2013年9月25日(水)
新規就農は甘くないが、なくてはならない
放牧・酪農・農業×84
第4回新規就農情報交換交流会「清水に集まれ!」、熱気に包まれて開催できました。そして、時代の変化とともに新たな課題も見えてきました。
7月13日(土)は、暑い日でした。当初、曇り時々雨の予報で心配しましたが、参加者の心がけが良かったようです。
59名の参加者は、新規就農(参入)を目指して研修中の牧場従業員、酪農ヘルパー、学生などの熱い若者たちと、すでに就農を果たしている先輩酪農家、試験場職員、大学教員、自治体職員、農水省職員、その他おせっかいやきの厚い人々など。
まずは、新規参入で平成17年に就農した芽室町の皆川牧場を視察しました。ペレニアルライグラス草地に放牧しながら、9,000kgの個体乳量、乳脂率3.9%、無脂固形8.8%、分娩間隔409日、平均産次数3.6を実現していることなどの説明を受け、参加者は熱心に質問していました。
芽室町での1年間の実習や、その後の6年間のヘルパーとしての実績があったことが、地域の人たちの支援を得て、就農に結び付いたという体験談は、新規参入希望者にとっては貴重であったと思います。
牧場視察の後は、「新参入希望者の希望と不安」と題して、帯広畜産大学の瀬尾先生に講演していただき、ディスカッションを行いました。
新規参入希望者へのアンケートの結果、思い描く酪農像としては、「低投入」「生活にゆとり」「家畜福祉」を望み、「高泌乳」「大規模」を望まない傾向がはっきりと見られ、これが、受入側、特に農協の方針と合わないのが現実です。
低投入の酪農で生活にゆとりが持てるような経営が、就農初代で実現できるほど現実は甘くはありません。物の豊かな環境で育った彼らに、お金がなくてもゆとりのある生活が送れる開き直りがあるかどうかも不明です。
それでも、新規参入就農者はなくてはならない存在だと思います。
それは、彼らがどんな酪農をやりたいかを明確にイメージしており、もうかりさえすればどんな方法でもよいとは思っていないからです。牛の健康や環境に配慮した持続可能な経営を目指す志の高さは大いに評価すべきと思います。
酪農の現状は、投資の回収のため規模拡大を繰り返す「ゴールなき規模拡大」が顕著であり、循環型の持続的な酪農とは全く別の方向へ走っているようにしか思えません。
新規就農者は酪農業界の希望であり、地域の酪農家にとっての刺激です。
思い描く酪農像の実現のため、傾斜が多いとか圃場が四角でないとかで、放牧以外に土地を有効に利用する手立てがないような場所を地道に探すか、思い切って農地の安い道北に土地を求めるのも一つの解決法でしょう。牛がいなければ生産が上がらないような土地で営農することこそ酪農の醍醐味でしょう。
農地や空き牧場のきめ細かな情報が、その場所での就農に最適な担い手に届くように機能するネットワークづくりを急がなければなりません。
7月13日(土)は、暑い日でした。当初、曇り時々雨の予報で心配しましたが、参加者の心がけが良かったようです。
59名の参加者は、新規就農(参入)を目指して研修中の牧場従業員、酪農ヘルパー、学生などの熱い若者たちと、すでに就農を果たしている先輩酪農家、試験場職員、大学教員、自治体職員、農水省職員、その他おせっかいやきの厚い人々など。
まずは、新規参入で平成17年に就農した芽室町の皆川牧場を視察しました。ペレニアルライグラス草地に放牧しながら、9,000kgの個体乳量、乳脂率3.9%、無脂固形8.8%、分娩間隔409日、平均産次数3.6を実現していることなどの説明を受け、参加者は熱心に質問していました。
芽室町での1年間の実習や、その後の6年間のヘルパーとしての実績があったことが、地域の人たちの支援を得て、就農に結び付いたという体験談は、新規参入希望者にとっては貴重であったと思います。
牧場視察の後は、「新参入希望者の希望と不安」と題して、帯広畜産大学の瀬尾先生に講演していただき、ディスカッションを行いました。
新規参入希望者へのアンケートの結果、思い描く酪農像としては、「低投入」「生活にゆとり」「家畜福祉」を望み、「高泌乳」「大規模」を望まない傾向がはっきりと見られ、これが、受入側、特に農協の方針と合わないのが現実です。
低投入の酪農で生活にゆとりが持てるような経営が、就農初代で実現できるほど現実は甘くはありません。物の豊かな環境で育った彼らに、お金がなくてもゆとりのある生活が送れる開き直りがあるかどうかも不明です。
それでも、新規参入就農者はなくてはならない存在だと思います。
それは、彼らがどんな酪農をやりたいかを明確にイメージしており、もうかりさえすればどんな方法でもよいとは思っていないからです。牛の健康や環境に配慮した持続可能な経営を目指す志の高さは大いに評価すべきと思います。
酪農の現状は、投資の回収のため規模拡大を繰り返す「ゴールなき規模拡大」が顕著であり、循環型の持続的な酪農とは全く別の方向へ走っているようにしか思えません。
新規就農者は酪農業界の希望であり、地域の酪農家にとっての刺激です。
思い描く酪農像の実現のため、傾斜が多いとか圃場が四角でないとかで、放牧以外に土地を有効に利用する手立てがないような場所を地道に探すか、思い切って農地の安い道北に土地を求めるのも一つの解決法でしょう。牛がいなければ生産が上がらないような土地で営農することこそ酪農の醍醐味でしょう。
農地や空き牧場のきめ細かな情報が、その場所での就農に最適な担い手に届くように機能するネットワークづくりを急がなければなりません。
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