2006911(月)

音楽は人間性だと実感した日

音楽は人間性だと実感した日

 下野昇テノールリサイタル終了後の懇親会での下野氏(左)と特別出演の近藤尚己氏(清水町御影出身、イタリアにて修行中)。

 文化センター録音機器の針が振り切れてしまうほどの声量と表情豊かな表現力、サービス精神にあふれた構成でどんどん観客を引き込んでいった下野氏。とても古希とは思えないパワフルさと年輪を重ねなければ表現できない奥深さ。それが高い次元で両立しているからこそ、感動のステージになったのだと思う。

 私のような音痴でもなぜか聴いていて涙が出そうになった。見ると周りにいるけっこうな数の人々がやはりハンカチを取り出している。年配の方なら歌詞に自らの人生を重ねたということもあるかもしれないが、どうもそれだけではないように思う。音楽には脳を揺さぶる何かがあるのではないかと感じる。

 懇親会での下野氏の言葉も印象的だった。
 「音楽を長く続けていくには人間性が大事だと恩師に教わった。若い頃はうまければいいじゃないかと思っていたが、ある時その恩師の言葉の意味がわかった」。

 思い出すのは、昨年暮れの清水町第九演奏会前夜祭での高橋亮仁先生の言葉。
 「明日は、単なるコーラスではなく、人間性が結集してひとつになり、すばらしいものになる」。

 






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橋本てるあき
橋本牧場(酪農)場主

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