2008118(土)

サケオの・・・な話し(1)


サケオの・・・な話し(1)

白木健一にとって橘瑞穂は、理想の女性だった。

何もかもが自分の好みにぴったりで、笑うのも一緒、泣くのも一緒

まるで、鏡を見るように心が通じ合った。


ウエートレス
「お待たせいたしました」

白木
「あっ君、コーヒーは二つ注文しただろう」

ウエートレス
「えっ・・・あ・・あぁ、失礼しました・・」

白木
「何だい?、話って」

瑞穂
「それがね、近頃おかしな事があって・・・健一さんに心配かけちゃいけないと思って黙っていたのだけど」

そう言って瑞穂はテーブルの上に数通の手紙を置いた

画像

白木
「フン…差出人の名前が無いね…、おや?君の住所も書いてないし切手も貼っていない」

瑞穂
「そうなの…自分で届けに来ているみたいなの…、なんだか気味が悪いのよ…ねぇ、警察に届けた方がいいかしら?」

白木
「…いや、その必要は無いと思うよ、ただの悪戯だよ。心配はいらない」



(そう、心配はいらない。なぜって?、この手紙は僕が書いたものだからさ。小さな不安は恋愛においてスパイスの役割を果すのだよ)

画像

白木
「大丈夫!君には僕がついている。絶対に僕が君を守ってみせるよ」

瑞穂
「ありがとう、でもね…近頃、黒ずくめの男が私を尾け回している様なの、何だか怖いわ」

白木
「えっ、それはどんなヤツだい?」

瑞穂
「黒い上下に黒い帽子それに黒い手袋まで。何だかとても不気味なの…健一さん!私、怖いわ」

白木
「大丈夫!何も怖がる事はない。言ったでしょう、君は僕が守るって」



(そう、怖がる事はない。君を尾けていたのは僕なのだから。怯えている君の顔を見て僕はゾクゾクしたよ。そして一層君への思いを深めたんだ)






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