放牧・酪農・農業(84)


2011131(月)

全共仕切り直し ブラ協も


全共仕切り直し ブラ協も

 1月28日、北海道ブラウンスイス協議会の平成23年度通常総会が開催され、会員相互の研修会の開催と、全共「食のパビリオン」への出展などを決めました。

 昨年、口蹄疫の影響で開催を取りやめた第13回全日本ホルスタイン共進会が今年10月に仕切り直しの開催となります。

 その全共の際に開催される「北海道物産パビリオン北の食パビリオン」で、ブラウンスイス協議会としても牛肉やチーズ、ヨーグルト、アイスクリームなどの乳製品の試食・販売を行おうというものです。

 粗飼料主体の飼養が可能なブラウンスイス種から生産される乳製品と赤肉主体の牛肉は健康志向とも一致するものであり、いかにPRできるかが非常に重要であると思います。



20101123(火)

TMRセンターに見る企業的農業の危うさ


 コントラクター(農作業請負組織)やTMRセンター(完全混合飼料生産組織)は、規模拡大した酪農家の労働時間短縮や機械投資の低減を図るべく、各地で立ち上がってきました。

 毎日の搾乳に加え、牧草の収穫、エサ作りとすべてをこなしながら、規模拡大を進めたことによって、どの仕事も中途半端になり苦労していた酪農家にとっては、分業・専業化による仕事の質の向上は大きな助けになっていることと思います。

 しかし、最近、本来酪農家を助けるはずのTMRセンターがしだいに酪農家を縛ってきているという話を聞きます。

 センターを運営するための負担金を生み出すため、搾乳に特化した酪農家はさらに規模拡大を進め、その結果、過剰になった糞尿を処理するための場所として草地が使われる事態に至っているというのです。

 こうなると、農家が本来目指すべき、土づくり、草づくりの道からは離れて行ってしまいます。

 そのような草地から生産された飼料で健康に牛を飼い、乳を搾ることは容易ではなく、新たな困難を抱え苦労を重ねることになります。

 農業の持続性には、経済や担い手などの経営の面と、土や草などの生物学的な面があります。どちらも重要ですが、後者を大事にすることが長期的に見た場合には特に必要になってきます。

 そんなことは百も承知と思っていたはずの酪農家が、実際には作業の外注によって経済重視に向かわざるを得ないのが現実です。

 競争力をつけるための規模拡大や新たな担い手としての企業参入などの取り組みが、農業の永続性を危うくすることのないように気を付けなければ、取り返しのつかないことになります。



20101025(月)

思いは 食べる人を笑顔にするアイスクリーム


思いは 食べる人を笑顔にするアイスクリーム

 私たちの牧場の生乳を使ったアイスクリームが販売されることになりました。製造者は帯広市の(株)ディームファクトリーです。

 アイスクリームは非常にシンプルな食べ物なので、素材の良し悪しが出てしまうのではないかという怖さがありますが、それだけに品質の高い生乳を生産しなければいけないという気持ちが強くなります。

 土づくりから始める、おいしいアイスづくりは酪農家にしかできません。

 ディームファクトリー・アイスクリーム工場建設の地鎮祭での神主さんの「アイスクリームは食べた人を幸せな気持ちにさせる食べ物です。食べる人が笑顔になるようなアイスクリームを作るんだという気持ちを忘れないで。」という言葉は、ディームファクトリー社長と私がともに目指すところです。



20101011(月)

8頭の酪農とサプリメント放牧


8頭の酪農とサプリメント放牧

 西十勝放牧研究会2010秋のピクニックを新得町で開催しました。久々のフィールド研修ということもあり、44人もの参加者がありました。

 まず見学したのは、8頭の牛を飼育する深江牧場。新規就農1年半です。

 「私も小頭数の酪農に興味がある」、「酪農の原点に返って考えることができて新鮮だった」、「全量チーズを作って売ることができれば小頭数でも成立するのではないか」など、大きな関心が寄せられました。

 節約に気を使って手作りで牧場づくりを進めている最中ですが、思わぬ経費が掛かってなかなか当初の思惑通りにはいかないようです。

 最初から思い通りにいくなどということはそうないでしょう。特に放牧はやってみないとわからないことも多いと思います。

 オーナーは、所有する草地の面積が3.4haしかないことで、「面積が小さい、面積が足りない」と言っていますが、草が最も早く再生する時期には、8頭の牛なら放牧地1.5haもあれば十分すぎるくらいです。

 草の伸び方が一年を通じて大きく変化することを把握することが何より大事です。そこに、単なる節約ではなくて、経費を削減する方法が見いだせると思います。

 次に見学したのは、TMRと放牧の併用で好成績を出している新規就農の酪農家、西尾牧場です。

 放牧地は、食べきれずにオーチャードグラスが伸びて株化しており、オーナーは「見せたくなかった草地ですけど」と言っていましたが、これは、たぶん、草地の問題というよりも草地利用の問題です。

   
画像

 TMRを食べて満足した牛たちが、さらに放牧地で必死になって草をむしるなどということはないでしょいう。

 草のおいしいところだけをつまみ食いしたり、TMRで足りないものを補うために草地に出るというのが実態でしょう。草地を歩いたり、寝たりしていることが健康増進につながっていることも大きいと思います。

 プラスアルファの放牧、あるいは、サプリメントとしての放牧草ととらえていいと思います。35kg(乳量)設定のTMRで、それ以上の乳生産を上げている秘密は、そこにあります。

 放牧地の高度利用に徹して利益につなげるのか、放牧を利用して生産を上積みすることで利益を上げるのか、それは牧場ごとの置かれた条件や目指す方向によって自由に決めていいのではないでしょうか。



2010104(月)

MILK JAPAN オープンファームデイ 10月9~11日


MILK JAPAN オープンファームデイ 10月9~11日

 10月9日~11日全国同時に開催されるMILK JAPANのオープンファームデイに、橋本牧場もゆるーく参加することになりました。

 子どもを元気にすること、子育てするお母さん、お父さんを応援することが、MILK JAPANの目的です。

 私たちの牧場では、持続可能な酪農の一つの形態として放牧酪農を実践しています。土づくり、草づくりによって健康に牛を飼い、おいしい牛乳を生産したいと考えています。

 牧場は普段はなかなか立ち寄れない場所かもしれませんが、この機会にお茶でも飲みながら牛乳や酪農について雑談しにいらっしゃいませんか。

 10月9日、10日、11日の3日間、午後1時30分から3時30分までの2時間、いろんなグッズを用意してお待ちしています。

   
画像



<<
>>




 ABOUT
橋本てるあき
橋本牧場(酪農)場主

性別
年齢50代
エリア清水町
属性個人
 カウンター
2005-11-29から
261,468hit
今日:56
昨日:17


戻る