1/1250模型(47)


2012122(日)

豪華客船・・・続・びっくり超絶技巧の模型世界


豪華客船・・・続・びっくり超絶技巧の模型世界

今日の船ネタの記事は、企画展『1:1250モデルシップの世界』から、建造時、世界最大だった客船、『QUEEN MARY 2』の1250分の1の精密模型です。

この客船、『QUEEN MARY 2』は、2003年完成の超大型豪華客船、イギリスのCUNARD社が運行する、大西洋航路時代の伝統を引き継いだ格式高い客船です。

全長345m 全幅41m 総トン数15万1400トン は、就航した2003年の時点では世界最大でした。

日本にも度々寄港し、初寄港の際は、店主も小型遊覧船で歓迎するツアーに参加、洋上に浮かぶ姿を間近に見ることが出来ました。

この船は『洋上の宮殿』と例えられているようですが、私が目にした限り『島』が動いているようでしたよ。

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さて、模型の話にもどると、この模型、超絶技巧で知られるドイツCSC社の製品で、通常の1:1250模型と違い、船体の喫水線下(水に隠れている部分)も作られた本格モデル。

船体側面にはバルコニーつきの客室が整然と並んでいますがその一つ一つを丁寧に塗りわけ、手すりまで作りこんでいます。

その芸の細かさには脱帽です。最上階にはプールが、開閉式の屋根を開けた状態でしっかりと作られています。

ここに私たちが入るには、ダニ(例えるものが悪くてごめんなさい)くらいの大きさにならなくてはならないでしょうか。

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船尾の眺めです。船尾にもプールをはじめとした施設が並ぶ甲板が層を成していますが、こちらも丁寧に作られています。数の多い救命ボートも一つ一つ丁寧に作られていて眺めるほどに新しい作りこみの発見があります。

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そして極めつけはこちら・・
船首寄りの最上階に設けられた、テニスコートとバスケットコート。

なんと、コートの周囲にはネットが張ってあり、バスケットコートには、ゴールまで作りこまれています。

正直、虫眼鏡がないとよく見えませんが、拡大してみるとちゃんと実物同様の形で作られています。

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『QUEEN MARRY 2』は、今年も3月18日に大阪、3月20に長崎にそれぞれ寄港します。
その時期に大阪・長崎方面への予定がある方は是非一度目にしてみるのも良いかもしれませんね。

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日本初寄港時のQUEEN MARY 2 (横浜港)

今日は、『1:1250モデルシップの世界』から、大型客船『QUEEN MARY 2』の模型を紹介しました。

企画展『1:1250モデルシップの世界』会場ではヨーロッパ発祥の1250分の1と言う小さなサイズながら細かいつくりの模型を100点余展示しています。こちらで紹介した模型も、企画展会場でご覧いただけます。



模型の企画展『1:1250モデルシップの世界』を店内企画展示室で開催中!入場は無料です。

企画展『1:1250モデルシップの世界』は、2月12日(日)まで開催。開催期間中に是非一度ご覧下さい。


雑貨コーナーも新装で、新商品入荷中!こちらも是非ご覧下さい。


船の模型と海雑貨・・STAR SHIP MODELS

店舗情報はこちら→http://www.obnv.com/interior/475外部リンク



2012119(木)

タイタニック号のはなしと精密模型


タイタニック号のはなしと精密模型

企画展『1:1250モデルシップの世界』から

本日は、展示中の『タイタニック号』のモデルを紹介しながら、『タイタニック号』について書いてみます。

その『タイタニック号』は、今年、処女航海から100年を迎えることになり、ジェームズキャメロン監督の映画『TITANIC』も再び3Dでの公開が予定されていますね。

3月には、当店でもタイタニック号の生い立ちを資料と模型でつづる企画展『タイタニック展』の開催を予定しています。

上の画像は『タイタニック』の1250分の1の精密模型です。一つの階層が2mm程度という非常に小さな縮尺ながら、手すりは勿論、細部にわたるまで精密に再現しています。

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この『タイタニック号』。当時、船の内部を多くの区画に仕切りいくつかの区画に水が入り込んでも船は沈まないという画期的な技術の導入から不沈船と言われました。

しかし、その呼び名から来るおごりがこの悲劇を生んだ事も多くの方がご存知だと思います。

不沈船という認識から救命ボートの数が定員の半分しか助けられない数だったということがこの大きな海難事故を作り出したことは有名です。

区画構造の機能はそれなりに働いていて、事実沈没までには避難には十分な時間があったように思われます。ただ、逃げる場所(救命ボート)が無かったわけです。

近い場所に救助に駆けつけられる船がいなかったことも、悔やまれたでしょう。

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建造中のタイタニック号(奥)とオリンピック号(手前)

ところで、タイタニック号には3隻の姉妹がいたことは、ご存知でしょうか?

タイタニック号の進水は1911年、処女航海が1912年でしたが、それ以前に運行を開始していた『オリンピック号』とタイタニック事故後に就航した『ブリタニック号』

『ブリタニック号』は、第一次世界大戦の暗雲の中病院船として完成、しかし程なくして機雷に触雷し沈没タイタニックと同じく短い生涯でした。

そして『オリンピック号』。この船はタイタニックより1年早い1911年に運航が始まったのですが、この船は『タイタニック号』『ブリタニック号』とは対照的に強運を持ち合わせた船でした。『オリンピック号』は当初タイタニック就航以前から多くの事故やトラブルに会っていたため、タイタニック号とのすり替え説が生まれるほど損傷修理を繰り返した船でした。しかし、第一次大戦でドイツ潜水艦の攻撃をかわしてそれを逆に沈めるなどの奇跡を起こしたり、持ち前の強運で、戦禍をかいくぐり24年という船寿を全うしました。この間大西洋を500回横断し、引退間近の晩年は“Old Reliable頼もしいおばあちゃん”というあだ名で親しみをこめて呼ばれました。

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再び話を『タイタニック』にもどし、煙突部分をクローズアップしてみました。
『タイタニック』の煙突は、皆さんご存知の通り4本ありました。しかしタイタニックのエンジン(ボイラー)は3つで、ボイラーと直結しているのは前から3本目までの煙突でした。一番後ろの1本の煙突からは煙は出ませんでした。つまり、4本目の煙突は飾りだったのです。

当時、大西洋航路を往復する客船はスピードを競っていた時代で、早い船は機関を4基もち煙突もそれにあわせて4本ついていました。そのため4本煙突はある種ステータス。タイタニックは船の大きさこそ最大でしたが、機関の数からも分かるようにそれほど早い船ではありませんでした。しかしながら人気を得るためにダミーの煙突をつけて見栄えを良くしたのでした。

その後も見た目を重視したダミー煙突をつける船が多く作られルックスも船の設計の大事なポイントになったのでした。


今日は企画展『1:1250モデルシップの世界』からタイタニック号の模型の紹介とタイタニックについてのお話を少々させて頂きました。


模型の企画展『1:1250モデルシップの世界』を店内企画展示室で開催中!入場は無料です。

企画展『1:1250モデルシップの世界』は、2月12日(日)まで開催。開催期間中に是非一度ご覧下さい。


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2012114(土)

LNGタンカーって? 模型企画展から・・


LNGタンカーって?   模型企画展から・・

企画展『1:1250モデルシップの世界』から・・LNGタンカー『NORTHWEST SHEARWATER』です。

『LNG』・・最近よく耳にするという方も多いでしょう。

LNGとは液化天然ガスのことで(liquefied natural gas)を略したもの。これを運ぶタンカーのことをLNGタンカーと呼びます。

日本では、都市ガスや発電用に使われる一般的なガスで、石油・石炭に並んで日本のライフラインを支えています。。

LNGタンカーは、気体のままではかさばるガスを-162℃まで冷却して、液体にして運びます。

そのためタンクの形はその形態を維持するのに最も適した形をしています。

このタンカーの場合、モス方式といって高圧を受け止める働きを持ち、外からの熱を伝わりにくくする球形のタンクを船の上に並べてガスを原産国から運びます。

船体横にはLNG輸送中を示す『LNG』の文字。

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上から見るとこのような感じです。

この船の全長は272m、球形のタンクが規則正しく並びます。
その上にはガスを移動させるためのパイプラインが走ります。幾何学的な形が面白いですね。

この大きなタンクに絵を描いたものもあるんですよ。

液化天然ガスは、その性格上、やや早い速度で輸送され、LNGタンカーは20ノット(40h/km未満)近い、比較的早いスピードで運行されます。そのためタンカーと言う名前の割りに先細の船首形状をしています。

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この『NORTHWEST SHEARWATER』はオーストラリアが主な積み出し地、そこでは水先人がヘリコプターで乗船するため、船の後にはヘリポートを備えています。

オーストラリアを積み出し地とするLNG船にはほとんどにヘリポートが備わっています。

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青函連絡船『大雪丸』と並べてみました。
連絡線船のブリッジ(操舵室)部分がLNG船の高さの半分にも満たないことが分かります。

全長もさることながら、最高部までの高さもちょっとしたものです。高所恐怖症ではこの船の操船も任せてもらえませんね。

LNG船は、原油タンカーと同じく定期的に、積み出し地と日本を往復し日本の生活を支えています。

企画展『1:1250モデルシップの世界』から、LNGタンカーの模型でした。

模型の企画展『1:1250モデルシップの世界』を店内企画展示室で開催中!入場は無料です。

企画展『1:1250モデルシップの世界』は、2月12日(日)まで開催。開催期間中に是非一度ご覧下さい。


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201216(金)

極小・ミニチュアモデル


極小・ミニチュアモデル

昨日は、看板犬『ビス』の誕生日でご来店の皆様にたくさんのお祝いの言葉を頂きましたよ。

ありがとうございます。

さて、今日は、企画展『1:1250モデルシップの世界』から、その中で最も小さなモデルを見てみましょう。

1250分の1と言う世界は、模型が実物の1000分の1以下である事はわかりますが、果たしてその大きさは・・?

という疑問にお答えして・・・小さなものでこんな感じです。並べてあるコインは一円玉。

これが1:1250の世界。タグボート、巡視艇、駆逐艦、小型の貨物船と小さなものでは、1cm以下となるサイズに、しっかりとマストやアンテナ、窓から、船上の機械類まで作りこんであります。

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指と比べると、こんな感じです。このサイズになると、もはや手持ちでの製作作業は難しいです、筆を入れての塗装は、米に字を書く世界?でしょうか・・・?

職人は、これを1つではなく、複数、手作業で量産するのです。

写真は接写して撮るので、見た目に粗い模型のようにも映りますが、肉眼で見る分には全くそれを感じさせません。

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こちらは、少しサイズが大きくなってアメリカはUS・コーストガードのハミルトン級カッター(日本で言うと巡視船)です。

船体脇の通路部分もしっかりと切り欠きが抜けていて、仮に人間が小さくなれば歩いて一周できるようになっています。

ヘリコプター発着甲板の落下防止のネットもちゃんと再現されています。

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こちらは、見慣れない船かもしれませんね。

実は、南極へ行った南極観測船『宗谷』の南極観測船になる前の姿なんです。

完成直後の貨物船時代の『宗谷』・・名前も『宗谷』ではなく、『地領丸』と言いました。
『宗谷』も1250分の1にすると、こんなに小さな船なのですね。

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小さな船ばかりを紹介してきましたが、『船』って、実際は大きいもの。最近の客船や貨物船は想像も付かないほどの大きさです。

世界最大のコンテナ船と並べてみる(上の写真)と、サイズにはこんなにもの開きがあります。
ちなみに手前最後尾が『地領丸』(宗谷の前身)後から二番目は日本海軍・駆逐艦『松』

コンテナ船の実物は397m、1250分の1で約32cmと巨大です。
それに対してタグボートは15~20m。模型で1.5cm程度と、とっても小さなものになります。

この中では、タグボートが最も小さな模型ですが、今回の展示で最も大きなものは、世界最大のタンカーにして世界最大の船(全長・全幅で計測)『ヤーレバイキング号』全長458.4m・・1250分の1模型では37cmにもなります。

そんな大きさ比べも楽しい『1:1250モデルシップの世界』。

企画展『1:1250モデルシップの世界』は、2月12日(日)まで開催。開催期間中に是非一度ご覧下さい。


模型の企画展『1:1250モデルシップの世界』を店内企画展示室で開催中!入場は無料です。

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201214(水)

超~精密模型 南大西洋の白鳥


超~精密模型 南大西洋の白鳥

開催中の『1:1250モデルシップの世界』から精巧なモデルを一つ取り上げて見ます。

今日は、Cap Sandiego(キャプテン・サンディエゴ)号。
模型は、精密技巧で有名な模型王国ドイツのCSC社の物です。この模型のサイズはわずか10cmほど。非常に小さく繊細です。

さて、この船『Cap Sandiego号』は勿論実在する船です。Hanburg Sud Lineがドイツと南米の間を結んだ貨客船で、1961年に作られました。
モデルで見てもわかるように白亜の船体に帽子をかぶったように最上階の天井が赤く塗られた非常に美しい船で、貨物船・・と言うイメージから少し遠ざかったような印象さえ受けます。現に『南大西洋の白鳥』とさえ呼ばれていました。

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実際に航海するこの船を写した、船会社の絵葉書です。
青い海に浮かぶと、船体の美しさが一層際立ちますね。

模型では、その船体の各部に至るまで細密に再現されていて10cmほどの模型に貨物クレーンのワイヤーからアンテナの先端のループまで細かく再現されていて、驚くは手すりまで作りこまれているところです。

模型で見ても、つい見とれて、時のたつのを忘れてしまいます。

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船内構造の図。

現在は、ドイツのハンブルグに繋留され、博物館として、船内が公開されています。
驚く事にこの船はエンジンが今でも元気に動く状態で手入れされていて、年に数度、船客を乗せてクルージングするのだそうです。

当時としては斬新なデザインを取り入れた貨客船だとは思いますが、日本で保存されている、客船「氷川丸」や、南極観測船「宗谷」のように『奇跡の船~』などと歴史的に幸運に恵まれたりといったエピソードのある船ではないようにも思いますが、こんな船が保存されるこの国に羨ましさすら感じます。

企画展示『1:1250モデルシップの世界』の模型から、一隻の船について紹介してみました。


『キャプテン・サンディエゴ号』博物館ホームページhttp://www.capsandiego.de/外部リンク 但しドイツ語なので、私も画像だけで楽しんでいます。


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STAR SHIP MODELS(雑貨&模型)
十勝・帯広に『海』を広めるお店をオープン。海辺のギフトショップをイメージした店内には『海・雑貨コーナー』と『ホビーコーナー』が同居。雑貨好き・模型好きともに楽しめるお店です。海・雑貨はマリン雑貨をはじめ、アクセサリー小物、ハワイアンまで取り揃えています。ホビーコーナーは船が中心のプラモデルから木製キット、完成品まで取り扱い。海・船・雑貨・模型の記事をランダムにブログにしていきます。

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