2010523(日)

見えない敵との戦いは科学的・合理的に、冷たいと言われても


見えない敵との戦いは科学的・合理的に、冷たいと言われても

 久しぶりの更新になります。春作業で忙しかったこともありますが、それ以上に、宮崎の口蹄疫問題に対する複雑な気持ちがあります。

 飼っている家畜がいつ感染するかという恐怖。飼っている家畜を殺処分しなければならない事に対するやりきれなさ。

 想像するだけでは命の重さは理解できないかもしれません。失わなければ。私は、かつての牛舎火災で助けられなかった5頭の牛たちが、炎に包まれた牛舎の中で吠えていた声を今でも忘れることができません。

 今、宮崎の畜産家の目の前は真っ暗だろうと思います。そして、真っ暗な中でいつ来るかわからない夜明けに向かって戦い続けていることと思います。

 それは私たちにとっても他人ごとではありません。同じ家畜を飼うものとしてその心情は痛いほどわかります。そして、目に見えないウイルスという敵と戦う不安を共有するものとしても。すでにウイルスは全国に拡散しているかもしれません。

 治療法のない口蹄疫を終結させるには、ウイルスの封じ込めしかなく、火事でいえば、延焼を防ぐためにまわりの家を壊すような手段しかありません。感染した地域は一時的に「捨てられた」状態になってしまいます。

 ひどい方法ですが、感情で判断を誤らせることなく、科学的かつ合理的な方法を迅速に実行するしかないと思います。ウイルスを相手にしては。

 「牛がかわいそう」、「種牛は宝」。どれもよくわかりますが、ウイルスにとっては何の価値もないことです。

 政府はワクチン投与・殺処分と経営再建補償をリンクさせてはいけないと思います。対応の遅れは命取りです。

 まず、口蹄疫を終結させる。あとのことは全部そのあとでいいではないですか。






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橋本てるあき
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