えたでしょう。
当時のコンテナ船は、ほとんどのコンテナが甲板より下の船倉の中に納まっていて、現在のように船上にうず高く積まれるようなことはありませんでした。
コンテナの輸送の効率をに速さをプラスするため、極限まで絞った船首形状、正面からみた船首は非常にスリムです。
航海速力は当時のこの大きさの船としては速い22ノット。
この速さも手伝って、従来の船で一航海あたり80日かかっていた日本-アメリカ西海岸航路を『箱根丸』は30日にまで短縮しました。この船は、従来の半分以下の日数で1往復の航海をこなしていた事になります。
速さのひみつはスリムな船首だけではありません、当時の船が採用し始めていた、球状船首という船首の形。現在では当たり前に目にする、船首下部の丸い出っ張り。
この船の頃は、まだ申し訳程度に突き出している感じもしますが、抵抗を減らし、少ない力で速く船を進める事が出来ました。
船尾はまだ、以前の貨物船の形状をそのまま引き継いでいて、少し古風なデザインです。
日本の国旗に、船籍港を意味する東京の文字。現在では外国籍の実質・日本船がほとんどですが、この頃はまだ日本の海運会社が運行する船は、ほとんどが日本船籍でした。
効率的な輸送と、所要時間の短縮、と効率化が図られ、この輸送システムは見事に現代の世の中に受け入れられるものとなりました。
この『箱根丸』は、日本の海運の躍進に貢献した船の一つと言えるでしょう。
箱根丸:総トン数16,240 トン 全長187m 全幅 26m 速力22ノット 1968年就航
今日は、日本初のコンテナ専用船『箱根丸』を模型とともに紹介してみました。
コンテナについてもっと知りたい方は・・『魔法の箱』も読んでみて下さい。
明日、2月28日(火)、と明後日2月29日(水)は、工房作業のためお休みを頂きます。ご不便お掛けしますがよろしくお願いいたします。
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