放牧・酪農・農業(84)


2009914(月)

ゆる~い視察があってもいいかも


ゆる~い視察があってもいいかも

 一時より減りましたが、視察の受入が時々あります。最近は、個人的に牧場を見学したいという方も増えました。

  今日も、遠方から酪農家の友人が訪ねてきたのですが、彼が私と受精卵移植の話をしている間中、彼女の方は牛に話しかけていました。

     
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 よく見ると、クローバーを口先に差し出しています。ここでパクッと食べればよろこんでもらえたのに。

 私たちの牧場の場合、視察の多くは、放牧の技術・経営に関するものがほとんどです。

 視察、見学、研修というと、まじめに勉強しなきゃいけない、成果を出さなきゃいけないと、つい、かたくなってしまいますが、あまり考えずに、「感じる」見学があってもいいのではないかと思います。

 いや、むしろ、そういう見学の方が、実際には役立つのではないかと思うことがあります。
 



2009829(土)

奇跡のリンゴの木村氏を迎えて開催された09放牧酪農ネットワーク交流会


奇跡のリンゴの木村氏を迎えて開催された09放牧酪農ネットワーク交流会

 8月27、28日、7回目を迎える北海道放牧酪農ネットワーク交流会in足寄が開催され、昨年に続き、参加してきました。

 今年は、放牧の技術論ではなく、なぜ放牧なのか原点に戻って考えるということがテーマでした。

      
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 「奇跡のリンゴ」の木村秋則氏と「マイペース酪農」の三友盛行氏。NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」出演済みと出演予定の2人が講師です。

 「配合飼料の価格が上がって自給飼料重視に向かいかけたが、乳価が上がったことで元の(配合飼料多給)酪農に戻ってしまった。行きつ戻りつしているが、それも許されない時代が来る」と三友氏。

 「なぜ、こんなに(苦労)して無農薬を続けてきたか、自分に何度も問いかけた」と語る木村氏。「肥料をやらないのに慣行農法より窒素分が多い。微生物の活動によるのではないか」、「硬盤層の下には4000年分の未分解の栄養がある」、「リンゴの葉が病気にかかった患部を自ら枯らして落とすことができるようになった」など、理解するためにはちょっとした整理が必要なことも。

 「農薬を使わないから虫がいない。農薬を使うから虫が集まるんですよ」、「健康なキュウリは曲がることはありません」という言葉は、目指すところとして共感できます。

 直ちに皆が自然栽培を放牧酪農に応用するなどということは考えられませんが、時々立ち止まって、酪農のあり方を考えることは必要なことだと思います。

      
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 明治乳業の放牧牛乳。阿久津町長に持っていただきました。「足寄」の文字が入っていますが、地元では買うことはできません。

 2日目はフィールドでの研修です。

      
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 メドウフェスクとライグラスをかけあわせたフェストロリウムに白クローバを混播した草地。

      
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 穴を掘って、団粒構造、根の張り、マメ科の根粒などを見ますが、今年は、木村氏から土の温度を測ってみなさいと言われたこともあり、畜大の瀬尾先生が持ち込んだ温度計で深さ10センチごとの地温を測りました。地表と深さ50センチの温度差は2度でした。



200983(月)

くすんだ金麦


くすんだ金麦

 天候不順のため、遅れに遅れている小麦の収穫。

 今年はいつもの金色に輝く小麦畑とはちょっと違います。

 いや、かなり違います。くすんだ金色、というか、はっきり言って黒っぽいです。

 実を爪で押すとぶよぶよしています。 

 穂発芽している圃場もあると聞いています。

 収穫に入ったコンバインがぬかって、重機に引っ張り出されたりもしているようです。

 規格外の小麦ばかりになって、みな、バイオエタノール工場に行くことになるのだと、笑えない冗談も出ています。



2009724(金)

昨日のお客様(?)別科の2年生


昨日のお客様(?)別科の2年生

 帯広畜産大学別科2年生のみなさんが見学に来られました。ちょうど親子くらいの年の差になりますが私の後輩です。

 将来の酪農界を背負って立つ卵たち、自ら少数精鋭と名乗る13人の学生さんたちは、集中力も高く、積極性もあり、まとまりもあるようでした。

 私からは、経営概要のほか、放牧主体に切り替えた理由、放牧酪農の特徴などについてお話し、実際に草地をスコップで掘り、また、ライジングプレートを使って草の量を測ってもらいました。

 別に放牧の普及が目的ではありません(少しはありますが)。

 放牧主体で酪農経営をするのに欠かせない草地の生産性や管理などの話をして、「放牧は牛にも人にもやさしい」とか逆に「放牧では乳量が低い」などと単純にいえるものではなく、科学的な思考が大事であることを伝えたつもりです。

 放牧酪農はもうかる?、放牧にすると繁殖成績が上がる?、放牧にすると省力化される? いずれもYESであり、NOでもあります。経営だから当然です。

 また、土やミミズらを見ながら草地が毎年良くなっていくのを実感し、牛が楽に飼えるようになる楽しさも伝えたかったのですが、そこはまだ私も途上なので・・・。







2009718(土)

トンネルを抜けるとさらに放牧地が広がっていた


トンネルを抜けるとさらに放牧地が広がっていた

 7月18日、西十勝放牧研究会の7月例会が行われ、18人の参加者が村上牧場の牧道トンネルを見学しました。

 トンネルとはいっても、道路の下に穴を掘るのではなく、道路を切ってボックスカルバートを設置する形で工事は行われました。

 前例のない工事に役場も困惑したことと思いますが、放牧の本場ニュージーランドでは牛用トンネルは珍しくありません。

 道路に分断されていなければ自分も放牧を取り入れたいのだが という酪農家は少なくありません。

 村上牧場でも、これまでは道路の向こうの放牧地に牛を出すために、車の流れを止めて道路を横断させるなど、ずいぶん苦労していました。

 トンネルができたことによって、地続きの放牧地が倍になったことになります。

 住宅地の拡大で市街地の牧場になってしまった村上牧場ですが、今後、本格的な放牧酪農の実践牧場として発展していくものと思います。




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橋本てるあき
橋本牧場(酪農)場主

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