まちづくり・政治(59)


200999(水)

本当に優れた観光地とは


 「地域資源を活用した観光振興を学ぶ」その4。

 山田講師は、本当に優れた観光地とは、と問いかけました。

 ・人気が大事なのか? 必要なのは知名度ではなく認知度。

 ・たくさん人が来ればいいのか? 日帰り&雑踏がいいのか。来場者数をカウントしてもしょうがない。

 ・観光・商業者だけもうかればいい? 町全体への波及効果が必要。

 ・観光資源は消費するだけ? 有形無形の地域資源が活かされ、守られるような観光のあり方。


 山田氏は、本当にすばらしいといえる観光地域では、

 ・地域の本質的な宝、魅力が明確

 ・地域本来の豊かさのあり方が明確

だと言います。

 「訪れて良し、住んで良し」という考え方は、清水氏の「まちじゅう観光」と重なります。

 
 山田氏からは宿題が出されました。

 ・住民として、地域で一番大事なものは

 ・今後、地域振興、観光振興に携わる上で、あなたが一番大事にしなくてはならないものは

 ・将来的に住民が幸せになるために何が必要

 ・30年後の理想の姿は想像できますか

 つづく



200997(月)

まちじゅう観光はまちづくりそのもの


 「地域資源を活用した観光振興を学ぶ」その3。

 清水講師は、団体旅行の物見遊山から個人やグループによる滞在型へと、観光のスタイルが変化しているとし、その傾向は今後さらに強まるとされています。

 名所旧跡など地域とかい離した観光地をめぐり、みやげものにお金を落とす観光から、自分の町に誇りを持つ住民の暮らし、歴史、伝統、文化、食などを体験し、楽しむ観光への転換です。

 国道2本が通っているのに、それを全く観光に活かせていないと言われてきた清水町。観光面でのインフラ整備は極端に遅れています。観光の変化に追いつけなくて苦戦している古くからの観光地に比べ、これからの観光だけを見つめていけばいいのだと考えれば、周回遅れのトップに立つことも可能です。

 しかも、旧来型の観光では、観光振興と地域振興が必ずしも一致していませんが、これからの観光では、観光振興はまちづくりそのものです。

 清水氏は、これを「まちじゅう観光」と呼んでいます。

 ただ、誇りの持てるまちづくり、お客さんに来てもらえるほど魅力あるまちづくりというのは、そんなに簡単にできるものではないでしょう。

 つづく
 



200996(日)

「なんとなく」行かない人にいかに観光してもらうか


 「地域資源を活用した観光振興を学ぶ」その2。

 清水講師は観光客は宿泊数で数えなければならないと強調されました。

 「入込数はあてにならない、いい加減な数字」、「行政などは追及を恐れて、数える対象施設を増やしてでも入込数を維持したりする」のだそうです。

 国内宿泊旅行は10年で10%減少しているが、希望者自体は減っておらず、かい離が広がっているというデータは何を意味しているのでしょうか。

 観光しない理由としては、「なんとなく」が相当多く、それを解決することが観光振興なのだという清水氏の指摘は、清水町にとっては厳しいものです。

 不景気を理由にしていたのでは失格で、お客さんが増えているところもある。そういうところは、ちゃんと「なんとなく行かない」を解決しているから。

 よく、うちの町には何もないと言うのを聞きますが、清水氏によれば、「何もない」は間違いで、何でも観光資源になるのだそうです。

 ただし、その町にしかないものがあれば「何でも」という意味。

 そこにしかないものがあるから人は移動するのだと。

 さて、私たちの町には何があるでしょうか。

 つづく



200995(土)

地域に活力がなければお客さんは来ない


 9月3、4日、電源地域振興センターの研修に参加させていただきました。

 「地域資源を活用した観光振興を学ぶ」。講師は、JTB常務の清水愼一氏と観光カリスマの山田桂一郎氏。

 観光振興なくしてこれからの町の活性化はないと漠然と考えていましたが、どこを目指すべきかがスッキリと整理できそうな気がした研修でした。

 清水氏が語られていたのは、「地域に活力がなければお客さんは来ない。まちのにぎわいが必須である」ということ。

 観光地では、お客さんは「古いものを見た後、地元の人たちが買い物をする店でおみやげを買う」ことを希望していると。

 シャッター街をそのままにしておいて、高速道路のインター近くに土産物屋を作っても、何にも町のためにはならないと釘を刺されたような気がしました。

 つづく



2009620(土)

視界不良


 天気が良くならず1番草収穫に取りかかれないため、大手を振って議会傍聴に出かけましたが、清水町のまちづくりは朝方の放牧地と同じように霧が立ち込めているような印象です。


 フロイデ温泉の問題は、民間に完全に売却した事業に対し、温泉を維持するために今さら町として支援策を講じるような答弁をすること自体、町長がこれまで自ら進めてきた行革を理解していないことの表れではないかと思います。

 もし、温泉に未練があるなら不採算でも直営を続けるべきだったと思います。それができなかったのは、それほどまでに町の財政が悪かったからのはずです。

 フロイデ温泉を直営でやっていた時から、温泉への観光客の入込を町内の経済活性化になかなか結びつけられなかったことが課題でした。

 そこを変えるつもりがなければ、町として温泉と連携する意味はないと思います。

 単に採算の合わない民間施設を支援することを望んでいる町民はいないと思います。


 御影診療所の整備拡充に対する支援の議論を聞いていると、まさに清水町の行革が、節約・削減とバラマキを行ったり来たりする一本道を走っていることがわかります。

 診療所の病床削減や診療縮小を目前にしてわき起こった、住民による「診療所がなくなるかもしれない」という不安を払しょくするため、町は財政難によるこれまでの消極姿勢から一転、老健施設建設費等を全額無利子融資し、さらに、診療所土地建物を無償貸し付け、老朽化部分の建て替えまで決めました。

 「御影の地域医療を荒井先生にまかっせきりにしていいのか」と町の姿勢に疑問をぶつけた私ですが、民間診療所の経営を助けるかのような上から目線で、無制限といってもいい支援を行うようなことはちょっと違うと感じます。 

 選挙の後、「どうせ町に任せておいても進まないだろうから、高齢の院長に代って融資を受けるための団体を有志で立ち上げようか」という動きも起こりました。町が支援策を打ち出したため、その動きはなくなりました。実現性も確かなものとは言い切れませんでしたが、財政が厳しい中でいかに町民福祉を実現していくかを考えた時、まだまだできることはあるのではないかと思える一例です。

 よくわからない条例を作って老健施設建設のために全額融資する一方で、土地建物無償貸し付けにして診療所を改築するなど、ちぐはぐなことにするくらいなら、いっそ、老健も町で建てて、しっかりと診療所含め家賃をもらった方がスッキリします。そして、地域医療にに対する町の責任も明確になります。 

 限られた財源でいかに低コストに町民福祉を最大にできるかが、本当の行革であるはずです。せめぎ合いの中でこそ、いい知恵が浮かぶのだと思います。

 現場を預かる担当課が診療所と交渉し進めようとするのに対し、財政を預かる総務課がチェックを入れるということが機能してこそ、町の事務を担う役場が信頼されるのだと思います。


 清水駅1番ホーム設置の要望については、架橋の階段部分にエレベーターをつけることで対応すべく、国の補助金を受けられるようJRと交渉しているとのことでした。

 補助金の対象になったとしても、JRの改修工事の優先順位からするとかなり先になりそうな気配の答弁でした。

 ここで考えなくてはならないのは、町が何とかしなくてはならないとすべきは、階段の上り下りに苦しんでいる高齢者や障害者の不便(というより苦痛か)の解消であって、エレベーターの設置は手段の一つにすぎないということです。

 エレベーターの設置を目的にすると、完成したときの喜びは大きくなりますが、設置されるまでの間の利用者の苦痛はそのまま残ります。

 コミュニティバスの運行をマニフェストに掲げた町長ならば、その早期実現でエレベーター設置まで間、近隣の駅に送迎するなどのことを考えてもよさそうですが、コミバスの実現自体、国の補助金をあてにして平成23年まで待たなければならないとかで、しかも、補助金は3年間しか出ないはずです。

 清水町の政策は、清水町の現状や条件のもとで考えることでしか生まれないと思います。


 今回の一般質問では、自分の質問について、「現実からは離れてしまっているかもしれませんが・・・」とことわり臨時交付金について訊き、また、スクール・ニューディールについて、「わが町では耐震診断も実施しているし、IT化も進んでいる。残りは校庭の芝生化ということで苦し紛れに質問しました」と発言した議員がいました。

 自ら質問の真剣さを欠いていることを告白し、わが町の問題点がなんであるかを考えない質問を行ったことについて、私たちはちゃんとイエローカードを出すべきです。 


 こんなことでは財政は破たんの方向に逆戻りです。
 
 今、役場は機能しているのだろうか。 それを正す役割を議会は果たしているだろうか・・・。そんなことを感じた2日間でした。

 

 
 



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橋本てるあき
橋本牧場(酪農)場主

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