2011年6月29日(水)
ありがとう
猫話×153
その猫はなかなか出産のタイミングがつかめず
いつまでも大きなおなかを引きずるように
裏庭のフキの下を歩いていた。
「ミミやー。ミミやー。」
裏のおばあちゃんが彼女を呼ぶ声がしていた。
彼女はここにずっと長く居付いていた
大ボスの末裔で
おばあちゃんの家でゴハンをいただいていた。
おじいちゃんも無理に追うこともなく
私も猫を威嚇しないせいか
彼女はよく私の家の裏庭で涼んでいた。
私は彼女の一族が衰退したり
繁栄しているさまをただ黙って見ていた。
モテモテだった妹猫と違い
彼女はなかなか発情もせず子を持つこともなかった。
妹猫が居なくなった春
彼女のおなかが大きくなった。
野良猫としては遅めの3歳の初子だった。
天気予報を見る。
今夜は雨か。
箱を用意して中に古毛布を敷く。
そして軒下の雨の当たらない場所に
そっと置いておいた。
次の日の朝
小さな塊が4つ。誕生していた。
母猫になったミミは満足そうに
自慢げに私に子猫を見せた。
以前から彼女とは不干渉の掟ができていて
彼女と私はお互いを警戒はしなかった。
三毛が3匹。ということはメスが3。
そしてこの茶トラはオスか。
はちみつ色の毛の色と
首で区切れる白い毛の配分まで
大ボスにそっくりな子だった。
いつもはしないのに
気まぐれで私はその子らの写真を撮った。
ミミはそれを黙ってみていた。
上の左から はな・だいきち(まる)
下の左から りん・すず
何かの法則があるでなく
彼女らに適当な名前をつけて
彼女らの今後を見守ることになった。
野良猫として生まれて3年越しで
やっと母猫になったミミは
初めての育児にとても熱心だった。
フキの下で涼むミミとチビさん達
こちらを向いているのはハナ。
「何匹残るかな。」
野良猫の生活はシビアで
カラスに子猫を奪われたり
朝晩、散歩と称して放された飼い犬が
子猫を食い殺したりすることもあった。
キツネやイタチそれらも子猫を襲う。
いつも裏庭の猫が増えないのは
ほぼ3年ほどの親猫の寿命と
残酷に淘汰される子猫のせいでもあった。
そして3ヶ月ほどして
ミミが居なくなった。
残った子猫は必死に生きようと
狩の見真似などをしていた。
だが一番不器用な兄猫が衰弱し始めた。
私は迷った挙句に
彼らに手を出すことにした。
餌付けは=飼い主とみなされる
それに私の家にはまおさんがいて
彼女らとの濃厚な接触も怖かった。
その先
その子猫をどうするの?
そんな気持ちもずっと渦巻いていた。
家の老朽化もあって
引越しも控えていた。
ずっとずっと迷って苦しかった。
私が彼女らに手を貸すことが
本当に彼女らによかったのか
それすら確証もなにも得れず
ただ迷い続けていた。
その間にりんとだいきちが行方不明になり
だいきちだけ見つけてつれて帰ったが
りんは行方不明になってしまった。
…私の踏ん切りが悪かったために。
そしてまおさんと子猫を背負っての引越し。
血液検査で彼女らがノンキャリアと知って
倒れそうになるほど驚いた。
そしてマイとかちでの飼い主さん探し。
縁がつきそれぞれ卒業して。
そして今
手元にまた子猫が
そして卒業。
なんだろうね。この1年は。
でも、あの昨年の6月28日に生まれた命が
それぞれの家で大切にされているという知らせを受けると
本当にただただ申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
あれから1年。
だいきちはまるさんになって
はなさんには2匹の先輩がいて
すずさんはお嬢様猫となった
あの時生まれた命が
こんなに大きくなった事を
知ることができる私は本当に幸せなんだろうなと思う。
ありがとう。
まる。すず。はな。
そして誕生日おめでとう。満1歳だね。
これからも猫のお仕事頑張って
家族を愛で満たしてください。
これから卒業してゆく子猫らが
偉大な先輩らに見習ってよい家族に出会えますように。
すべての人と すべての猫に
ありがとう。
かな猫
いつまでも大きなおなかを引きずるように
裏庭のフキの下を歩いていた。
「ミミやー。ミミやー。」
裏のおばあちゃんが彼女を呼ぶ声がしていた。
彼女はここにずっと長く居付いていた
大ボスの末裔で
おばあちゃんの家でゴハンをいただいていた。
おじいちゃんも無理に追うこともなく
私も猫を威嚇しないせいか
彼女はよく私の家の裏庭で涼んでいた。
私は彼女の一族が衰退したり
繁栄しているさまをただ黙って見ていた。
モテモテだった妹猫と違い
彼女はなかなか発情もせず子を持つこともなかった。
妹猫が居なくなった春
彼女のおなかが大きくなった。
野良猫としては遅めの3歳の初子だった。
天気予報を見る。
今夜は雨か。
箱を用意して中に古毛布を敷く。
そして軒下の雨の当たらない場所に
そっと置いておいた。
次の日の朝
小さな塊が4つ。誕生していた。
母猫になったミミは満足そうに
自慢げに私に子猫を見せた。
以前から彼女とは不干渉の掟ができていて
彼女と私はお互いを警戒はしなかった。
三毛が3匹。ということはメスが3。
そしてこの茶トラはオスか。
はちみつ色の毛の色と
首で区切れる白い毛の配分まで
大ボスにそっくりな子だった。
いつもはしないのに
気まぐれで私はその子らの写真を撮った。
ミミはそれを黙ってみていた。
上の左から はな・だいきち(まる)
下の左から りん・すず
何かの法則があるでなく
彼女らに適当な名前をつけて
彼女らの今後を見守ることになった。
野良猫として生まれて3年越しで
やっと母猫になったミミは
初めての育児にとても熱心だった。
フキの下で涼むミミとチビさん達
こちらを向いているのはハナ。
「何匹残るかな。」
野良猫の生活はシビアで
カラスに子猫を奪われたり
朝晩、散歩と称して放された飼い犬が
子猫を食い殺したりすることもあった。
キツネやイタチそれらも子猫を襲う。
いつも裏庭の猫が増えないのは
ほぼ3年ほどの親猫の寿命と
残酷に淘汰される子猫のせいでもあった。
そして3ヶ月ほどして
ミミが居なくなった。
残った子猫は必死に生きようと
狩の見真似などをしていた。
だが一番不器用な兄猫が衰弱し始めた。
私は迷った挙句に
彼らに手を出すことにした。
餌付けは=飼い主とみなされる
それに私の家にはまおさんがいて
彼女らとの濃厚な接触も怖かった。
その先
その子猫をどうするの?
そんな気持ちもずっと渦巻いていた。
家の老朽化もあって
引越しも控えていた。
ずっとずっと迷って苦しかった。
私が彼女らに手を貸すことが
本当に彼女らによかったのか
それすら確証もなにも得れず
ただ迷い続けていた。
その間にりんとだいきちが行方不明になり
だいきちだけ見つけてつれて帰ったが
りんは行方不明になってしまった。
…私の踏ん切りが悪かったために。
そしてまおさんと子猫を背負っての引越し。
血液検査で彼女らがノンキャリアと知って
倒れそうになるほど驚いた。
そしてマイとかちでの飼い主さん探し。
縁がつきそれぞれ卒業して。
そして今
手元にまた子猫が
そして卒業。
なんだろうね。この1年は。
でも、あの昨年の6月28日に生まれた命が
それぞれの家で大切にされているという知らせを受けると
本当にただただ申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
あれから1年。
だいきちはまるさんになって
はなさんには2匹の先輩がいて
すずさんはお嬢様猫となった
あの時生まれた命が
こんなに大きくなった事を
知ることができる私は本当に幸せなんだろうなと思う。
ありがとう。
まる。すず。はな。
そして誕生日おめでとう。満1歳だね。
これからも猫のお仕事頑張って
家族を愛で満たしてください。
これから卒業してゆく子猫らが
偉大な先輩らに見習ってよい家族に出会えますように。
すべての人と すべての猫に
ありがとう。
かな猫
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