20121123(金)

息子を画家に導いた母。。。絵空事


息子を画家に導いた母。。。絵空事

どんなに急いでも
どんなに準備をしていても

肝心な時
大切な時

遅刻したり
忘れ物したり

これはうっかり八平も真っ青な自分への言い訳では
決してないつもり…(^。^;)です

どう頑張ってもタイミングが合わない時

不思議なことが起こる

大きいことでは九死に一生だったこともあるし
生涯忘れられない人に出会ったこともある
だからそんな時は
天国のお父さん?お婆ちゃん?
はたまた神の成せる業か…

「とんでもねぇわしゃ神様だぁ~っ」
し、志村…( ̄ェ ̄;) ?

何かがタイミングを合わせてくれてるんだ
そして得体の知れぬ何者かに
心の中で手を合わせています。

歩いている時に
くしゃみが出たら
暫く歩みを止める私です

もし江戸時代に生きていて
町娘だったら
下駄の鼻緒が切れてしまった時
金さんがやってくるのを
ひたすら待ち続けていた事でしょう

なかなかの信心深い娘です

待ち合わせして
遅くなったら
「あぁ金さん待ってるんだなぁ」
って思ってどうぞお許しを…

゜・゜*・(゜O゜(☆○=(`◇´*)o思えるかぁーーっ!




さて、そんな訳で
富良野から片道40分も掛かる
「吹き上げ温泉白銀荘」に忘れ物をした私
明くる日、予定が狂うと
旦那さんに散々アホアホ攻められながら
長い道のりの往復を済ませました。

大いに狂ったその日の予定のメイン
「富良野風景美術館」外部リンクに向かいました。

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旧奈江小学校だった奥田修一先生のアトリエ

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可愛い呼び出しベル

奥田先生はよく宮沢賢治先生に似ている
と言われる事があるそうですが
こんなふうにご自身が留守の時の
来客への心配りもよく似ておられます。

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しかしご本人は賢治先生の伝記などは全くご存じないとの事
自然を愛する気持ちや志が似ていると
雰囲気も似通ってくるのでしょうか不思議です。

受付では外国人の奥さまが片言の日本語と
優しい眼差しで迎えて下さいます。

学校は休み勝ちでしたが
古い校舎の雰囲気は大好きです

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館内は静かに賛美歌が流れています

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いつものように一枚一枚
初期の作品から
ゆっくり観ていました

と、そこへ

「やぁ、久しぶりですね」

少し日焼けした奥田先生が現れました。

「今日はたまたま外で作業をしていました」


志村 神に深く感謝した私です(*_ _)人


いつもはデッサンで飛び回っておられる先生
前回お逢い出来たのは数年前でした

先生は「お茶でもどうですか?」
と、カフェへと。。。

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「ボクが入れたのでは怪しいですが…」
照れ笑いしながら慣れない手つきで
紅茶を入れて下さいました。

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こちらのケーキはふらのデリスさんとのコラボ商品
まったりと濃厚なチーズケーキ
ほろ苦いチョコケーキも絶品で珈琲に良く合います
風景館専用のパッケージでテイクアウトも出来ますよ。

ケーキもオススメですが
ラベルが先生の絵になっている素敵なワイン(白)
フルーティで飲みやすくこれは女性に超オススメです♪

ついつい食べ物の話になってしまいました( ̄∇ ̄*)ゞ


カフェから見える中庭には
ギンドロの樹がその美しい白銀の葉を
ザワザワチラチラ揺らしています。

お茶とケーキを頂きながら
先生とお話…

たまたま私が描いた絵の写真ファイルを
持っていたので無謀にも先生に観て頂きました。

いいねぇ…この瞳、生きているみたいだ…
これはどっちが先生だか解らないよ


ギンドロの樹に登ってブヒッと
鳴きたいくらい嬉しいお褒めを頂きました♪

その樹の根元に目を移すと
マリアさま。。。

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先生はクリスチャンではなく
神は持っておられません

なぜ賛美歌が流れマリアさまが…


先生は詩人になるか画家になるか
ずっと長い間迷われていた時期がありました

そんな時、余命の少ない病で
お母様が入院されていた病院が
カトリック系だったそうです。

入院患者さんやその親族も
ミサに参加出来るようになっていました。

神を知らぬ子が吾ための礼拝に
身を整えて病室を出る


先生のお母さまの詩

重い患者さんの所へは若い先生が出向いて
聖書のお話や賛美歌を唄ってくれるそうです

片腕はまだ動くよと母は言い
吾が肩揉めり揉めにまかせぬ


息子の詩

闘病の末ついにお別れの時が来ました
慎ましい暮らしの中で
優しく辛抱強い母
やせ我慢ばかりしていた母
最後まで泣き言をこぼすことなく
静かに…

母の亡骸を横に
描くことしか出来なかった息子

息止みし己が顔を描かせては
母はその子を絵描きとなしぬ


人生に迷っていた我が子に
贈った母の想い
静かで強い最後の思い

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一人の画家が生まれました

賛美歌が流れている理由
お母さまへ捧げるレクイエム
そんなふうに感じました


奥田先生の著書「絵空事」より

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悲しく弱い人間であれ
思い患い悩み悶える人であれ
それらは貴方の絵を芸術にまで昇華する
才能であると言って良い。
その痛みを伴った才能こそ、
悲しみ思い患い悩み苦しむ人々の
本当の意味で芸術を必要とする人々の
心に届く作品を生む力に成り得る。
心を正座して仕事しなさい。

一つの作品をその方の想いを胸に
描かせていただくのが作品の主である私にとって
静かに深く染み入る言葉…
熱い想いが沸々と全身に行渡る言霊でもあります。

絵だけではなく
人生に通ずる言葉でもあると思います。

長くなってしまいましたが
最後にもう一つ先生の詩を紹介させて頂いて
終わりにしようと思います。

袋詰めなす母の
ホチキスの音かと目覚めれば雨垂れの音


とても好きな詩です


心を正座して描かれた奥田修一先生の絵を
ゆったりとした時間が行き交う古い校舎の中で
過ごされて見ては如何でしょうか

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オリジナルブレンド珈琲を買いました


長文にお付き合い頂き
ありがとうございましたm(_ _)m
皆さま楽しい週末をお過ごし下さいね♪

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