獣医療情報(22)
2014年9月25日(木)
「おウチで健康チェック」まとめ
獣医療情報×22
健康チェックは、おウチで日常的に。異常を見つけるには、普段の正常な(=健康な)状態を知っておく事が必要です。つまり、健康チェック=正常な状態の観察です。
チェックポイント、①:体以外、②;体。
①:体以外について 『普段にくらべ、○○』
普段にくらべ、やたら水を飲む。普段にくらべ、息が荒い。普段と違うオヤツ。普段行かない場所、着ない服…などなどです。
②;体、a;顔、b;リンパ節 c;イボを観察。
a;顔は、耳の裏、黒目と白目、鼻、口の中、を観察。臭いも嗅いで下さい
b;リンパ節は、喉、脇の下、股の付け根、膝の裏が分かりやすい所です。触ってみて、腫れてないのを確認して下さい。
c;体を触ってみて、イボがあったら、それはガンかも…。とくに、お腹、足先など、普段あまり触ってない所をチェックしてください
他の異常もあります。あっ?と思ったら早めの受診をお薦めします、
チェックポイント、①:体以外、②;体。
①:体以外について 『普段にくらべ、○○』
普段にくらべ、やたら水を飲む。普段にくらべ、息が荒い。普段と違うオヤツ。普段行かない場所、着ない服…などなどです。
②;体、a;顔、b;リンパ節 c;イボを観察。
a;顔は、耳の裏、黒目と白目、鼻、口の中、を観察。臭いも嗅いで下さい
b;リンパ節は、喉、脇の下、股の付け根、膝の裏が分かりやすい所です。触ってみて、腫れてないのを確認して下さい。
c;体を触ってみて、イボがあったら、それはガンかも…。とくに、お腹、足先など、普段あまり触ってない所をチェックしてください
他の異常もあります。あっ?と思ったら早めの受診をお薦めします、
この記事のURL|2014-09-25 11:26:24
2014年9月17日(水)
「おウチで健康チェック」3:体以外を見る
獣医療情報×22
今回は「おウチで健康チェック」の具体例、体の健康チェックの続きで、
体以外の健康チェックについてです。「体以外」とは、文字通り体以外の全て、行動や環境、摂取したもの、行った場所、あらゆる事柄についてのチェックです。健康チェックの根本は、「異常に気付くには正常を知る」です。これを体以外に当てはめます。キーワードは、
普段にくらべ、やたら水を飲む。普段にくらべ、やたらおしっこをする。普段にくらべ、やたら息が荒い。普段にくらべ、やたら右に歩く。フードを変えた。敷物を変えた…などなどです。
漠然としてますが、森全体を見渡すように大きな視点での動物の観察です。木の枝葉については、飼い主さんから教えてもらった「異常」をヒントに、獣医師が検査計画を立てます。何気ない異常が、病気を引き起こすことがありますし、何気ない仕草が、大病のシグナルだったりします。
一例を紹介します。目がバンバンに腫れたコーギーのTちゃん。重度の結膜炎でした。いつもの通り、「異常はありませんでしたか?」と伺ったことろ、最初は「なんもかわらんよ」との返答。しかし、それで「ああそうですか。」とは引き下がれません。なんかないですか?としつこく聞くと、「そういや昨日、長男が散歩したなあ、変わった事ってそれくらいよ」との事。問診はそれくらいにして、その日は対症療法を行いました。後日、長男さんと家族に詳しく話を聞いた所、散歩コースの変更で河原に行った事が分りました。ちょうど秋口だったので、雑草の花粉による過敏反応(以下、花粉症と表現します)だったと予想しました。次の年、うっかり長男さんが同じ時期に河原に散歩に行き、同じ症状がでました、花粉症確定です。
この例は、長男さんの散歩が「異常事態」でした。これを手がかりに花粉症を確定しました。(もちろん、長男さんに罪はありません)
おウチの動物達の調子が悪いとき、その前日の「普段と比べて違う事」を思い出してみて下さい。
体以外の健康チェックについてです。「体以外」とは、文字通り体以外の全て、行動や環境、摂取したもの、行った場所、あらゆる事柄についてのチェックです。健康チェックの根本は、「異常に気付くには正常を知る」です。これを体以外に当てはめます。キーワードは、
普段(正常)と比べて違う(異常)事態
普段にくらべ、やたら水を飲む。普段にくらべ、やたらおしっこをする。普段にくらべ、やたら息が荒い。普段にくらべ、やたら右に歩く。フードを変えた。敷物を変えた…などなどです。
漠然としてますが、森全体を見渡すように大きな視点での動物の観察です。木の枝葉については、飼い主さんから教えてもらった「異常」をヒントに、獣医師が検査計画を立てます。何気ない異常が、病気を引き起こすことがありますし、何気ない仕草が、大病のシグナルだったりします。
一例を紹介します。目がバンバンに腫れたコーギーのTちゃん。重度の結膜炎でした。いつもの通り、「異常はありませんでしたか?」と伺ったことろ、最初は「なんもかわらんよ」との返答。しかし、それで「ああそうですか。」とは引き下がれません。なんかないですか?としつこく聞くと、「そういや昨日、長男が散歩したなあ、変わった事ってそれくらいよ」との事。問診はそれくらいにして、その日は対症療法を行いました。後日、長男さんと家族に詳しく話を聞いた所、散歩コースの変更で河原に行った事が分りました。ちょうど秋口だったので、雑草の花粉による過敏反応(以下、花粉症と表現します)だったと予想しました。次の年、うっかり長男さんが同じ時期に河原に散歩に行き、同じ症状がでました、花粉症確定です。
この例は、長男さんの散歩が「異常事態」でした。これを手がかりに花粉症を確定しました。(もちろん、長男さんに罪はありません)
おウチの動物達の調子が悪いとき、その前日の「普段と比べて違う事」を思い出してみて下さい。
この記事のURL|2014-09-17 18:50:10
2014年9月4日(木)
「おウチで健康チェック」2:体を見る
獣医療情報×22
ひかるペットクリニックです。前回から間が開いてしまいました。旧知の飼い主さんには「ほら、やっぱり続かない。」などどイジられてしまいました。遅い更新と成るでしょうが、お付き合いください。
前回をまとめると
「異常に気付くには正常を知る」
でした。
今回は「おウチで健康チェック」の具体例、体の健康チェックです。欲を言えば体のあらゆる所を、目を皿にして見てもらいたいのですが、それでは焦点がボケてしまいます。最低限ここだけ見てもらいたいのは、a;顔、b;リンパ節 c;イボの3点です。
a;顔は色んな、しかも重要なチェックポイントがありますが、おウチでは細かく見る必要はありません。「ああ、大体こんなものだな‥」とざっくり見て下さい、耳の裏の色、におい、血管の太さ。目は、黒目の輝き方や白目の色や血走り方、鼻のテカリ、息のにおい。口はパックリ開けて奥の方まで、歯ぐきや舌の色を観察して下さい。健康時の正常を、大体こんなもんだ、とゆる~く覚えて下さい。
b;リンパ節は、体内に200ケ所以上ありますが、代表的な4ヶ所をチェックしてください。ノドのリンパ節、脇の下リンパ節、股の付け根リンパ節、膝の裏リンパ節です。健康なリンパ節は米粒くらいしかありませんので、触ってみても何も分らないのが健康なリンパ節です。ある日、動物がグッタリして、ノドを触るとポコンとしたものがあれば、それは病気のリンパ節かもしれません。
c;イボ。体をすみずみまで触ってみて、イボがあったら、それは…調べてみる必要があります。背中とかよくなでたり触ったりする場所は、イボが発見されますが、お腹、足先、おしりなど、にもイボができます。普段あまり触ってない所もチェックしてください。
診察室でなんとなく異常を感じて、飼い主さんに「なんかここ変な気がするんですけど‥」とうかがって、一番困る返答は、「いや~普段みてないからわかんない。先生ならわかるでしょ」の一言です。動物の体は「十頭十色」ですので、普段そのコを見ていない私には、微妙なものであれば「異常」かどうか、ハッキリわかりません。毎日そばにいる飼い主さんだからこそ、正常をよくよく観察してください。
前回をまとめると
「異常に気付くには正常を知る」
でした。
今回は「おウチで健康チェック」の具体例、体の健康チェックです。欲を言えば体のあらゆる所を、目を皿にして見てもらいたいのですが、それでは焦点がボケてしまいます。最低限ここだけ見てもらいたいのは、a;顔、b;リンパ節 c;イボの3点です。
a;顔は色んな、しかも重要なチェックポイントがありますが、おウチでは細かく見る必要はありません。「ああ、大体こんなものだな‥」とざっくり見て下さい、耳の裏の色、におい、血管の太さ。目は、黒目の輝き方や白目の色や血走り方、鼻のテカリ、息のにおい。口はパックリ開けて奥の方まで、歯ぐきや舌の色を観察して下さい。健康時の正常を、大体こんなもんだ、とゆる~く覚えて下さい。
b;リンパ節は、体内に200ケ所以上ありますが、代表的な4ヶ所をチェックしてください。ノドのリンパ節、脇の下リンパ節、股の付け根リンパ節、膝の裏リンパ節です。健康なリンパ節は米粒くらいしかありませんので、触ってみても何も分らないのが健康なリンパ節です。ある日、動物がグッタリして、ノドを触るとポコンとしたものがあれば、それは病気のリンパ節かもしれません。
c;イボ。体をすみずみまで触ってみて、イボがあったら、それは…調べてみる必要があります。背中とかよくなでたり触ったりする場所は、イボが発見されますが、お腹、足先、おしりなど、にもイボができます。普段あまり触ってない所もチェックしてください。
診察室でなんとなく異常を感じて、飼い主さんに「なんかここ変な気がするんですけど‥」とうかがって、一番困る返答は、「いや~普段みてないからわかんない。先生ならわかるでしょ」の一言です。動物の体は「十頭十色」ですので、普段そのコを見ていない私には、微妙なものであれば「異常」かどうか、ハッキリわかりません。毎日そばにいる飼い主さんだからこそ、正常をよくよく観察してください。
この記事のURL|2014-09-04 20:04:07
2014年8月10日(日)
「おウチで健康チェック」1:目的とポイント
獣医療情報×22
ひかるペットクリニックです。本稿から数回に分けて、普段当院の診察室でお話している「おウチで健康チェック」について、まとめてみます。
1:健康チェックの目的
「ウチの子、昨日から元気無くて、ゴハンを食べないんです。」こんなお話をよく聞きます。状態は悪いなあ、とはわかります。
しかしこれではなんの病気かちょっと見当がつきません、だって大抵の病気は元気&食欲がありませんから。ここに「プラス・アルファの情報」がもう一点あれば、病気のあぶり出しに役立ちます。
では「プラス・アルファの情報」とは何か?それは「異常」です。元気&食欲無し以外の異常な点があればあるほど、診断へのアプローチがしやすくなります。
健康チェックの目的は、この「異常」に気付く事です。
2:健康チェックのポイント
では、異常に気付くためには何が必要でしょうか?どんな最新鋭の診断方法、例えば、ほんのわずかのガンを見つける「PET-CTスキャン」とか、膨大なDNA配列の中からたった一ヶ所の配列の乱れを見つける遺伝子診断も、この「おウチで健康チェックも」も必要なものは同じです。
「異常に気付くには正常を知る」
これが健康チェックを含めた色んな検査法に必要です。「健康な人にはないシグナルがPET-CTで見つかった」とか、「正常な人に見られないDNA配列がある」と同様に「昨日までとは耳の色が違う」という感じです。そして世の中のどんな最新鋭の機械でも、おウチのコと毎日を共にしておられる飼い主様の「おウチで健康チェック」にかなう方法はありません。
次回は、具体的に何をすれば良いかについて投稿いたします。
1:健康チェックの目的
「ウチの子、昨日から元気無くて、ゴハンを食べないんです。」こんなお話をよく聞きます。状態は悪いなあ、とはわかります。
しかしこれではなんの病気かちょっと見当がつきません、だって大抵の病気は元気&食欲がありませんから。ここに「プラス・アルファの情報」がもう一点あれば、病気のあぶり出しに役立ちます。
では「プラス・アルファの情報」とは何か?それは「異常」です。元気&食欲無し以外の異常な点があればあるほど、診断へのアプローチがしやすくなります。
健康チェックの目的は、この「異常」に気付く事です。
2:健康チェックのポイント
では、異常に気付くためには何が必要でしょうか?どんな最新鋭の診断方法、例えば、ほんのわずかのガンを見つける「PET-CTスキャン」とか、膨大なDNA配列の中からたった一ヶ所の配列の乱れを見つける遺伝子診断も、この「おウチで健康チェックも」も必要なものは同じです。
「異常に気付くには正常を知る」
これが健康チェックを含めた色んな検査法に必要です。「健康な人にはないシグナルがPET-CTで見つかった」とか、「正常な人に見られないDNA配列がある」と同様に「昨日までとは耳の色が違う」という感じです。そして世の中のどんな最新鋭の機械でも、おウチのコと毎日を共にしておられる飼い主様の「おウチで健康チェック」にかなう方法はありません。
次回は、具体的に何をすれば良いかについて投稿いたします。
この記事のURL|2014-08-10 19:35:32
2014年8月4日(月)
緊急提言:熱射病2
獣医療情報×22
ひかるペットクリニックです。
昨日も熱射病と思われるプードルくんが来院しました。外にいるコたちより、屋内にいるコたちの熱射病が多いです。このコもそうですが、室温が30℃近くなりますと症例が多くなる気がします。
たまにあるのが、「窓をちゃんと開けていた。」とか「扇風機をまわしていた」と対策を取られていたケースです。残念ながら、これでは対策になりません。
ヒトは汗をかき、汗が蒸発する際の気化熱で体温を調節します。一方、イヌは吐く息をメインで、暑い時は腹部を地面に当てて体温調節をします。送風では、イヌは体温調節が出来ないのは以上の理由からです。おうちのコたちのために出来ればクーラーで室温調節を、あるいペット用の冷却マットなどの使用をお薦めします。ヒト用の保冷マクラには中毒性物質が含まれている場合があります。ヒトはそれらの摂取を前提としていませんが、ペットの場合、いたずらして食べてしまうかもしれませんので、おうちのコ達には使用は避けて下さい。
今日も暑くなりそうです。特に熱の蓄積が多くなる午後は、熱射病にご注意を。
昨日も熱射病と思われるプードルくんが来院しました。外にいるコたちより、屋内にいるコたちの熱射病が多いです。このコもそうですが、室温が30℃近くなりますと症例が多くなる気がします。
たまにあるのが、「窓をちゃんと開けていた。」とか「扇風機をまわしていた」と対策を取られていたケースです。残念ながら、これでは対策になりません。
ヒトは汗をかき、汗が蒸発する際の気化熱で体温を調節します。一方、イヌは吐く息をメインで、暑い時は腹部を地面に当てて体温調節をします。送風では、イヌは体温調節が出来ないのは以上の理由からです。おうちのコたちのために出来ればクーラーで室温調節を、あるいペット用の冷却マットなどの使用をお薦めします。ヒト用の保冷マクラには中毒性物質が含まれている場合があります。ヒトはそれらの摂取を前提としていませんが、ペットの場合、いたずらして食べてしまうかもしれませんので、おうちのコ達には使用は避けて下さい。
今日も暑くなりそうです。特に熱の蓄積が多くなる午後は、熱射病にご注意を。
この記事のURL|2014-08-04 10:58:54