2012826(日)

ハロー、アノーリ - ホッキョクグマ キャンディの故郷を訪ねて

動物×67

ハロー、アノーリ - ホッキョクグマ キャンディの故郷を訪ねて

(写真)ヴィルマとアノーリの母子 Eisbären „Vilma“ und „Anori“ @Zoo Wuppertal am 23.8.2012

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デュッセルドルフから電車で30分弱、ヴッパータールへアノーリ(Anori)を観にいきました。2012年1月4日生まれ。0歳のメスのホッキョクグマです。この子は子ねずみちゃん(Mäuschen)と親しみをこめて呼ばれています。ぬれたときの姿がねずみですものね。

そしてヴッパータールはホッキョクグマ キャンディの生まれ故郷でもあります。私は日本にいるホッキョクグマのルーツに決して詳しくはないのですが、20年位前は海外から積極的に導入していたのですね。

街中を走るこんな電車は街のシンボルです。乗りましたが、結構ゆれます。

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Schwebebahn @Zoo/Stadion (注:これはデュッセルドルフからの電車ではありません)

ヴッパータールの町は、中心部にいかない限りさびれきっています。まあ普通の田舎町ですね。ドイツ特有の狭い息の詰まる感じがあって、住みたいとは思わない場所です。

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アノーリの母はロストック出身のヴィルマ(Vilma)、父はベルリン出身のラルス(Lars)、ラルスはクヌート(Knut)の父ですので、アノーリはクヌートの母違いの妹に当たります。そんなわけで、アノーリはまずクヌートの妹ということでメディアに騒がれました。

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ドイツ人は思いのほかホッキョクグマへの愛着が深いです。キャンディも同じように騒がれたのかな?

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地元紙によるとラルスはヴィルマの母のヴィエンナとペアリングするために5月にロストックに移動になりました。広い展示場を母子に譲ったわけです。報道によると、今年生まれた子はアノーリ一頭なので、実績のあるオスにはがんばってもらわないとと書いてありました。

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短時間見ただけで性格まで到底わかるものではないのですが、印象としてアノーリはとてもかわいい顔の女の子だということです。ホッキョクグマの子供はみなかわいいのですが、特にこの子は目の表情がとてもいいです。遊び方はおてんばという感じはなく、おとなしめなのですが、お母さんにはちょっと抵抗してみたりもします。ヴィルマは大柄なホッキョクグマで美人で有名です。

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ヴッパータール動物園は自然がいっぱいなのですが、展示の仕方は動物中心で人は動物を追いかけて歩かされることになります。その上、動物園は住宅街にあるのですが、ヴッパータールの町並みはさすがにTal(谷)といわれるだけあって、まるで箱根の町を思わせるような急坂が住宅街と動物園の周りを囲んでいます。そこで、訪問者は大変な運動を強いられるわけです。

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(木の先にいる野鳥はカラスではありません)


たとえば、ライオン舎は広々とした草原の中にあり、展望階段を上がっていく場所もあるのですが、私が行ったときは、階段の近くではなく、隅の日陰に固まっていました。

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ホッキョクグマ舎自体はそれほど広いわけではないのですが、熊のいる場所はプール側と小スペースの2箇所があります。そして、見学場所は合計4箇所に別れており(かつ正面から見ることはできない)、その上熊たちは自由に獣舎内に入れるようになっているため、目の前で見えないときは、小スペースにいるのではないかとうろうろするわけです。プール側の正面にはアシカのプールがあり、ホッキョクグマのプールの左右を行き来するには、このアシカプールの周りを往復することになります。

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また、授乳の場面は見られなかったので授乳はおそらく獣舎内で行われていると思われます。

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私は多くのホッキョクグマを見ているわけではありませんが、ニュルンベルクの双子と同様、この母子も人に対する反応はありません。(「くださいポーズ」など)

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欧州の動物園の慣例に従い、アノーリもおそらく最低2年間はお母さんと一緒にすごすことになります。どんな子に育つか楽しみです。

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アノーリの動画も載せておきます。ガラス越しの撮影ですので映りこみはお許しください。

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小話

ドイツ鉄道

ドイツ国内の移動では必ずお世話になっていて、その接続システムには感心しているのですが、やはり電車の遅延は必ず考慮に入れたほうがいいです。同じホームにいる前の電車が遅れると、ホームの変更なども発生するので駅での放送には注意を払います。

今回私は、ヴッパータールからサルツブルクへの移動がありました。11時過ぎにデュッセルドルフからミュンヘン行きのICEに乗り、ミュンヘンでECに乗り換えです。到着が18時予定。その後3時間後に夜の予定がありました。普段移動直後には予定は入れないのですが、ヴッパータール訪問の予定を無理に入れたためこんな感じになりました。

結論を先に言いますと、「心配したけど終わりよければすべてよし」というところでしょうか? 今回は運も味方してくれました。いつもこんなわけには行きません。

デュッセルドルフを定刻どおりに発車したICEはケルンを過ぎ、ボン近郊の停車予定のない駅で車両故障で乗客全員が降ろされます。同じミュンヘン行きのICEが10数分後にあることはわかっていました。ただ、その電車のミュンヘン到着予定時刻とECの発車予定時刻が同刻のため、乗り換え時間がありません。

結局、乗客全員がボンの駅で重い荷物を引きずりながら階段を上り下りし、別のホームで駆け込むように後続のICEに乗る羽目になりました。でもため息をつく人はいても、駅員に怒って噛み付く人はいませんでした。その時点で後続ICEの定刻から25分遅れ。もともとの予定から45分遅れ。

車内では車掌が回って一人ひとり乗り換えの案内をしていました。もともとの電車と後続車では終着駅は同じものの経由地が異なっていました。私自身は最善の策をとるしかないと覚悟を決めていました。車掌によると、予定のECの後、最悪でも1時間後にまた電車があるということでした。よって、到着後少し忙しくなるけれども何とか予定には間に合うと思いました。

ここからすごいのがICE。マンハイム・シュトゥットガルト・ウルムと走る間に25分の遅れを取り戻し、ミュンヘンには定刻に到着しました。そして到着前の車内放送では「グラーツ行きのECに乗る人は、発車時刻が定刻の16:27から32に変更になりましたから乗り換え間に合いますよ。」ということでした。5分の乗り換え時間では、長いホームの端までいくのにかなり急ぎましたが、結局ECは発車時刻を10分遅らせてくれ(ECの車内放送で接続の関係でミュンヘンで長く停車したとの説明あり)、予定の電車に乗れました。ECは遅れを取り戻すようなことはせず、遅れたままでしたのでさらに乗換えがある人は難儀したようでしたが、私にとっては幸運なことでした。

一方、もともと予定通りの電車で移動していたにもかかわらず、遅延に巻き込まれた、マンハイムでバーゼルへ乗り換え予定の女性は結局マンハイムで1時間待つ羽目になりました。

長々書きましたけど、何事も順調に行けばもうけもの位に思えば腹も立ちません。うまく対応することのほうが大事ですね。(ただ、ICEで樽のようなおばさんが私の荷物の上に腰を下ろしたときは、立つように強く要求しました。よろけたんだとか言い訳を言っていましたが。)

そういえば、ケルンの動物園で43歳の女性飼育員さんがアムールトラに襲われてなくなったそうですね。トラは園長
によって射殺されたとか。猛獣の飼育は命がけです。

素っ裸

8月のドイツも暑かったです。私の経験でも、家から一歩で手あれほど暑いと思ったのは久しぶりです。

バイロイトでも暑くて、女性は服で調整できますが、男性は大変です。長袖に上着、ネクタイです。(私も東京での仕事着は長袖に上着ですよ)

それでも、彼らは"sehr warm"(英語でvery warm)と表現するんですよね。「暑い」とはいいません。私はそんな表現に慣れていますけど、ちょっとおかしいです。サルツブルクでタクシードライバーにその話をしたら笑っていました。

今回私はドイツ人の一般家庭に滞在しましたが、そこのご婦人が、「20キロ近郊の森の中で水浴びして気持ちよかった」と話をしてくれました。そのときの会話:

私:「裸で?」
婦人:「そう」
私:(もういちど)「裸?」
婦人:「そうよ。気持ちがいいわよ」

ドイツ人は水浴びするとき、それがたとえ道路や電車から丸見えのところでも生まれたままの素っ裸です。私たちも温泉や銭湯では裸ですが、外で丸見えの場所ではやらないですね。ほかの国の人でもそんな習慣はあまりきいたことはないです。

男性は大変

上で男性は大変という話をしましたが、海外に来ると女の私は気分がいいし、男性は見ていてつくづく大変だなとおもいます。

カフェテリアで見ていても、席取のため早々と座っているのは女性、食べ物と飲み物を調達して運んでくるのは男性です
。そして、早々と食べ物を口にするのもご婦人のほう。

戸の開け閉めや座るいすにも気を使います(これは私もしますよ)。エレベータを我先に降りようとする人たちとは格が違いますね。

Ah Monsieur Vogt! (ああ、フォークトさん)

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今年のバイロイトに関して軽くお話しておきますと、音楽の出来はどの演目もここ数年の完成度を反映してとてもすばらしく、一時期の低迷を脱したように思います。その中で特に喝采を浴びていたのが、白鳥の騎士役のKlaus Florian Vogt氏でした。この春東京にも来日していますので、体験された方も多いと思います。
たぶん容姿端麗なことは大いに関係しているとは思いますが、スタンディング・オーベンションをうけるほどかな?と私は思いました。

それとさすがにパルシファルの完成度はすばらしいです。オーケストラとグルネマンツが特にすばらしい。今年は、地元映画館での上映もあって、テレビでも放映されました。

youtubeにもありますので、リンクだけ載せておきます。

第一幕外部リンク
第二幕外部リンク
第三幕外部リンク

舞台設定は20世紀で、第一幕の終わりから第二幕は第二次世界大戦のフィルムや、ハーケンクロイツも登場します。花の乙女は従軍看護師です。それでも、20年位前にあった露骨な戦争表現からはかけ離れていて、ドイツ人も嫌悪の反応をすることはありませんでした。

それにしても、この曲の精緻さと完成度は奇跡といってもいいと思います。確かに要求されるものも大きいのですが、出会うたびに喜びで心を満たしてくれます。

また、今年は劇場の外にユダヤ人として迫害を受けたり、ユダヤ系であることを理由に出演機会を奪われた人たちの写真と略歴を展示してありました。ドイツ語でもKZ, deportieren, Vernichtungなどの用語を見るとつらくなります。私は広島へ行ったことはありませんが、被害者と加害者の差こそあれ、同じような沈んだ気持ちになるのでしょう。






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