2011810(水)

晴れ 時々どしゃ降り


晴れ 時々どしゃ降り

(写真)バイロイト音楽祭のチケット 2011.8.9

カメラを持参して外出したにもかかわらず、SDカードはパソコンに差したままでした。

今日は、写真は部屋で撮ったものでお茶を濁します。

相変わらず、気温は低いです。最高気温16度、最低気温8度。晴れ間と太陽が出ていると思えば、急に曇ってどしゃ降り。こんな天気です。

実は、昨日のホッキョクグマのブログの最後の動画の後、突然どしゃ降りが来ました。みな近くの売店の日よけ傘に避難。

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今朝も時差の関係で早朝からブログを書いていたのですが、雨音が激しかったですね。

3時ごろ劇場へ向かうのに歩いていたところ、地元の親切なご夫婦が車に乗らないか、といってくれました。雲行きが怪しいから、劇場まで送るというのです。このご夫婦、昨日のローエングリンを観たときもひどい雨が降ったといっていました。私が熊を見ていたころの時間ではないかと思います。

バイロイトでは、世界中からの訪問者のほかに地元の愛好家に大体1演目の切符を提供するのです。ですから地元の人はなかなか鋭い評論家でもあります。

今日は、バイロイト詣で(pilgern)の初日です。演目はパルジファル。作曲家ワーグナーの最後の作品であり、音楽的に言えばもっとも完成度の高い作品です。

今日は、10:30から毎年バイロイトで期間中当日の演目の解説をしてくれるピアニストの公演を聴きに行きました。

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シュテファン・ミキッシュさん。部分部分の階調がどのようなことを表現しているかを解説しながら、それをいろいろな作曲家の作品をつなげて見事に演奏していきます。

その作曲家は、

バッハ、モーツアルト、ベートーベン、ブラームス、ヨハン・シュトラウス、リヒャルト・シュトラウス、ラベル

と多種多彩です。オーケストラ作品も自由自在にピアノで演奏するので音楽だけでも楽しめます。

そして、パルジファルの音楽は人を幸福にしてくれるのだと久しぶりに思いました。

Erloesung dem Erloeser (救えるものを救う)がテーマですから。

そして、4時からは本番の丘の上にある祝祭劇場でのオペラ。

思えば、私がこの地を始めて訪問したときの初めての演目もパルジファルでした。

バイロイトでは毎年5-7演目の中から1つ抜きに出てすばらしいできばえのものがあります。この年はパルジファルだったのです。そして文字通り打ちのめされました。(特に音楽面のすばらしさに)

今日のパルジファルは、普通の出来かな? 私がこのプロダクションを見るのは2年前に続き、2回目です。私は評論家でも専門家でもないので、自己中心的なあいまいな表現しかできないので、お許しください。

舞台のつくりはその前のプロダクションで、有名な舞台演出家のシュレンゲンジーフのものの対局だと思います。前のプロダクションが不評で(舞台上がごみだらけで、不快な映像(たとえば最後の救いの音楽がなっている最中に、ウサギの死体を蛆虫が這っていく)が多かった)数年で終わってしまったため、まず視覚上の美しさを追求したのだと思いました。これは、2年前の印象と同じです。

ただ、観ていくうちに細部で??でしたね。1幕で聖杯の騎士などに白鳥の羽が生えているのは、正直言って不快でしたし、ところどころでパルジファルの母ヘルツェライデ、クンドリー、そしてアンフォルタスが妙に絡むのもよくわからなかったです。話の内容よりずっと以前のパルジファルの誕生の場面やヘルツェライデの死の場面が舞台で繰り広げられること、クンドリーとアンフォルタスの間の子がパルジファルであるように見える場面など、支離滅裂なこともありました。

これらの疑問は、私の中で後から解決するのですが。

2幕で、クリングゾルの城がハーケンクロイツの旗で彩られ、ドイツ兵とともに破壊される場面を見ると、ああ、またかと思いました。

とにかく、ドイツ人は戦争の負の思い出を決して忘れることはできないのです。

そして、3幕を観たときに、やっとこの舞台のテーマが、パルジファルのせりふである

Ich hatte viele,
doch weiss ich ihrer keinen mehr.
Ich hab' eine Mutter, Herzeleide sie heisst!

(私には名前がたくさんあったが、どれも覚えていない。私は母がいたことだけを覚えていて、ヘルツェライデという名だ。)

ということと、

Erloesung, dem Erloeser (救えるものを救う)

ということで、細部は重要ではないと思えたのです。

つまり、全体のつくりは空間的にも時間的にも無次元で1幕はどこかのUralt(原始時代)、2幕はナチズムの崩壊、3幕は現代もしくは未来の地球全体を表現しています。3幕では、劇場にいる私たちの姿も鏡で映し出されますし、最後の場面では地球らしき球形の物体も現れます。聖杯騎士の並び方は、まるでドイツの国会議事堂のようです。

確かに、パルジファルは時間的にはいつの時代をも反映しうる作品だと思うので、こんなつくりも可能なのです。

後は、好き嫌いの問題ですが4時間半の作品をこれだけの簡単なテーマであらわすということは無理があるのか、ちょっと懲りすぎた嫌いもありました。

音楽的には、作品がいいので普通に演奏すれば拍手をもらえるわけで、ちゃんと喝采を得ていました。タイトルロールは、ニュージーランド出身のテナーで、本ではニュージーランドでワーグナーは珍しいのでは?と質問されて、そんなことはない、ニュージーランドのワーグナー愛好家は多いですよ、と反論していました。

もう遅いので、このくらいにします。また明日。






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