201716(金)

京都 東福寺


京都 東福寺

東福寺の方丈庭園、得に北斗七星や市松模様の庭は頻繁に目にする機会があって好きな庭だった。それを目の当たりにできる事になり純粋に心が踊った。作庭は昭和14年重森三玲による。
一言で言えばそのモダンなデザイン・発想が寺院庭園にいかにマッチングしているのかが知りたかった。

案内され、いきなり眼前に現れたのは
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本坊庭園「南庭」だ。
本坊庭園は方丈(相見[応接]の間)を囲むように四方に庭が配され、「南庭」「西庭」「北庭」「東庭」となっている。
いきなり南庭の枯山水を真横から見せられる。
薄っぺらな尖った立石も、細長い寝そべった巨大な石にも違和感を感じる。
これまで見て来た枯山水の石組みと違う。

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全景を見る。
この石組みの意味するところは後から知るが、なんか馴染めていない自分がいた事は憶えている。インパクトが大きすぎたのかなとも思う。

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重森三玲の作庭を見たのは初めて。
石組みは古代中国でいう仙人の住む4つの島を表現している。
寝かせた6m程の石も特徴的だが、立石の使い方もまた特徴的で色々な種類の石材を使い分けていた。
この力強い石使いが三玲の特徴のひとつになっているという。

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南庭の西側には苔で築山が築かれている。
京都五山を表現しているそうだ。
注目したのは築山の苔と白川砂の縁切りが方丈に対して斜めに直線的に仕切られているところ。この辺の斬新さは好きだな。デザインとして意図するところはわからないが、この環境で勇気がいるんじゃないかなと思った。

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本坊庭園「西庭」
「井田の庭」と名付けられた西庭は苔とサツキの市松模様の刈り込みで構成される。よく見ると市松の刈り込みの足元は方形の縁石により仕切られている。この市松も向かって右側(北側)に斜を切って配置されていて南庭に通じ意図的な意匠を感じる。また、市松は北庭へとつながる。
後に取り上げる東福寺開山堂(普門院)前庭の市松模様の砂紋に影響を受けたのではないかと伺わせる。

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本坊庭園「北庭」
「小市松の庭」と名付けられた庭園は美しい。大好きな庭のひとつだ。
規則正しい切り石と苔の市松模様が徐々に切り石の密度を粗にしてやがて消えて行くという表現手法になっている。釈迦の入滅までを表現していると後になって聞いたが、ベースに思想性があるという厚みは知らずに見ても感じ取れたとしても、予習をしてから観るのも良いと感じます。

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日本の伝統文様の市松を庭に映す事によりモダンで強烈なインパクトを与え観る人を引き込みます。

背景のサツキの刈り込みは、現況のような姿を想定して植えられたものか少し疑問に思いました。

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本坊庭園「東庭」
有名な「北斗七星の庭」
ここで使用されている円柱の石材、北庭の市松に使用されている切り石、西庭の市松の仕切りに使用されている縁石などはすべて東福寺の解体修理等で発生した廃材のリサイクルだという。禅寺の教えを作庭の条件に盛り込んでいたという。「一切の無駄をしない」という現在にも取り入れるべき理念を活かす工夫が参考となる。

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ワクワクする世界観。哲学が見え隠れし、芸術性に溢れていて重森三玲が終世の目標としたという「永遠のモダン」がここにあると確かに感じる事ができる。

今になって思えば、東庭から北庭、西庭と逆回りに見て行ったら南庭の印象も大きく変わったかも知れない。

今回の目的のひとつである開山堂に案内される。
途中通天橋を歩いている時に後ろを振り返るように促された。
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仏殿、方丈などの大屋根を望む。
この景観をつくるために樹木の間引きが行われたという。

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開山堂の西側は、開山円爾(聖一国師)が常住した方丈と伝えられる普門院があり、そこにある市松の砂紋で表現された枯山水庭園は江戸中期の作庭だという。素晴らしい。
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参道を挟んで池泉式の庭園もありますが、個人的にこの白川砂のみの空間に釘付けなのでありました。
とてもいい時間でした。

帰り際の臥雲橋から望む通天橋
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ここは紅葉の時期大変に混雑するようです。

今回、重森三玲の作庭に初めて触れさせていただき、最初期の作庭であるという事から、他の中期から晩年の庭にも機会があれば訪れてみたいと感じました。






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