202137(日)

半世紀前の門田のピッケル


半世紀前の門田のピッケル

コレクション(1) 門田のピッケル 3/4/2021

 十勝ヒュッテの室内は壁が多いので展示物を考えている。
 これはほぼ半世紀前に使っていた門田製のピッケルで Sapporo BERGHEIL K.I.W.とあるので炭素鋼の鍛造もの(注1)だ。値段は忘れたが 当時の授業料(注2)くらいだったと思う。ピック・ブレード長は30cm シャフト・石突きを含めた全長は80cm。今のモノに比べるとかなり長く 杖には便利だが 取り廻しは悪かった。20年位前に錆を落として透明ラッカーを塗っておいたが 出してみると錆がついていた(革製のカバーは錆を作るだけ)。磨き直しが必要だ。
 昔は「刀は武士の魂 ピッケルは岳人の魂」とシャレる人もいた。ネットオークションを見たら 戦前もの・穴あきの限定品・未使用品は十万円以上の値が付くのもあるが このピッケルは門田の最後年なので 使用品だと1-2万円だった。ピッケルは鍛造とは言え 刀剣のように刃紋はないので美術品にはならないだろう。むしろ鍬や鎌のような道具と言うべきで 組成も熱処理も詳細は異なる。また 古い木製シャフトは折れる可能性が高く 実用は無理。やはり個人の思いが価値のアンティークと言うべきだろう。

(注1) 日本の初期のピッケルは農具・馬具・刀剣の鍛冶屋が作ったので 素材は熱処理の効く炭素鋼だった。しかし低温脆性・重さ・錆に問題があり 今流のモノは合金鋼・チタン・アルミ合金に変わり 錆びの心配もない。
(注2) 当時の国立大授業料は年間1万2千円(月千円)と非常に安かった。仕送りを飲んでしまっても1週間位バイトをすれば払えた。






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Elmtree
 もともとアウトドア大好き人間ですが 時間の制約から残念な思いをしてきました。2019年春に友人の協力を得て 十勝清水にMountain Cabinを自作するプロジェクトを始めました。若者を巻き込んで いつでもバトンタッチできる体制を心がけています。また近くの「遊び小屋コニファー」は アウトドアの大先輩としてリスペクトしています。なお 街・探検・文化については別ブログにしました。Elmtree2をご覧ください。

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