2020113(月)

モンゴル茶の歴史


モンゴル茶の歴史

 中国の内モンゴル自治区オルドス市(Ordos)のスポハン草原の宿泊施設(写真上)にモンゴルミルク茶の解説(中国語)があったので 知人に英訳してもらい それを日本語に抄訳しました。理解に役立てば幸いです。(based on English version of Note on Mongolian Milk Tea at Supohan Grassland, translated by Ms. L. Xue, July 16, 2019)
 栄養価:モンゴルミルク茶に使うレンガ茶(磚茶 磚はレンガの意味:写真左)は タンニン アミノ酸 香油 カフェイン ビタミンC D B等の栄養が豊富で 強心 利尿 造血 骨形成 血管強化の作用がある。これらの薬効の他 脂肪を溶かし消化を促進する。そのためレンガ茶はモンゴル人の生活には欠かせない。お茶を毎日飲むと 動悸 めまい 食欲不振 不眠が改善される。ジンギスハン時代のモンゴル兵士は行軍の際に必要以上の穀物は携帯せず レンガ茶で代用した。
 発展の歴史:理由は明確ではないが 歴史的にモンゴル人はレンガ茶を好んできた。清朝康熙時代(1700年前後)には 本土の商人がモンゴルに入り 毛皮などの特産品を 米麺 布 レンガ茶などと交換していた。少額の場合はレンガ茶で支払われた。またレンガ茶が高騰した時には 商人は利ザヤを稼ぐためにより辺地に入ったので商圏は拡大した。当時は羊とレンガ茶の交換も行われ 贈り物で羊の代りにレンガ茶を使う習慣が生まれた(写真右)。このように草原地域ではレンガ茶が通貨の代わりにもなったが その後は飲み物としての役目に戻り 現在に至っている。
 食文化:レンガ茶は遊牧民に不可欠で 塩味のミルク茶はモンゴル人の伝統的な飲み方である。遊牧地域では「1日にお茶3回と食事1回」と言われている。主婦が朝最初にする仕事は 家族がその日に飲むミルク茶を作ることである。モンゴル人は熱いお茶が好きで 朝は軽くチャーハンを食べながらお茶を飲み 残りはいつでも飲めるように暖めておく。夜は家族そろった晩餐で ミルク茶は朝 昼 晩の3回は必ず飲む。
 来客に対して モンゴル人は香り高いミルク茶で心からもてなす。が もしお茶が出なかったら 草原地域では最も失礼なことになる。






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 札幌在住ですが コロナ前には中国北京へ単身赴任が頻繁でした。面白い発見がたくさんあるので ご紹介します。この話題はElmtree (十勝ヒュッテプロジェクト)というブログに含めていたのですが 本題からあまりに離れることがあるので 「街・探検・文化」の別ブログとして発展的に分離しました。元のElmtreeもご覧頂ければ幸いです。

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