2007年2月28日(水)
「土について考える」の心 その2
庭縁雑感×15
以前、林の中の土壌調査をさせてもらう機会がありました。どこも見るからに豊かな樹種構成で十勝を代表する植生が見られる場所でした。
(A)は上帯広の畑脇の残置林でハルニレなどの巨木が残りエゾモモンガが棲むやや湿性の林.
(B)は市内の段丘上のカシワなどが生える比較的乾いた林でやはりここにもエゾモモンガが棲んでいました。
(C)は新得町の山から近い河畔林につながる深い林で、ハルニレやイヌエンジュなどが生え樹種構成的には一番豊な箇所で、下を流れる川にはオショロコマがいました。
3箇所共、落ち葉が堆積して踏み入るとフカフカな林床で分解されていない落ち葉の厚さは3~6cm程度です。
その下が腐葉土と呼ばれ栄養分を多く含み同時に空気や水分が保持できるように適度な空隙を持った土壌で厚さは思いの外薄く20~30cm 程度でした。
その下は場所によって様々ですが、十勝平野は古くから十勝岳や樽前山の噴火の影響を受けていますので火山灰層が挟まっていたりして年代が想定できたりして楽しいものです。
また、(A)は河川氾濫の影響があったようで砂の層も見受けられました。
掘り進むと心土とよばれる固い層に当たりますが、(A)は粘土でそこまでの深さは50~70cm.(B)は砂利でそこまでの深さは60~90cm.(C)も砂利でそこまでの深さは50~60cmでした。
さて、ここからが本題です。
知りたいのは、木の根はどの深さまで伸びているのか?そしてその部分の土壌にはどれくらいの栄養分が含まれているのか?です。
[答え]樹木の根の深さは地表から50cn以内。深くても60cm程度であった。周辺に生えてたハルニレの高さは18m程度でカシワは15m程度です。(以前札内川下流でハルニレの高さ10~13mの木を数本移植した事がありますが、礫質土壌だったこともあり根の厚さは20~30cm程度と驚きの薄さでした。)
そして栄養分ですが、3箇所共土壌の化学分析を行いましたが、植栽に適した土壌の役所の基準となる数値を栄養素の部分の多くの項目で下回ったのです。私は軽く上回るものだと思ってました。見た目は最高の土ですから。何よりもそれは周辺の十勝を代表する林相が健全に成育している様を見れば明らかです。
[結論]植栽をする場合の有効土壌厚は50cmから多くても60cmあれば良いと考えられる。ただし、その下の透水性などは植栽する樹種、あるいは目的とする植生で考慮する事が望ましい。
その土壌は黒土単一では無く通気性・保水性を確保できるように改良して将来的に締め固まらないようにする。(具体的な土壌についてはまたの機会に)表層はマルチングをして植生基盤の環境安定を図る。在来の草本類の植生が再現できればベスト。
[注意!]植栽基盤となる土壌は面的なつながりを大切にするほうが深さよりも重要であるということ。
十勝はその土壌の成り立ちから、薄く広く根を張る樹種がその大半を占めるという事。根が浅いと強風などにより影響を受けやすいので、成長に伴いしっかりとした根が張れるスペースの確保が重要と言える。
また、植樹の間隔にしても、狭すぎると十分に根が張れないので将来的な樹形などを考慮して決めたほうが良い。
自然樹形で育てるならば10mは必要(高木の場合)。
[思い]できれば樹木は苗木で植えるほうがその土地の環境に馴染みますのでお勧めです。街路樹や公園樹も同じなんですが。枯木が目立ちます。成長を見守る「スロウ」な心持ちでいきたいものです。
何よりもここ十勝は、見本となる自然がすぐそこにあります。
自然はすべてが理にかなっています。草木、コケ、枯れ木や昆虫にいたるまで無駄な物はなにひとつありません。
普段の生活の中においても参考となるべきものがほとんど含まれていると私は考えています。
もっともっと学ばねばと思います。
※ここに書かれたものは3箇所16地点の調査結果とこれまでの経験に基づいたものですので、すべてのケースにあてはまらない場合がある事をご了承下さい。
(A)は上帯広の畑脇の残置林でハルニレなどの巨木が残りエゾモモンガが棲むやや湿性の林.
(B)は市内の段丘上のカシワなどが生える比較的乾いた林でやはりここにもエゾモモンガが棲んでいました。
(C)は新得町の山から近い河畔林につながる深い林で、ハルニレやイヌエンジュなどが生え樹種構成的には一番豊な箇所で、下を流れる川にはオショロコマがいました。
その下が腐葉土と呼ばれ栄養分を多く含み同時に空気や水分が保持できるように適度な空隙を持った土壌で厚さは思いの外薄く20~30cm 程度でした。
その下は場所によって様々ですが、十勝平野は古くから十勝岳や樽前山の噴火の影響を受けていますので火山灰層が挟まっていたりして年代が想定できたりして楽しいものです。
また、(A)は河川氾濫の影響があったようで砂の層も見受けられました。
掘り進むと心土とよばれる固い層に当たりますが、(A)は粘土でそこまでの深さは50~70cm.(B)は砂利でそこまでの深さは60~90cm.(C)も砂利でそこまでの深さは50~60cmでした。
さて、ここからが本題です。
知りたいのは、木の根はどの深さまで伸びているのか?そしてその部分の土壌にはどれくらいの栄養分が含まれているのか?です。
[答え]樹木の根の深さは地表から50cn以内。深くても60cm程度であった。周辺に生えてたハルニレの高さは18m程度でカシワは15m程度です。(以前札内川下流でハルニレの高さ10~13mの木を数本移植した事がありますが、礫質土壌だったこともあり根の厚さは20~30cm程度と驚きの薄さでした。)
そして栄養分ですが、3箇所共土壌の化学分析を行いましたが、植栽に適した土壌の役所の基準となる数値を栄養素の部分の多くの項目で下回ったのです。私は軽く上回るものだと思ってました。見た目は最高の土ですから。何よりもそれは周辺の十勝を代表する林相が健全に成育している様を見れば明らかです。
[結論]植栽をする場合の有効土壌厚は50cmから多くても60cmあれば良いと考えられる。ただし、その下の透水性などは植栽する樹種、あるいは目的とする植生で考慮する事が望ましい。
その土壌は黒土単一では無く通気性・保水性を確保できるように改良して将来的に締め固まらないようにする。(具体的な土壌についてはまたの機会に)表層はマルチングをして植生基盤の環境安定を図る。在来の草本類の植生が再現できればベスト。
[注意!]植栽基盤となる土壌は面的なつながりを大切にするほうが深さよりも重要であるということ。
十勝はその土壌の成り立ちから、薄く広く根を張る樹種がその大半を占めるという事。根が浅いと強風などにより影響を受けやすいので、成長に伴いしっかりとした根が張れるスペースの確保が重要と言える。
また、植樹の間隔にしても、狭すぎると十分に根が張れないので将来的な樹形などを考慮して決めたほうが良い。
自然樹形で育てるならば10mは必要(高木の場合)。
[思い]できれば樹木は苗木で植えるほうがその土地の環境に馴染みますのでお勧めです。街路樹や公園樹も同じなんですが。枯木が目立ちます。成長を見守る「スロウ」な心持ちでいきたいものです。
何よりもここ十勝は、見本となる自然がすぐそこにあります。
自然はすべてが理にかなっています。草木、コケ、枯れ木や昆虫にいたるまで無駄な物はなにひとつありません。
普段の生活の中においても参考となるべきものがほとんど含まれていると私は考えています。
もっともっと学ばねばと思います。
※ここに書かれたものは3箇所16地点の調査結果とこれまでの経験に基づいたものですので、すべてのケースにあてはまらない場合がある事をご了承下さい。
コメント(0件) | コメント欄はユーザー登録者のみに公開されます |
コメント欄はユーザー登録者のみに公開されています
ユーザー登録すると?
- ユーザーさんをお気に入りに登録してマイページからチェックしたり、ブログが投稿された時にメールで通知を受けられます。
- 自分のコメントの次に追加でコメントが入った際に、メールで通知を受けることも出来ます。