2006115(日)

狩勝峠(山田範長著)

狩勝峠(山田範長著)

 昨年STVラジオ「北海道100年物語」で紹介された山田範三郎とその妻タヨらを描いたノンフィクション小説を、友人が「ぜひ読め」と貸してくれました。

 山田範三郎が孤児8人を連れて本町下佐幌に入植し、北海道の福祉事業の原点ともいうべき「北星園」を運営した物語ですが、淡々と、時には笑い話のようにつづられるエピソードから開拓時代の苦労のすさまじさが伝わってきます。

 下佐幌が高台で水はけが悪く、また狩勝からの冷風を受ける厳しい条件にあったことから、北星園は経済基盤の安定を求めて帯広に移転してしまいます。その低温冷害の地を肥沃な農地にし、今日の安定した農業の基盤を築くために積み重ねられた先人の努力は計り知れません。

 一方、山田範三郎が病に倒れると同時に北星園が終焉に向かうさまは、良くも悪くも福祉事業がマンパワーに支えられていることを教えてくれます。

 声を上げて笑ってしまうエピソードもありますが、とてもハッピーエンドとはいえず、読後の爽快感もありません。

 でも、「ぜひ読んでみて」と勧めたい一冊です。










 コメント(2件)コメント欄はユーザー登録者のみに公開されます 
コメント欄はユーザー登録者のみに公開されています

ユーザー登録すると?
  • ユーザーさんをお気に入りに登録してマイページからチェックしたり、ブログが投稿された時にメールで通知を受けられます。
  • 自分のコメントの次に追加でコメントが入った際に、メールで通知を受けることも出来ます。






 ABOUT
橋本てるあき
橋本牧場(酪農)場主

性別
年齢50代
エリア清水町
属性個人
 カウンター
2005-11-29から
264,888hit
今日:30
昨日:21


戻る