模型紀行(15)
2012年2月15日(水)
模型紀行・巡視船『そうや』
模型紀行×15
今日の店長、模型・船ネタ。
横浜は、横浜みなと博物館に展示されていた巡視船の模型からです・・。
北海道人には、馴染み深い船・・巡視船『そうや』の模型です。
この模型は、現在釧路を定繋港とする巡視船『そうや』の完成時に作られた模型。
あの南極観測船『宗谷』が、南極観測を引退後、巡視船として北の守りについていたことは、ご存知の方も多いでしょう。
その『宗谷』の、後を継いだのがこの巡視船『そうや』です。
北の守りに就く役目は同じで、『宗谷』同様、この『そうや』も砕氷船としての機能を持たされました。
『そうや』の船首。
船首の喫水線(海面が接する部分)付近で、傾斜が緩やかになっているのは、この部分を氷の上に乗せて、船の重みで氷を割るため。
砕氷船はこのような特徴的な船首の形状をしています。
現在南極観測中の砕氷艦『しらせ』も同じ形をしています。
決して速そうには見えない形ですが、力強く氷を割るシーンを一度は見てみたいですね。
操舵室を含めた構造物がなんとも巡視船らしい雰囲気をかもし出しています。操舵室後方に張り出している箱のようなものは、減衰タンクといって左右両側にあるもので、中の水を移動させる事で時化た海での横揺れを打ち消す働きをします。
海が荒れていても、出動しなければならない巡視船、このような機能が備わっていると心強い事でしょう。
操舵室上部の大きなレーダーマスト。
模型で見るとメカニカルな感じがなんともいえません。
このような構造物を細かく実物同様に模型化するところは、模型職人の腕の見せ所の一つと言えるでしょう。
ちなみに『そうや』は1978年に完成、30年以上経った今も現役。今後もしばらく活躍する予定で、そのための船体延命工事を終えたばかり。
操舵室を丸ごと新しいものに入れ替えて装備も一新しました。
海上保安庁といえば『海猿』で一躍有名に・・
煙突に輝くコンパスマークが、トレードマークですね。
海上保安庁は海の安全は勿論、領海警備にも活躍、限られた巡視船で日本の全海域をカバーするハードな職場でもあります。救難出動でお世話になる人の数も意外に多く、中には海の怖さを侮ってのいたわしい事故も、自然に対しての謙虚さは忘れてはいけません。
後部の飛行甲板にはヘリコプターが1機。
搭載機はベル212。整備性にすぐれたベストセラー・ヘリコプター。模型は、船体・ヘリコプターともに、就役時の古い塗装になっていました。
船体に書かれた番号は『PL01』、現在はPLの後にヘリコプター搭載を示す記号Hが追加され『PLH01』となっています。
まだまだ活躍する、ベテラン巡視船。
模型でみてみるとあらためて、その堅牢なつくりに気づかされます。
現在の、巡視船『そうや』
今年も一年、海の番人として頑張って欲しいですね。
今夜は、毎度ながらの模型・船ネタで、巡視船『そうや』模型を見ながら、『そうや』の話でした。
☆横浜みなと博物館は、横浜港の歴史から現在、港の役割などを展示、船舶のコーナーには、貴重な船舶模型が多数展示されていて圧巻です。資料室もあり書籍などを閲覧できるほか、有料でコピーサービスも受けられます。ただし、館内は撮影禁止です。
3月1日からは、今年、処女航海100年を迎えるタイタニック号の資料を集めた企画展『タイタニック展』を開催いたします。会場:当店企画展示室・入場無料・是非ご来場下さい。
船の模型と海雑貨・・STAR SHIP MODELS
店舗情報はこちら→http://www.obnv.com/interior/475
横浜は、横浜みなと博物館に展示されていた巡視船の模型からです・・。
北海道人には、馴染み深い船・・巡視船『そうや』の模型です。
この模型は、現在釧路を定繋港とする巡視船『そうや』の完成時に作られた模型。
あの南極観測船『宗谷』が、南極観測を引退後、巡視船として北の守りについていたことは、ご存知の方も多いでしょう。
その『宗谷』の、後を継いだのがこの巡視船『そうや』です。
北の守りに就く役目は同じで、『宗谷』同様、この『そうや』も砕氷船としての機能を持たされました。
『そうや』の船首。
船首の喫水線(海面が接する部分)付近で、傾斜が緩やかになっているのは、この部分を氷の上に乗せて、船の重みで氷を割るため。
砕氷船はこのような特徴的な船首の形状をしています。
現在南極観測中の砕氷艦『しらせ』も同じ形をしています。
決して速そうには見えない形ですが、力強く氷を割るシーンを一度は見てみたいですね。
操舵室を含めた構造物がなんとも巡視船らしい雰囲気をかもし出しています。操舵室後方に張り出している箱のようなものは、減衰タンクといって左右両側にあるもので、中の水を移動させる事で時化た海での横揺れを打ち消す働きをします。
海が荒れていても、出動しなければならない巡視船、このような機能が備わっていると心強い事でしょう。
操舵室上部の大きなレーダーマスト。
模型で見るとメカニカルな感じがなんともいえません。
このような構造物を細かく実物同様に模型化するところは、模型職人の腕の見せ所の一つと言えるでしょう。
ちなみに『そうや』は1978年に完成、30年以上経った今も現役。今後もしばらく活躍する予定で、そのための船体延命工事を終えたばかり。
操舵室を丸ごと新しいものに入れ替えて装備も一新しました。
海上保安庁といえば『海猿』で一躍有名に・・
煙突に輝くコンパスマークが、トレードマークですね。
海上保安庁は海の安全は勿論、領海警備にも活躍、限られた巡視船で日本の全海域をカバーするハードな職場でもあります。救難出動でお世話になる人の数も意外に多く、中には海の怖さを侮ってのいたわしい事故も、自然に対しての謙虚さは忘れてはいけません。
後部の飛行甲板にはヘリコプターが1機。
搭載機はベル212。整備性にすぐれたベストセラー・ヘリコプター。模型は、船体・ヘリコプターともに、就役時の古い塗装になっていました。
船体に書かれた番号は『PL01』、現在はPLの後にヘリコプター搭載を示す記号Hが追加され『PLH01』となっています。
まだまだ活躍する、ベテラン巡視船。
模型でみてみるとあらためて、その堅牢なつくりに気づかされます。
現在の、巡視船『そうや』
今年も一年、海の番人として頑張って欲しいですね。
今夜は、毎度ながらの模型・船ネタで、巡視船『そうや』模型を見ながら、『そうや』の話でした。
☆横浜みなと博物館は、横浜港の歴史から現在、港の役割などを展示、船舶のコーナーには、貴重な船舶模型が多数展示されていて圧巻です。資料室もあり書籍などを閲覧できるほか、有料でコピーサービスも受けられます。ただし、館内は撮影禁止です。
3月1日からは、今年、処女航海100年を迎えるタイタニック号の資料を集めた企画展『タイタニック展』を開催いたします。会場:当店企画展示室・入場無料・是非ご来場下さい。
船の模型と海雑貨・・STAR SHIP MODELS
店舗情報はこちら→http://www.obnv.com/interior/475
2012年2月5日(日)
北海道模型紀行②函館・いるか文庫編/よみがえった連絡船
模型紀行×15
各地に展示されている船舶模型を訪れる模型紀行。今回の模型は、JR函館駅二階、船と鉄道の図書館「いるか文庫」に展示されている、青函連絡船の模型『大雪丸』です。
縮尺100分の1という大きなサイズの模型です。
実はこの模型、青函連絡船の修理を請け負っていた会社に勤務していた、故 木村政勝さんが1978年ごろに製作、作者の没後「語りつぐ青函連絡船の会」へと寄贈されましたが、経年の劣化で塗装がはがれたりと、傷みが激しい状態でした。
その模型が、当時の函館水産高校の生徒らを中心に修復されることとなり、船体の塗装のはがれなどは勿論、今までは無かった機能である船内の照明などを加えて再現して復活させられました。
綺麗に修復された船体は、高校生の復元作業とは思えないくらい、とても綺麗な仕上がり、引退した連絡船を、また一つ模型と言う形で次の世代に残すことがかないました。
展示ケース前のボードには、ボタンがいくつもついていて、一つ押すごとに室内の明かりがついたり、航海灯や、舷灯が点灯し、実物さながらの雰囲気を味わう事ができます。
この模型のもう一つすごいところは、『汽笛』が鳴るところ・・
それもただの電子音ではありません。
本物の船の汽笛を製造している、汽笛メーカーが製作した、本物そっくりの汽笛の音が鳴るのです。
このような形で息を吹き返した『大雪丸』模型は、なんだかとてもうれしそうで、窓から入る暖かな光にうたた寝をしているようにも見えましたよ。
最初に製作した作者亡き後に、再度復元されて人の目に触れる場所に展示される事は、模型にとっても幸せな事。
模型を復元した高校生達もこの場所に来るたびに、良い思い出として復元作業に当たった日々を思い出す事でしょう。
函館へお越しの際は、JR函館駅2階『いるか文庫』内にたたずむ『大雪丸』にも会いに行ってみてくださいね。
青函連絡船を知る方は、汽笛の再現音に、懐かしさを覚えるでしょう。
きょうの船ネタは、北海道模型紀行、函館駅「いるか文庫」にたたずむ『大雪丸』模型でした。
只今、当店では・・
模型の企画展『1:1250モデルシップの世界』を店内企画展示室で開催中!入場は無料です。
企画展『1:1250モデルシップの世界』は、2月12日(日)まで開催。100点余の精密ミニチュア模型をご覧いただけます。
模型ファンならずとも楽しめる内容です。開催期間中に是非一度ご覧下さい。
雑貨コーナーも新装で、新商品入荷中!こちらも是非ご覧下さい。
船の模型と海雑貨・・STAR SHIP MODELS
店舗情報はこちら→http://www.obnv.com/interior/475
縮尺100分の1という大きなサイズの模型です。
実はこの模型、青函連絡船の修理を請け負っていた会社に勤務していた、故 木村政勝さんが1978年ごろに製作、作者の没後「語りつぐ青函連絡船の会」へと寄贈されましたが、経年の劣化で塗装がはがれたりと、傷みが激しい状態でした。
その模型が、当時の函館水産高校の生徒らを中心に修復されることとなり、船体の塗装のはがれなどは勿論、今までは無かった機能である船内の照明などを加えて再現して復活させられました。
綺麗に修復された船体は、高校生の復元作業とは思えないくらい、とても綺麗な仕上がり、引退した連絡船を、また一つ模型と言う形で次の世代に残すことがかないました。
展示ケース前のボードには、ボタンがいくつもついていて、一つ押すごとに室内の明かりがついたり、航海灯や、舷灯が点灯し、実物さながらの雰囲気を味わう事ができます。
この模型のもう一つすごいところは、『汽笛』が鳴るところ・・
それもただの電子音ではありません。
本物の船の汽笛を製造している、汽笛メーカーが製作した、本物そっくりの汽笛の音が鳴るのです。
このような形で息を吹き返した『大雪丸』模型は、なんだかとてもうれしそうで、窓から入る暖かな光にうたた寝をしているようにも見えましたよ。
最初に製作した作者亡き後に、再度復元されて人の目に触れる場所に展示される事は、模型にとっても幸せな事。
模型を復元した高校生達もこの場所に来るたびに、良い思い出として復元作業に当たった日々を思い出す事でしょう。
函館へお越しの際は、JR函館駅2階『いるか文庫』内にたたずむ『大雪丸』にも会いに行ってみてくださいね。
青函連絡船を知る方は、汽笛の再現音に、懐かしさを覚えるでしょう。
きょうの船ネタは、北海道模型紀行、函館駅「いるか文庫」にたたずむ『大雪丸』模型でした。
只今、当店では・・
模型の企画展『1:1250モデルシップの世界』を店内企画展示室で開催中!入場は無料です。
企画展『1:1250モデルシップの世界』は、2月12日(日)まで開催。100点余の精密ミニチュア模型をご覧いただけます。
模型ファンならずとも楽しめる内容です。開催期間中に是非一度ご覧下さい。
雑貨コーナーも新装で、新商品入荷中!こちらも是非ご覧下さい。
船の模型と海雑貨・・STAR SHIP MODELS
店舗情報はこちら→http://www.obnv.com/interior/475
2012年1月26日(木)
北海道模型紀行①函館・金森倉庫編
模型紀行×15
今日は、函館は金森倉庫の一角にある、船の模型たちの紹介をしてみます。
金森倉庫の一角、倉庫内を見渡せる二階部分の回廊に、函館生まれ、函館育ちの模型作家、故 釜谷 弘 氏の作品4点が展示されています。
釜谷氏は人生最後となる平成15年まで模型製作に打ち込み、その年の3月青函連絡船記念館・摩周丸に青函連絡船・金比羅丸の模型を寄贈。その夏、まさに最後のときまで模型製作とともに歩んだ生涯を終えました。
展示されている模型は、木材をベースに、ほとんどの部品は自分で製作し、木製の甲板などはそのままの質感を残して製作された味わい深い作品です。
釜谷氏の作品は金森倉庫のレンガ作りの古風な雰囲気に絶妙にマッチしています。
メインの画像は、戦前から日本が誇った豪華客船『浅間丸』の姿です。
『浅間丸』(日本郵船)模型の煙突が並ぶ上部の構造物を眺めてみます、現代の客船とは違い、さまざまな空調機器や機械類がむき出しで所狭しと並び、当時の船の様子をよく捉えて、臨場感ある模型に仕上げています。
日本郵船の客船といえば、現在横浜に保存されている『氷川丸』が有名ですが、横浜-ホノルル-サンフランシスコを結んだこの『浅間丸』はそれより一回り大きく、室内装飾には大理石を使ったりと豪華な装飾で日本を代表する客船でした。『氷川丸』は格付けが貨物と旅客の両方を運ぶ“貨客船”だったのに対しこちらは“客船”文字通り旅客輸送に特化した豪華客船だったのでした。
現代では模型業者が製作するハイクオリティーの船舶模型も数多くありますが、釜谷氏の模型にはそのような模型にはない暖かみが感じられるところがあります。それは、一隻一隻、入魂するかの思いで製作された作者の魂が宿っているからのようにも思えます。
こちらは『愛国丸』(大阪商船)。
南アフリカ航路に就くために作られた客船で当時としては斬新なデザインで美しい船でしたが、戦争とともに軍に徴用され、特設巡洋艦という肩書きのもと戦争に参加、他の多くの船と同じく日本から遠く離れた地で沈んでしまった船でした。しかし模型では、その船の華々しい客船としての優美な姿が細かく作りこまれています。
『愛国丸』の船尾構造、クレーンの一つ一つも手を抜かず作られていて、甲板の材料も、実物同様、細切りされた板を一枚一枚丁寧に張ってあるあたり、作者の模型に対する愛情を感じます。
こちらは、フランスが国の威信を掛けて建造した当時最大の客船『ノルマンディー』です。全長313mの巨船で当時流行したアールデコ様式のデザインを船体から船内に至るまで余すところ無く取り入れたことから『洋上の宮殿』と呼ばれました。
最後は『金剛丸』。関釜連絡線として、釜山と日本本土との間を運行した連絡線で、当時の連絡線としては新しい技術を導入した、快適な船だったようです。戦時中、空母への改造案も出たのですがそうはならず。客船として活躍、その間機雷に接触するも、座礁して沈没を免れ、船の形を保って終戦を迎えました。その後修復されアメリカ軍に徴用されて使われ、戦争の狭間で活躍した船の中では比較的息の長い船だったようです。
今日は、北海道内の船舶模型をたずねて、『函館模型紀行』と題してその一回目、金森倉庫に展示されている、釜谷 弘
氏の作品群を紹介しました。
船舶模型にはなんとも言い表せない奥深さがありますが、今回の釜谷氏の模型をみて更にその奥深いところを知ったような気がします。
函館へお出かけ予定がある方は、このような港町ならではの展示にも目を向けてみては如何でしょうか。
模型の企画展『1:1250モデルシップの世界』を店内企画展示室で開催中!入場は無料です。
企画展『1:1250モデルシップの世界』は、2月12日(日)まで開催。開催期間中に是非一度ご覧下さい。
雑貨コーナーも新装で、新商品入荷中!こちらも是非ご覧下さい。
船の模型と海雑貨・・STAR SHIP MODELS
店舗情報はこちら→http://www.obnv.com/interior/475
金森倉庫の一角、倉庫内を見渡せる二階部分の回廊に、函館生まれ、函館育ちの模型作家、故 釜谷 弘 氏の作品4点が展示されています。
釜谷氏は人生最後となる平成15年まで模型製作に打ち込み、その年の3月青函連絡船記念館・摩周丸に青函連絡船・金比羅丸の模型を寄贈。その夏、まさに最後のときまで模型製作とともに歩んだ生涯を終えました。
展示されている模型は、木材をベースに、ほとんどの部品は自分で製作し、木製の甲板などはそのままの質感を残して製作された味わい深い作品です。
釜谷氏の作品は金森倉庫のレンガ作りの古風な雰囲気に絶妙にマッチしています。
メインの画像は、戦前から日本が誇った豪華客船『浅間丸』の姿です。
『浅間丸』(日本郵船)模型の煙突が並ぶ上部の構造物を眺めてみます、現代の客船とは違い、さまざまな空調機器や機械類がむき出しで所狭しと並び、当時の船の様子をよく捉えて、臨場感ある模型に仕上げています。
日本郵船の客船といえば、現在横浜に保存されている『氷川丸』が有名ですが、横浜-ホノルル-サンフランシスコを結んだこの『浅間丸』はそれより一回り大きく、室内装飾には大理石を使ったりと豪華な装飾で日本を代表する客船でした。『氷川丸』は格付けが貨物と旅客の両方を運ぶ“貨客船”だったのに対しこちらは“客船”文字通り旅客輸送に特化した豪華客船だったのでした。
現代では模型業者が製作するハイクオリティーの船舶模型も数多くありますが、釜谷氏の模型にはそのような模型にはない暖かみが感じられるところがあります。それは、一隻一隻、入魂するかの思いで製作された作者の魂が宿っているからのようにも思えます。
こちらは『愛国丸』(大阪商船)。
南アフリカ航路に就くために作られた客船で当時としては斬新なデザインで美しい船でしたが、戦争とともに軍に徴用され、特設巡洋艦という肩書きのもと戦争に参加、他の多くの船と同じく日本から遠く離れた地で沈んでしまった船でした。しかし模型では、その船の華々しい客船としての優美な姿が細かく作りこまれています。
『愛国丸』の船尾構造、クレーンの一つ一つも手を抜かず作られていて、甲板の材料も、実物同様、細切りされた板を一枚一枚丁寧に張ってあるあたり、作者の模型に対する愛情を感じます。
こちらは、フランスが国の威信を掛けて建造した当時最大の客船『ノルマンディー』です。全長313mの巨船で当時流行したアールデコ様式のデザインを船体から船内に至るまで余すところ無く取り入れたことから『洋上の宮殿』と呼ばれました。
最後は『金剛丸』。関釜連絡線として、釜山と日本本土との間を運行した連絡線で、当時の連絡線としては新しい技術を導入した、快適な船だったようです。戦時中、空母への改造案も出たのですがそうはならず。客船として活躍、その間機雷に接触するも、座礁して沈没を免れ、船の形を保って終戦を迎えました。その後修復されアメリカ軍に徴用されて使われ、戦争の狭間で活躍した船の中では比較的息の長い船だったようです。
今日は、北海道内の船舶模型をたずねて、『函館模型紀行』と題してその一回目、金森倉庫に展示されている、釜谷 弘
氏の作品群を紹介しました。
船舶模型にはなんとも言い表せない奥深さがありますが、今回の釜谷氏の模型をみて更にその奥深いところを知ったような気がします。
函館へお出かけ予定がある方は、このような港町ならではの展示にも目を向けてみては如何でしょうか。
模型の企画展『1:1250モデルシップの世界』を店内企画展示室で開催中!入場は無料です。
企画展『1:1250モデルシップの世界』は、2月12日(日)まで開催。開催期間中に是非一度ご覧下さい。
雑貨コーナーも新装で、新商品入荷中!こちらも是非ご覧下さい。
船の模型と海雑貨・・STAR SHIP MODELS
店舗情報はこちら→http://www.obnv.com/interior/475
2010年6月17日(木)
『芸術品』!!!
模型紀行×15
造船業界では、一般的に一隻の船が進水すると、その船の模型が造船所から船会社へ贈呈される慣わしがあります。
これらの模型は、その船の大きさ、贈呈先にもよりますが、大型船の場合100分の1程度の大きさのものが多いようです。縮尺100分の1では全長200mの船で、模型の大きさは2mになります。
上の写真はコンテナ船『日向丸』全長209mですから模型の大きさはは2m9cm・・とっても大きいです。
この模型は、実際の船に忠実に作られ一隻ごとに設計が変わる船の模型はそれに準じたオーダーメイドで精密に作られることになります。。
材料の削りだし、部品の製作、塗装と多くの時間と手間を掛けられて作られる。この種の模型のお値段は100万円を下らないんですよ・・・・
金属板を切貼りして作られる模型のハウス(ブリッジ・船員居住区)部分・・・とても細かいつくりが目を引きます。
これらの部分を含め表面の磨き込みをし、平面の続く部分は気の遠くなるような作業で、凹凸を極限まで減らした鏡のようなきれいな光沢に仕上げられています。
こちらは船首よりの作りこみです。マストのつくりもリアルです。一部分を断片的に見てもすばらしいと感じさせるような様は、もはや模型という表現の域を超えて芸術品という言葉が当てはめられるようにも思います。
こちらは日本最初のコンテナ専用船『箱根丸』です。
これら船の模型は全国の海洋・船舶関連の博物館、海運会社、フェリー乗り場等でみることが出来ます。
今回の写真は『名古屋海洋博物館』の展示物の一部です。
近場では、広尾町の海洋博物館、釧路市立博物館、でも船の模型が展示されています。
もちろんSTAR SHIP MODELSにも2m台の進水贈呈模型がありますので、ご覧になりたい方は店頭で声を掛けてください。
船の模型と海雑貨・・STAR SHIP MODELS
店舗情報はこちら→ http://www.obnv.com/interior/475/
これらの模型は、その船の大きさ、贈呈先にもよりますが、大型船の場合100分の1程度の大きさのものが多いようです。縮尺100分の1では全長200mの船で、模型の大きさは2mになります。
上の写真はコンテナ船『日向丸』全長209mですから模型の大きさはは2m9cm・・とっても大きいです。
この模型は、実際の船に忠実に作られ一隻ごとに設計が変わる船の模型はそれに準じたオーダーメイドで精密に作られることになります。。
材料の削りだし、部品の製作、塗装と多くの時間と手間を掛けられて作られる。この種の模型のお値段は100万円を下らないんですよ・・・・
金属板を切貼りして作られる模型のハウス(ブリッジ・船員居住区)部分・・・とても細かいつくりが目を引きます。
これらの部分を含め表面の磨き込みをし、平面の続く部分は気の遠くなるような作業で、凹凸を極限まで減らした鏡のようなきれいな光沢に仕上げられています。
こちらは船首よりの作りこみです。マストのつくりもリアルです。一部分を断片的に見てもすばらしいと感じさせるような様は、もはや模型という表現の域を超えて芸術品という言葉が当てはめられるようにも思います。
こちらは日本最初のコンテナ専用船『箱根丸』です。
これら船の模型は全国の海洋・船舶関連の博物館、海運会社、フェリー乗り場等でみることが出来ます。
今回の写真は『名古屋海洋博物館』の展示物の一部です。
近場では、広尾町の海洋博物館、釧路市立博物館、でも船の模型が展示されています。
もちろんSTAR SHIP MODELSにも2m台の進水贈呈模型がありますので、ご覧になりたい方は店頭で声を掛けてください。
船の模型と海雑貨・・STAR SHIP MODELS
店舗情報はこちら→ http://www.obnv.com/interior/475/
2010年6月4日(金)
模型紀行・・『ペーパーモデルシップ』・・・『紙』で船・・
模型紀行×15
今日は、紙で出来た船の模型のお話。
場所は、室蘭は、白鳥大橋のたもとに位置する場所にある
『室蘭市白鳥大橋記念館みたら』、ここには橋を作る工事の過程や、その際に使われた資材や機械、橋のジオラマで解説するコーナーなど、興味をそそる展示物がいっぱい・・・
その一角に、見事な船の模型が展示されているコーナーがあります。その模型の材料は『紙』。
紙で出来た船の模型・・と聞いて驚く人もいるかもしれませんが、実はこの紙の船の模型、木や金属を使って作るのに比べ費用がかからず手軽に作れるということで古くからの愛好家が多いジャンルなのです。
今日は、その中でもこのペーパーモデルシップを極めに極めた方と言える、大澤浩之さんの作品を紹介します。
こちらは、『たかさご丸』(大阪商船)と『氷川丸』手前(日本郵船)の模型です。細かい手摺や窓のつくりに、紙でできている事を忘れてしまいます。
大澤氏は神戸の方で数え切れない船の模型を自宅の工房で製作され、現存しない船は、資料を集めるところから構造の
解析、わからない部分は推測を交えての製作となるそうで製作途中で判明する事実を少しずつ付け加える様は、船の歴史を調べ上げる『考古学』のようなものとおっしゃっています。
そんな中、神戸を襲った大震災・・大澤氏の自宅も全壊状態になったそうです。そのとき生き残った船の模型たちの中から100隻を室蘭市に寄贈されました。その中の一部がローテーションでこの記念館で展示される事になったそうです。
こちらは、ドイツの豪華客船『オイローパ』、客船の優美な姿、船独特のきれいな曲線を忠実に再現しています。とても紙とは思えないです。
こちらは、コンテナ船『あめりか丸』(商船三井)
ブリッジ(操舵室)周辺の様子や曲線がきれいな煙突、救命ボートやアンテナ、手摺、積荷のコンテナ一つ一つまで、細かく再現されています。無骨な貨物船にも愛情をかけているようなこだわりが感じられます。
コンテナに書かれたマークは一つずつ全て手書きでかかれていました。もちろん船名も手書きです。
近づいてみれば見るほどその繊細さがわかります。
複雑な、戦前の船や貨物船などは圧巻です・・
写真のほかにもたくさんの船の模型がが展示してありました。
室蘭にお出かけの際は是非訪れてほしいスポットです。
(道の駅併設・室蘭水族館向かい)
大澤浩之氏の著書『紙模型でみる日本郵船船舶史』(シーズ・プランニング) ¥2100 が発売されています。
全80ページ、一頁に一隻の船の模型を大きなカラー写真で紹介・・その船の要目や生い立ちなどの記事が読みやすく付け加えられていて、最後のページには『船の紙模型の作り方』も紹介されています。
模型好き・船好き、ならずともページをめくるたび楽しい写真集ですよ。
当店でも販売していますので興味のある方は手にしてみてください。
船の模型と海雑貨・・STAR SHIP MODELS
店舗情報はこちら→ http://www.obnv.com/interior/475/
場所は、室蘭は、白鳥大橋のたもとに位置する場所にある
『室蘭市白鳥大橋記念館みたら』、ここには橋を作る工事の過程や、その際に使われた資材や機械、橋のジオラマで解説するコーナーなど、興味をそそる展示物がいっぱい・・・
その一角に、見事な船の模型が展示されているコーナーがあります。その模型の材料は『紙』。
紙で出来た船の模型・・と聞いて驚く人もいるかもしれませんが、実はこの紙の船の模型、木や金属を使って作るのに比べ費用がかからず手軽に作れるということで古くからの愛好家が多いジャンルなのです。
今日は、その中でもこのペーパーモデルシップを極めに極めた方と言える、大澤浩之さんの作品を紹介します。
こちらは、『たかさご丸』(大阪商船)と『氷川丸』手前(日本郵船)の模型です。細かい手摺や窓のつくりに、紙でできている事を忘れてしまいます。
大澤氏は神戸の方で数え切れない船の模型を自宅の工房で製作され、現存しない船は、資料を集めるところから構造の
解析、わからない部分は推測を交えての製作となるそうで製作途中で判明する事実を少しずつ付け加える様は、船の歴史を調べ上げる『考古学』のようなものとおっしゃっています。
そんな中、神戸を襲った大震災・・大澤氏の自宅も全壊状態になったそうです。そのとき生き残った船の模型たちの中から100隻を室蘭市に寄贈されました。その中の一部がローテーションでこの記念館で展示される事になったそうです。
こちらは、ドイツの豪華客船『オイローパ』、客船の優美な姿、船独特のきれいな曲線を忠実に再現しています。とても紙とは思えないです。
こちらは、コンテナ船『あめりか丸』(商船三井)
ブリッジ(操舵室)周辺の様子や曲線がきれいな煙突、救命ボートやアンテナ、手摺、積荷のコンテナ一つ一つまで、細かく再現されています。無骨な貨物船にも愛情をかけているようなこだわりが感じられます。
コンテナに書かれたマークは一つずつ全て手書きでかかれていました。もちろん船名も手書きです。
近づいてみれば見るほどその繊細さがわかります。
複雑な、戦前の船や貨物船などは圧巻です・・
写真のほかにもたくさんの船の模型がが展示してありました。
室蘭にお出かけの際は是非訪れてほしいスポットです。
(道の駅併設・室蘭水族館向かい)
大澤浩之氏の著書『紙模型でみる日本郵船船舶史』(シーズ・プランニング) ¥2100 が発売されています。
全80ページ、一頁に一隻の船の模型を大きなカラー写真で紹介・・その船の要目や生い立ちなどの記事が読みやすく付け加えられていて、最後のページには『船の紙模型の作り方』も紹介されています。
模型好き・船好き、ならずともページをめくるたび楽しい写真集ですよ。
当店でも販売していますので興味のある方は手にしてみてください。
船の模型と海雑貨・・STAR SHIP MODELS
店舗情報はこちら→ http://www.obnv.com/interior/475/
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