放牧・酪農・農業(84)


2008621(土)

草地は変わる


草地は変わる

 クローバが一面に白いきれいな花を咲かせているこの放牧地も、15年前はいくらクローバの種をまいても芽が出ないシバムギ主体の草地でした。
 
 チモシー主体と思っていた草地が実はシバムギ主体になっていたというケースは少なくありません。そのような草地は地面が分厚いルートマットに覆われ、種をまいても土と接触することができず発芽しないで終わってしまいます。いわば窒息状態です。肥料も効きません。

 そんな草地が変わったのは、放牧利用への転換と北海道SRU(ソイル・リサーチ・ユニオン)コンサルタントのエリック川辺氏との出会いによるところが大きかったと思います。

 彼の「がんこなルートマットを分解するためには、微生物、小動物の活動を活性化しなければならず、それを促す施肥が重要である」との考え方が正しかったことは草地によって証明されました。

 微生物の活動が始まると、空気や水の通る穴ができて加速度的に土壌はよくなっていきます。





2008429(火)

草だけでは足りない時期には・・・


草だけでは足りない時期には・・・

 今日から夜も放牧地に牛たちを出しています。まだ、一晩中放しておくだけの草量がないので、ミキサーで放牧地にエサを持って行って、彼女たちが満足いくまで食べられるようにしてやります。


 食べた後はこんな感じになります(別の牧区ですが)。
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2008429(火)

しっかり草食って育って


しっかり草食って育って

 明日の牧場は君たちにかかっているんだよ。しっかり草を食べて、放牧で乳を出す牛に育ってくれ。
 車を止めて道路から写真を撮っている家族連れに愛想を振りまいている場合ではないぞ。



2008412(土)

初日の興奮


初日の興奮

 放牧地につながる通路のフェンスをいじくっていると、牛たちの興奮がどんどん高まっていくのが感じられます。
 そして、いよいよゲートを開けると、関を切ったように牛たちが放牧地に向かってなだれ込んでいきます。
 昨年の11月20日以来の草地です。

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 興奮状態のまま、あちこちで頭を突き合わせます。足もとが滑る心配もいらず、思う存分走ります。
 フリーストールがちっともフリーじゃなかったことがわかります。

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 しかし、数分後には落ち着いてしまいます。
 たいして伸びてもいない草をむしり始めます。




200846(日)

OMR(オフセット・ミクスド・ラッション)


OMR(オフセット・ミクスド・ラッション)

 先日、TMRセンターを抜けて放牧で牛を飼いたいという若き酪農家が見学に来られました。
 TMRセンターに加入して配られるTMR(トータル・ミクスド・ラッション=牛に与えるえさを全部混ぜたもの)を自由に食べさせながら放牧したのでは、放牧草を思う存分食べることにはならず、無駄が多く中途半端だというのです。

 それはそうでしょう。TMRはいわば完成品。それを食べた上でタンパクが非常に高い春の草などを食うのは、言ってみれば胸やけものです。

 放牧を取り入れた酪農家が混ぜエサを与える場合は、放牧草の栄養価に合わせてその内容を変えて対応させねばなりません。
 全部を混ぜるのではないので、PMR(パーシャル・ミクスド・ラッション)ともいいますが、放牧草と合わせて完成品を作るためにわざといびつなエサを与えるという意味で、私はOMR(オフセット・ミクスド・ラッション)と呼んだらいいのではないかと思っています。




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 ABOUT
橋本てるあき
橋本牧場(酪農)場主

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