20081117(月)

放牧畜産基準認証委員会・酪農作業部会


放牧畜産基準認証委員会・酪農作業部会

 先日、日本草地畜産種子協会の会議に出るため、東京に行ってきました。

 放牧畜産基準をクリアーした牧場で生産された生乳を原料とした牛乳・乳製品の認証について、生産現場からの意見を述べるというのが私の役割です。

 しかし、現場の立場から考えると、放牧畜産基準そのものにもいくつかの問題があり、それらについても指摘させていただきました。

(1)放牧基準を満たした牧場から生産された牛乳である「放牧酪農牛乳」と、放牧基準を満たした牧場で放牧期間中に生産された牛乳である「放牧牛乳」の2種類を認証することは紛らわしく、消費者を混乱させないか。

(2)放牧畜産基準の核心である牛1頭あたりの放牧地面積について、季節による草地の生産性の変化が考慮されておらず、放牧の実態が反映されていない。

(3)放牧畜産基準では冬期間も運動や日光浴を必須としているが、冬のパドックでの飼養が家畜福祉につながるか疑問。除糞の問題も残る。さらにこれをクリアしないと、夏場の放牧牛乳も認証されないのでは何のための認証かわからない。

(4)放牧期間を「放牧開始後10日目から放牧終了まで」としているが、放牧開始や終了は牧場経営者の判断でさまざまであり、放牧牛乳の認証はそれとは別に定める必要があるのではないか。

 「放牧を普及させようという気持ちはメンバー皆が共有している。とにかく議論ばかりしていても始まらないので前進させよう」という座長の言葉で会議はまとめられました。

 が、認証基準をつくるということは、認証される牧場とされない牧場を分けるということでもあります。認証基準が科学的で納得できるものでなければいけないという思いで発言させていただいたことが、この後少しでも反映されればと願っています。

 






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橋本てるあき
橋本牧場(酪農)場主

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