201121(火)

終の棲家

猫話×153

終の棲家

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気分転換に散歩というものを
良くする様になった

いつものお店に行く
たわいのない小さな道が

今の私の気に入りで

ゆるやかで小さな坂を下る
そのきわでいつも少しだけ足を止める


大きな柏の木の枯葉の音や
凍り付いて張り付き
鏡のようになったその氷を削る音や

時折遠くから聞こえる犬の声などを
聞きながら

ゆっくりゆっくりと坂を下りて
通り過ぎる家々の
さまざまなひとの暮らしを思ったりする


何度も通った道のはずなのに
それでも通るたびに何度かの発見がある

普通のマンションだと思っていたものが
老人達のグループホームだと知って
また1つの意外な発見に
心は動かされる


それらを求めているひとの多さを
それらを探して迷う人の多さを

それらのことに思いをめぐらせる




人でさえ 終の棲家が
なかなか見つからないものを



ましてや小さな獣の身で

どうしてその子が見つけられよう



ましてや私などの力のみで

どうしてその家が見つけられよう


そんなことを思って
かるくついたため息の

息の透明さに

氷解の日の近さを想う


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振り返れば

かなり遠く歩んだつもりの私に

まだそんなに離れていないよと
駅ビルの姿が教えてくれる


そしてまだ

目的の地まで半分なのだと
この坂を下りるまでは と

自らを鼓舞して歩みを始める


滑りますからお足元お気をつけてと
ふいに声を掛けてくれた傍らの人の温かさに


一人だけで歩んでいるのではないことに
私は気づき そして静かに感謝する


本当にありがとう と













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すずのお見合いが終わりました
とてもお優しい方で

お話をされている表情からも
真剣な様子が見て取れました

マイとかちの愛蓮さんが働きかけて下さって
この縁を結んでくださいました。

暖かい 本当に暖かい

ゆったりとしたお時間を
過ごさせていただきました。

今後のすずのことは愛蓮さんが窓口になり
飼い主さんからの報告を書いてくださるとのこと。

本当に何よりだと感謝ばかりする日であります。

愛蓮さんのブログ


お話合いが終わりまして
すぐに色々準備のために戻った飼い主さんが
その日のうちに我が家にお迎えにきてくださり


すずは床に置かれたバスケットに自ら入り

新しい家へと卒業してゆきました。


まるで戦国武将の誇り高き姫君のような

真っ直ぐな瞳の旅立ちでした。






新しい家族さんと一緒に頑張って
良い飼い猫さんになって下さい。


そのおうちがすずにとっての
終の棲家になりますようにと

おばちゃんはずっとずっと祈っています。




そして、どうか、どうか、

お元気で。






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