6. たき火 Outside wood fire(84)


202379(日)

苫小牧の薪作りプロジェクトを見学


苫小牧の薪作りプロジェクトを見学

 森林の専門家の友人K氏が 苫小牧で森林関係のNPOをやっている。彼のプロジェクトではナラノキの間伐材を利用して本格的な薪作りをしているので 見学させてもらった。場所は室蘭本線遠浅駅の近くだった。
 広大な敷地にブルーシートで上部を覆ったユニットが30位並んでいる。

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 冬の間にスノーモービルで伐採地から玉切りを運搬して その後はメンバーが時間に応じて薪にしているらしい。

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 ユニットは70巾 x 150高さ x 300長さで 木製のバレットの上に並べられている。上部は厚手のブルーシートで覆っているが ほとんどが吹き曝しだ。「これで大丈夫なの?」と聞いたら「問題なく乾燥する」とのこと。

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 一部は薪棚の中で保管・乾燥をしている。この1スパンは屋外保管の2ユニットに相当するそうだ。

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 裏側も解放なので 風通しは抜群だろう。

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 玉切りのままでの購入希望もたまにはあるそうだ。これで0.7立方米らしい。

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 このブルーシートのビニルハウスは冬の作業場だそうだ。手前に不思議な台があったが「チェーンソーの目立て台」だそうだ。確かにこれは便利だろう。

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 ビニルハウスの内部には おなじみの時計型薪ストーブがあった。作業程度ならこれで十分とのこと。確かに冬の苫小牧は寒いが 雪は少ないはずだ。

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 ここの薪は私の自家製薪よりも太い薪ストーブ用だ。長さは35センチにしているそうだ。2年物は十分に乾燥しているが キノコが生えたところもある。

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 「手割りと機械割りでどう違うと思う?」と質問された。考えたこともなかった。結果はこの写真のようで 左が手割りで 右が機械割りだそうだ。明らかに差があり 左はそろっていて右はばらついている。K氏曰く「手割りでは 木材の弱いところを通って自然に割れるが 機械割りは強制的になる」らしい。
 「百聞は一見にしかず」で たくさん勉強をさせていただいた。感謝。



202376(木)

薪の燃焼テスト(2) ヤチダモは良い薪


薪の燃焼テスト(2) ヤチダモは良い薪

 過日に自作薪の燃焼テストをしたが その時はヤチダモ薪とシラカバ薪を交互に井桁に積んだため 十分に燃えることはわかったが それぞれの特徴は不明だった。
 今回は 建材薪(左:針葉樹)・ヤチダモ薪(中央:広葉樹)・シラカバ薪(右:広葉樹)を直接比較した。薪はそれぞれ8本で ほぼ同じ太さだった。

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 先日の水分計の測定結果は10%程度だったが この日はそれぞれが15%程度だった。日によりだいぶ違うのは時々の湿度の影響だろう。

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 点火3分後。井桁の中に薄い針葉樹の焚き付けを入れて火をつけると ほぼ同時に燃え始めた。

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 9分後。ほぼ同じペースで燃え上がった。

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 11分後。焚き付けは落ち着き それぞれの薪に火がついた。右のシラカバ薪が燃え上っているのは 樹皮(ガンビ)が燃えやすいためだろう。

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 31分後。順調に燃え続けるが 予想に反して建材薪よりもシラカバ薪の方が燃焼が早かった。建材薪は湿ってたのかも。

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 41分後。シラカバはほぼ燃え終わった。ヤチダモのオキはやはり一番多い。

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 72分後。シラカバ(右)と建材(左)は燃え尽き ヤチダモ(中央)は最後まで残った。昼間なのでよく見えないが ヤチダモはやはり火持ちは一番だった。また 広葉樹の灰は白いのに対して針葉樹では文字通り灰色だ。木炭の灰の結果と同じだ。
 まとめると 燃えやすさは 建材=ヤチダモ<シラカバ 火持ちは シラカバ<建材<ヤチダモ となった。これらの比較からも このヤチダモは良い薪と言えるだろう。



202371(土)

ヤチダモ薪の燃焼テスト


ヤチダモ薪の燃焼テスト

 「札幌の木こり」で作ったヤチダモの薪だが 十勝ヒュッテの焚火サイトで燃焼具合をテストした。

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 乾燥薪の目安は15%以下らしいが ヤチダモ薪の水分は概ね12%と良好だ。ずっしりと重く たたくと金属のような音がするので かなり密度が高い。

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 比較材はヒュッテで1年半保管・乾燥していた白樺薪だ。水分もほぼ同様のレベルだが 重さはヤチダモよりもかなり軽い。

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 薪を井桁に組んだ。ただし ヤチダモ・白樺・ヤチダモ と交互に積んで 中央には針葉樹の焚き付けを入れて着火した。
3分後。順調に燃え上がる。

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9分後。順調に燃えている。

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10分後 。追加の薪を一段加えた。

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31分後。火持ちはいい。針葉樹なら半分の時間で燃え尽きてしまうだろう。

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 40分後。オキになったが 広葉樹はさすがに長持ちだ。
 終わってから気が付いたが ヤチダモと白樺を別々の井桁積にして同時に火をつける試験の方が良かったかも。とは言え ヤチダモ薪は乾燥も火持ちも問題はなさそうだ。「このままで合格」と言っていいだろう。



2023630(金)

札幌の木こり(10) 薪作り終了


札幌の木こり(10) 薪作り終了

 最近の2カ月は木こり・薪作りばかりしていたが いよいよ最終作業として野積の薪を屋内に移した。D社長にいろいろ提案してもらい 仮設作業場へ移すのが労力・経費で一番少ないことになった。
 隣りの敷地なので一輪車でもすむのだが 一応は軽トラに積んでの移動となった。仮置きでも乾燥はそれなりに進んでいて 一部には蟻が付いた薪もあり やはり定期的な点検・組み換えは必要だ。

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 移動先では定尺で6スパン使うことになった。中央は手稲薪で 伐採してから2年以上たつので 乾燥は進んでいる。左側は今年の新薪の銭函薪で 本格的な乾燥が必要だ。右側奥は2週間前に伐採したもので たっぷり2年間は乾燥が必要だ。他にスエーデントーチの試作品や玉切り薪も整理した。全体では推定で12立方米。

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 手稲薪の樹種は「ヤチダモ」できれいな黄色の木質だ。倒してから2年以上は経過しているので意外に乾燥していて断面にヒビもある。拍子木のように叩くと「カンカン」と音がするので密度が高くて良い薪だ。

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 買ったばかりの水分計を試してみた。樹種により補正が必要だが 手稲薪はどのモードでも10%以下だっだ。ということはこのまま乾燥薪として使えそうだ(乾燥薪は15%以下らしい)。

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 一部の丸太をスエーデントーチに加工してみた。右側ほど乾燥している。もちろん加工は左側にある生木の方が簡単だ。

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 このトーチでも 水分計によると手稲薪が良好な値だった。
 ということで 札幌での薪作りは一段落だが 初めて経験なので手間・時間がかかり 大変だった。次回はスムーズに行くだろう。
 小屋暮らしでは「木こり・薪作り」は不可欠で重要なことを実感した。それにしても疲れたわ。



2023621(水)

札幌の木こり(9) 新規の伐採木


札幌の木こり(9) 新規の伐採木

 現在 乾燥サイトに薪を移動する作業をしているが 近所の宅地造成中の作業場から「あげるから早く持って行って」との声がかかる。樹皮がつるつるで葉っぱは対生 どこかで見たような気もするが 名前は後で調べよう。急いで軽トラで取りに行った。

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 一人で運べる長さに切ってもらって軽トラで運んだ。

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 玉切りをしてみたら「生木はこんなに切り易いのか」と驚いた。径が25センチ程度のこともあるだろうが スイスイ切れた。。

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 あまりにも快調に切れるので スエーデントーチを4本(写真中のX字丸太)も作ってしまった。全量で0.5立方米程度だろう。
 このように突然話が来てすぐに対応しなければならない時もある。ちなみにここは週末が明けたら木の跡形もなく まっ平になっていた。



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Elmtree
 もともとアウトドア大好き人間ですが 時間の制約から残念な思いをしてきました。2019年春に友人の協力を得て 十勝清水にMountain Cabinを自作するプロジェクトを始めました。若者を巻き込んで いつでもバトンタッチできる体制を心がけています。また近くの「遊び小屋コニファー」は アウトドアの大先輩としてリスペクトしています。なお 街・探検・文化については別ブログにしました。Elmtree2をご覧ください。

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