20101011(月)

8頭の酪農とサプリメント放牧


8頭の酪農とサプリメント放牧

 西十勝放牧研究会2010秋のピクニックを新得町で開催しました。久々のフィールド研修ということもあり、44人もの参加者がありました。

 まず見学したのは、8頭の牛を飼育する深江牧場。新規就農1年半です。

 「私も小頭数の酪農に興味がある」、「酪農の原点に返って考えることができて新鮮だった」、「全量チーズを作って売ることができれば小頭数でも成立するのではないか」など、大きな関心が寄せられました。

 節約に気を使って手作りで牧場づくりを進めている最中ですが、思わぬ経費が掛かってなかなか当初の思惑通りにはいかないようです。

 最初から思い通りにいくなどということはそうないでしょう。特に放牧はやってみないとわからないことも多いと思います。

 オーナーは、所有する草地の面積が3.4haしかないことで、「面積が小さい、面積が足りない」と言っていますが、草が最も早く再生する時期には、8頭の牛なら放牧地1.5haもあれば十分すぎるくらいです。

 草の伸び方が一年を通じて大きく変化することを把握することが何より大事です。そこに、単なる節約ではなくて、経費を削減する方法が見いだせると思います。

 次に見学したのは、TMRと放牧の併用で好成績を出している新規就農の酪農家、西尾牧場です。

 放牧地は、食べきれずにオーチャードグラスが伸びて株化しており、オーナーは「見せたくなかった草地ですけど」と言っていましたが、これは、たぶん、草地の問題というよりも草地利用の問題です。

   
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 TMRを食べて満足した牛たちが、さらに放牧地で必死になって草をむしるなどということはないでしょいう。

 草のおいしいところだけをつまみ食いしたり、TMRで足りないものを補うために草地に出るというのが実態でしょう。草地を歩いたり、寝たりしていることが健康増進につながっていることも大きいと思います。

 プラスアルファの放牧、あるいは、サプリメントとしての放牧草ととらえていいと思います。35kg(乳量)設定のTMRで、それ以上の乳生産を上げている秘密は、そこにあります。

 放牧地の高度利用に徹して利益につなげるのか、放牧を利用して生産を上積みすることで利益を上げるのか、それは牧場ごとの置かれた条件や目指す方向によって自由に決めていいのではないでしょうか。






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橋本てるあき
橋本牧場(酪農)場主

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エリア清水町
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