2012年2月17日(金)
放牧に適した牛群改良
放牧・酪農・農業×84
1月12日、西十勝放牧研究会1月例会に合わせて、日本ホルスタイン登録協会主催の放牧推進研修会がJA十勝清水町の会議室で開催されました。
毎年約100kgの乳量増(遺伝評価値)を進めてきたホル協が、なぜ一般的には乳量水準が低い放牧を推進するのか疑問に思う方も多いと思います。しかし、関係機関などでは、世界的な飼料高騰に対処するため、輸入濃厚飼料主体から粗飼料基盤に立脚した乳牛飼養管理に転換を図ることが重要課題となっているのです。
これまでは1頭当たりの乳量を上げることで生産コストの低減を図ってきたため、放牧や粗飼料主体の経営はマイナー的存在でした。今後は、放牧主体などの濃厚飼料多給に依存しない粗飼料主体の飼養管理への転換を急ぎ、その経営の安定を図るため、飼養管理技術とともに乳牛改良の面でも関係機関のバックアップが強化されることになります。
ホル協は、濃厚飼料多給に依存しない飼養管理方式を推進するため、放牧に適した乳牛改良体制の構築を図る必要があるとしていますが、具体策として決定打といえるものはなさそうです。
まず、放牧主体の酪農経営について、飼養管理、血統、体型などの実態調査を行い、そこで求められている形質を明らかにし、放牧に適した牛群づくりのための交配システムを開発したとしています。
体型で放牧酪農家の牛群の特徴は、肢蹄の良さと乳房の浅さでした。そして、この2つは放牧酪農家が求めている形質でもあります。さらに、放牧酪農家が望んでいる放牧期間中の乳脂率の低下防止を加えた3つの形質を備えた牛群が放牧に適したものということとするとのことです。
乳用牛群改良交配システムは、酪農家が望む形質と、雌牛の血統、能力・体型データを入力し、主にNTP上位40位以内の種牛の中から検索・選定するものです。
要するに、NTP上位40位以内の種牛の中から、肢蹄がよくて乳房が浅く、乳脂率の高いもので近交系数の低いものを見つけ出すというものです。
実際には、NTP上位40位までの種牛で乳脂率を上げるものはそういませんし、そういう種牛は乳量増の評価値は高くないので、濃厚飼料多給でなくても飼えるのではないかということでした。
しかし、こういう方法で、本当に放牧に適した、粗飼料の利用性が高い牛群ができるのだろうかという疑問は残ります。
濃厚飼料多給飼養の下で採られたデータによって選抜された種牛の中から、濃厚飼料多給に依存しない牛群づくりのための種牛を検索することには多少無理があると感じます。
乳量の評価値が低い牛を選ぶことが放牧に向いた牛を作ることになることにならないはずです。それだと改良することの必要性にすら疑問がわいてきます。特に最近は、繁殖成績を犠牲にして乳量を追求しているとの思いが酪農家の中でくすぶっています。
粗飼料の利用性が高い牛とは、濃厚飼料多給下であまり乳の出ない牛ではなくて、粗飼料主体の飼養下で乳の出る牛であるべきです。ニュージーランドからの精液輸入が求められ、行われるようになったのも、そこにあると思います。
毎年約100kgの乳量増(遺伝評価値)を進めてきたホル協が、なぜ一般的には乳量水準が低い放牧を推進するのか疑問に思う方も多いと思います。しかし、関係機関などでは、世界的な飼料高騰に対処するため、輸入濃厚飼料主体から粗飼料基盤に立脚した乳牛飼養管理に転換を図ることが重要課題となっているのです。
これまでは1頭当たりの乳量を上げることで生産コストの低減を図ってきたため、放牧や粗飼料主体の経営はマイナー的存在でした。今後は、放牧主体などの濃厚飼料多給に依存しない粗飼料主体の飼養管理への転換を急ぎ、その経営の安定を図るため、飼養管理技術とともに乳牛改良の面でも関係機関のバックアップが強化されることになります。
ホル協は、濃厚飼料多給に依存しない飼養管理方式を推進するため、放牧に適した乳牛改良体制の構築を図る必要があるとしていますが、具体策として決定打といえるものはなさそうです。
まず、放牧主体の酪農経営について、飼養管理、血統、体型などの実態調査を行い、そこで求められている形質を明らかにし、放牧に適した牛群づくりのための交配システムを開発したとしています。
体型で放牧酪農家の牛群の特徴は、肢蹄の良さと乳房の浅さでした。そして、この2つは放牧酪農家が求めている形質でもあります。さらに、放牧酪農家が望んでいる放牧期間中の乳脂率の低下防止を加えた3つの形質を備えた牛群が放牧に適したものということとするとのことです。
乳用牛群改良交配システムは、酪農家が望む形質と、雌牛の血統、能力・体型データを入力し、主にNTP上位40位以内の種牛の中から検索・選定するものです。
要するに、NTP上位40位以内の種牛の中から、肢蹄がよくて乳房が浅く、乳脂率の高いもので近交系数の低いものを見つけ出すというものです。
実際には、NTP上位40位までの種牛で乳脂率を上げるものはそういませんし、そういう種牛は乳量増の評価値は高くないので、濃厚飼料多給でなくても飼えるのではないかということでした。
しかし、こういう方法で、本当に放牧に適した、粗飼料の利用性が高い牛群ができるのだろうかという疑問は残ります。
濃厚飼料多給飼養の下で採られたデータによって選抜された種牛の中から、濃厚飼料多給に依存しない牛群づくりのための種牛を検索することには多少無理があると感じます。
乳量の評価値が低い牛を選ぶことが放牧に向いた牛を作ることになることにならないはずです。それだと改良することの必要性にすら疑問がわいてきます。特に最近は、繁殖成績を犠牲にして乳量を追求しているとの思いが酪農家の中でくすぶっています。
粗飼料の利用性が高い牛とは、濃厚飼料多給下であまり乳の出ない牛ではなくて、粗飼料主体の飼養下で乳の出る牛であるべきです。ニュージーランドからの精液輸入が求められ、行われるようになったのも、そこにあると思います。
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