食の楽しみ(31)

　お世話になっている方から手作りのぶどうジャムをいただきました。

　煮詰めすぎて酸味が少し飛んでしまったとのことでしたが、ちゃんと甘みも酸味もあってとてもおいしいジャムです。妻はどっちかというと酸っぱいのが苦手なので、むしろこの方が好みのようです。

　このジャムをカマンベールタイプチーズにつけて食べたらきっとおいしいという話になり、熟成中の手作りチーズを開けてみることにしました。
　　　　　　
　このチーズは11月30日に作ったので、まだ本当にうまい食べごろにはちょっと早いのですが、それを待っていては、育ち盛りの頭の黒いネズミたちにジャムを全部食われてしまうかもしれません。
　　　　　　
　食べてみると、少し早いくらいが正解だったのかと思うくらい、甘みと酸味がちょうど良くて、なにかケーキでも食べているような感覚です。これはいける。

　これからチーズも熟成が進んでいくので、少しずつ違った味わいが楽しめるでしょう。ジャムが残ってさえいれば・・・。

　２番牧草の収穫が終わって一息。妻「甘いものが食べたい」。

　こういう時、「自分でアイスクリーム作って食べれば」なんて言うと２、３日つらい思いをすることがあります。

　他の用事もあったので、上士幌の新村さんのティールームに行くことにしました。

　アイスクリーム（チョコパフェ）もマサラチャイもおいしかったけど、ウエルカムドリンクの牛乳が一番おいしかったです。

　同業者(酪農家)として、これは素直に認めたい。

　放牧を始めたばかりのころ、草が伸び放題でギシギシだらけだった牧区も、今では牛がよく食べ、短く、密度の高い草地に変わっています。

　　　　　
　土づくりの成果は確実に出ていると感じました。

　紅茶を飲みながら、裏庭の木をエゾリスが昇り降りするのを見られるのもひとつの付加価値ですが、土づくり、草づくりの取り組みを見てからミルクティーを飲むと味わいがより深くなると思います。

　フレッシュタイプのさけるチーズにはコーヒーがよく合います。

　どんなワインが合うか考えるのも楽しいですが、気軽に食べるのが一番です。

　　　　　　　
　スモークしたら、やっぱりビールがほしくなります。

　お盆を境にしてこんなに変わるものかと思うほど、北海道は涼しくなってしまいました。

　しかし、涼しくなっても どんびえ は活躍します。

　　　　　　
　こんな日は原料に使うクリームをジャージーの乳から取ります。

　いつものように卵と砂糖を加えてかきまぜ、どんびえに入れてハンドルを回すのですが

　　　　　　
できあがったアイスクリームは色も味も超濃厚。

　　　　　　
　リッチな味わいです。妻は濃厚すぎて清涼感がないなどと言っておりますが、涼しくなってもおいしく食べられるぜいたくなアイスです。

　

　牛たちに草地で十分な青草を食べさせると、牛乳は濃いめの乳白色、クリームはちゃんとクリーム色になります。

　　　　　　
　市販されている牛乳をコップに移したとき、あまりに白いので驚くことがありますが、一般には、牛乳は「まっ白い」ものと思われているようです。

　ケーキ屋さんでもまっ白いクリームが好まれて使われ、食べる方もクリームは白いのが当たり前になっていると思います。

　でも、クリームはやっぱりクリーム色が本来の色。ビタミンＡ(カロチン）が含まれ栄養的にもリッチな色です。