「心の痛み」と「身体の痛み」は、ストレス（心の負担・体の負担）によることは珍しくありません。
さらに、痛みというのは単独で認識されるのではなく、不安や恐怖、怒りや悲しみなどの感情も同時に表れます。
すると、これらの感情もまたストレスとなり、身体の自律神経システムや内分泌系、免疫系のシステムが作動し始めます。
全身に存在する筋肉は、自律神経システムのバランスのくずれ“交感神経の過緊張”により筋肉の機能異常を起こし、痛みを発生させます。
筋肉が機能異常を起こすと、筋肉は収縮した状態でロックされ、ゆるむことができなくなります。
その結果、筋肉の一部が常に力こぶを作っている状態になり、しこり（硬結）として触れることができます。
正常の筋肉は、押しても特に何も感じません。
肩を揉んでもらったり、マッサージをしてもらったときに、押されて痛い、いた気持ちよい、あるいは気持ちよいと感じたことはありませんか？　
それは正常な筋肉の状態ではありません。
ストレスによる心と体の変化は、本来人間が生存するために必要なものですが、危機が去ったあとは速やかに正常とならなければなりません。
ところが、慢性的なストレス（心の負担・体の負担）にさらされるとこの機能が暴走し、筋肉の機能異常が続き、時には激痛をも生じます。
現代医療では、身体の大部分を占める筋肉の機能異常への関心が低く無視されてしまいがちです。
例えば、腰痛などに悩む方が受診されると、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などで“神経の圧迫が原因”と診断されるケースも多い様です。
しかし、痛みの本当の原因は筋肉の機能異常のことも多く、筋肉は心の影響を大変受けやすい組織でもあるのです。
心と体、ストレスと痛みは密接な関係にあります。
痛みとして発信されるからだの信号を捉え、根本を解決することで、本来の機能を取り戻すこともできるのです。