昔はなんの恥ずかしげもなく、
よく芸能人の写真の切り抜きを持っていった。
すると必ず言われたのが、
「髪質ってそれぞれ違うし、
こういう人たちは専属のヘアメイクさんがついてるからねぇ・・。」

おい。まずは外国人の写真を持っていってるなら髪質もわかる。
持っていってるのは日本人だよ！ジャパニーズ。スシダイスキデ～ス。
そして、専属のヘアメイク。知るか、そんなこと。

とりあえず、やってよ！！！

それからできなかったって言ってほしかったけど、
（繰り返しますが、昔の話だよ）
今考えれば、顔が違ったんだな、単純にさ。
私も美容師さんだったらそう言うしかないもんな。
出来上がり違ってたら、お客さんによってはくそみそだし。

短大時代、私が持っていったのは
その頃流行っていたソバージュがよく似合う
今井美樹（だったはず）の切り抜き。
「はいはい」とチラ見して仕事を始めたから、
私は不安になり、その切抜きを前の棚の真ん中にON。
シャンプーして戻ってきたら、なんと違う場所に移動。

「私の切り抜きはどこ？どこなの～！！！」

前に座っていた席にいってもない。

「お客さん、何かお探しですか？」
「切り抜きが、切り抜きがないんです！！！
今日はそのヘアースタイルにしようと思って持ってきた
今井美樹の切り抜きがないんです。」

おや？足元に何かが・・・いた！美樹ちゃ～ん！！！
良かった。ホッ。

さて、2時間後。
鏡に写っていたのは今井美樹ではなく
内藤やす子だった。

「弟よ」