20091224(木)

おしおきするだけでは済まない議会の役割


 町の公共料金の見直しの中で、体育館や文化センターの利用料を値上げすることについて、議長を除く議員全員で作った特別委員会で否決していながら、本会議では特別委員会の委員長が賛成したほか、反対した議員のうち2人が賛成に転じて一転可決したことについて、新聞に批判的な囲み記事が載り、町民からも疑問の声が上がっています。

 議案がそのままなのに、町長が「説明不足があった」と陳謝したり、「問題点は早急に見直したい」との説明を信じて賛成に転じたことは、確かに議員の信念を疑われても仕方ありません。

 しかし、昨年の今ごろまで議員を務めさせていただいていて、議会の雰囲気を知っている立場としては、それほど驚くべき事態ではありません。もちろん異常だとは思いますが。

 問題は、議案を否決することに対して、町長側ばかりでなく、議会側にも「あってはならないこと」という認識があることです。

 昨年の3月議会で、町の奨学金の条例を廃止する案と、新規就農者に対する助成金を半減する案の2件について否決した時も、そのあとの懇親会では、議長や議員会長のあいさつに「残念ながら全て原案可決というわけにはいきませんでしたが」というくだりがありました。

 今回のことでいえば、特別委員会で否決したことで、「これで執行側も慎重に検討するだろう」、「議会としては一定の役割を果たした」という気分が生じたとしても不思議はありません。

 しかし、地方分権が進んでいく中で大事なことは、町への権限委譲の数を増やすことなどよりも、議会が町民の代表としてちゃんと機能して、自分たちの町のことを自分たちで決められるかどうかだと、私は思います。

 清水町の体育館や文化センターの利用料がいくらなら適正かは、清水町民でなければ決められません。国の基準があるわけでなし、他の町を見ても歴史や文化、財政事情が異なります。 

 町長におしおきしたように見えても、実はメンツを保たせただけ。責任を町長に押し付けただけです。







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橋本てるあき
橋本牧場(酪農)場主

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