e 北京・中国(49)


2024210(土)

中国のEV事情 大学の構内バス


中国のEV事情 大学の構内バス

 中国のEV(電気自動車)の最近の隆盛は以前にも紹介したことがある。ストック写真でその好例を見つけたので紹介しておきたい。
 これは北京の某大学の風景だが 何かモダンなオブジェのようなものが置かれていた。
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 よ~く見ると構内移動のEVが停車しているところだった。もちろん無人運転のようだ。
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 これは北京の南隣り山東省の某大学に行った時の構内バス。同行者が呼んでくれた。形は旧型だがもちろんEVだ。
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 赤帽子の運転手はリタイアしたシニアの感じ。面白いのはQRコードがあちこちに張ってあって これでスマホ連絡するとお迎えに来てくれるそうだ。これは便利でもちろん無料。広大なキャンパスの中で移動手段の無い来訪者にとってはありがたい。ただし 学生はたいてい自転車か電動バイクを使っているようだ。
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 しばらくして目的の図書館前に到着した。バス停があるわけではない。
 中国のEVの隆盛は国策によるところが大きい。10年ほど前に「エンジン車では欧米日韓に追い付けないので その先をやる」という車産業の構造を転換した。加えて市民への直接的な政策もあった。例えば北京で車のライセンス(ナンバープレート)は以前は数百倍の抽選で規制していたが 最近は子供の数・仕事先・買う車がEVかなどでポイントで決めるので「実質的にEVでなければ車が買えない」ことになってしまった。ここまで徹底すると数年前のような北京の大気汚染が劇的に改善したのは確かだが「このような強烈な規制が良いのか悪いのかは難しい」ところだ。
 何れにしろ 現在の世界のEV市場は中国車とドイツ車に集約されてしまったといってよいだろう。日本の自動車メーカーはどう盛り返すのだろうか。



2023124(月)

中国の大学の醸造センター・博物館


中国の大学の醸造センター・博物館

 この前の北京訪問の時に友人が『自分の大学で作っている』というビールと白酒をお土産に持ってきてくれた。エンジンオイルに似た缶に『工大精粮』と書いてある。中身はドイツ風のおいしいビールだった。『なになに? 大学でビールを作ってる?』と驚き『これは行かずばなるまい』ということで 中国山東省の斉南(Jinan)市にある斉魯(Jilu)工業大学を訪ねた。
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 確かに生物工学院の付属で醸造研究所と博物館があった。発酵技術者の研修もやっているようだ。
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 『酒文化体験センター』の看板があった。山東省の青島では世界的に有名なビールが作られているので 省都の大学にこんな施設があるのは当然かも。
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 ドイルビール技術センターと言うことで 製造法やドイツやベルギーの代表的ビールが展示されていた。
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 一階の奥は工場スペースで 発酵・貯蔵タンクなどがあった。
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 蒸留工程や瓶詰工程もあった。ここで試験製造と実習が行われているようだ。
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 二階に上がるとフランス流ワインのサンプルが製造者(教授)の写真とともに展示されていた。
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 こちらはアイスワイン。この辺は冬は寒いので作れるのだろう。
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 こちらは蒸留酒で この地方の産は『國井』と言う銘柄らしい。確か空港の免税店でも見た気がする。
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 これが大学ブランドの醸造酒。色違いのものを2本持ち帰ったが 飲みやすいと言うものの強い酒に違いない。
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 二階に上がった時に気付いたのだが 展示室の椅子・テーブル・床にゴミが散らかっていた。前の晩のここで試飲会があった雰囲気だ。やはり文字通り『酒文化体験センター』なのだろう。

 帯広畜産大には日本酒の醸造蔵(碧雲蔵)があり有名だが この斉魯工大のほうがはるかに大規模だった。やや雑然感はあるが ここで研修すれば 今はやりの地ビールなどのマイクロ醸造所などに有効な気がした。十勝の大学にそのような試みがあってもいいと思う。



20231128(火)

久々の中国訪問を終え帰国


久々の中国訪問を終え帰国

 たった20日間だったが北京の仕事を終えて帰国した。
 北京首都空港は2008年の北京オリンピックに向けて作られたので 15年以上は経過したが 立派なものだ。
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 中国の建築はモダンなデザインだがすぐに痛みだすのが普通だが この建物は例外的に古さを感じない。メンテが良いのだろう。
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 久々に日本の飛行機を見ると何か感慨深い気持ちになってしまった。誰でも感じることなのかもしれないが 国外で万一のことがあった時に助けてくれるのは母国の飛行機なので。
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 全日空の機内食はエコノミークラスでもそれなりに気を配ったものが出ると思うが 今回はいまいちだった。北京で作ったものを載せたのだろうか。
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 成田に到着し接続便を待つ間に小腹がすいてきた。色々のぞいたが『寿司屋はずいぶん高そうだし ラーメンはもういいわ』と言う感じで結局『吉野家の牛丼カレー』を選択。日本の食べ物に飢えていたためか満足感があった。
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 札幌着は夜だったので 翌日に近くの北大の銀杏並木に行ってみたら もう葉っぱも落ちて寒々としていた。今の時期は北京よりも札幌のほうが寒い。北海道の一番の閑散期は11月と思う。



20231126(日)

北京の車事情(2) タクシーのEV化


北京の車事情(2) タクシーのEV化

 北京のタクシーは黄色と緑がおなじみだ。料金は公共交通の例にもれずかなり安く 日本の半分以下なのでどこに行くにも利用させてもらった。今回気付いた大きな変化は『乗ったタクシーのすべてがEVだった』ことだ。
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 アンドンの付いていないスマホ配車もたくさん走っていたこと。
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 室内は以前に比べて格段に良くなっていた。また EV車のためインパネは御覧のようにカラフルだ。加速も申し分なく乗り心地も非常にいい。

 今回はコロナ後初めての訪問で『スマホ決済がものすごく進んだはずなので』空港からタクシーを拾った時に現金が使えるかどうか心配した。幸い現金は使えたがお釣りが辛そうだったので いいヨと釣り無しにした。



20231125(土)

北京の車事情(1) EVの大躍進と日本車の後退


北京の車事情(1) EVの大躍進と日本車の後退

 今回の北京訪問の前に気になっていたのは電動自動車(EV)の普及の程度だった。6年前に大学構内のアパート横の駐車場で『日本車がどれぐらい売れているか』を調査した(所有者は平均的所得と推定)。今回は同じ駐車場で同数の約200台を調査した。メーカーは外見で簡単にわかるので調査はさほど難しくない。
 6年前からの変化は予想以上に大きく『日本車30%→20%』『ドイツ・米車40%→50%』『中国車10%→25%』だった。中身もだいぶ違い『現状でEV率は40%を超えていた』半数越えはもうすぐだ。欧米車は相変わらず多く かつEVが多い。一番変化したのが中国車で 高級化とすべてがEVだったことだ。日本車は減少だけではなく 強いトヨタですらランクルのようなRVでかつ古い車しかない(新車は売れていない)。
 上の写真は赤がテスラー 白は中国のEVだ。
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 EVの見分け方は簡単だ。フロントグリルが小さい・後ろにマフラーがない・インパネに広いモニターがある。
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 この駐車場には10台以上の充電設備があるので勤務時間内に充電を終えれる。もちろん各家庭でしている人も多いのだろう。
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 ちなみに中国の家庭用電源は200Vだ。
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 充電設備の詳細はわからないが スマホのキャッシュレスが驚くほどに発達しているので 支払いの問題はないのだろう。
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 ついでだが北京のバイクは100%電動だ。ハンドルの前はガウン状の風除けで 寒冷地の北京の冬対策だ。後部座席に子供を乗せているのをよく見るので ママチャリの代わりのようだ。

 少なくとも北京では車の電動化は徹底していて 新車はEVでなければ売れない状態のようだ。6年前に調査した時にこの電動化の流れは予感できたが 中国と欧米のメーカーはそれなりに対応したのに対して 日本のメーカーはそれが遅れてしまった。現在の日本産業の稼ぎ頭がこのような状況なのを見ると『日本は次に何を売って生きていくのか』と暗然とした思いになった。ここは頑張らねばならない。



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Elmtree
 もともとアウトドア大好き人間ですが 時間の制約から残念な思いをしてきました。2019年春に友人の協力を得て 十勝清水にMountain Cabinを自作するプロジェクトを始めました。若者を巻き込んで いつでもバトンタッチできる体制を心がけています。また近くの「遊び小屋コニファー」は アウトドアの大先輩としてリスペクトしています。なお 街・探検・文化については別ブログにしました。Elmtree2をご覧ください。

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