エッセイ(28)


20111021(金)

自転車保険?


最近自転車が増えました。

環境にやさしいですし、先日の震災で交通手段が途絶えることで、自転車が見直されたんですね。

ただ、まだ自転車の交通ルールが徹底されていなくて、マナー違反の自転車乗りが多いです。

歩道を歩いていても、はらはらしますし、腹立たしいと思うことが多いです。

「自転車は、基本的に車道を走る」

これが、法律で定められたルールです。基本的、というのは例外があります。子供と70歳以上のお年寄りは歩道を走れます。それと、自転車専用レーンが定められていればそこを走ることも許されています。

先日、テレビで自転車と歩行者の衝突事故のシミュレーション実験が放映されていました。思い切りぶつかると、歩行者が死亡することもあり得るということでした。

私も、かつて無灯火の自転車と暗闇で正面衝突したことがあります。大変な痛みでした。幸いにもあまりスピードが出ていなかったので、けがには至りませんでしたが、痣ぐらいはできたと記憶しています。

数年前には渋谷の交差点(渋谷というだけあって、駅周辺は谷になっています)で、信号待ちのお年寄りが時速30キロの自転車にはねられてなくなる事故がありました。

このような事故の当事者になった時、保険はあるのでしょうか?

かつて私が、自動車免許の書き換えのときに見せられたビデオで、死亡事故を起こした加害者側が遺族への賠償責任を問われ、本人は刑務所で服役中でも、その家族が負担しなければならず、妻がパートでぼろぼろになって働き、免責をお願いしても、聞いてももらえず、挙句の果てに自殺するというものがありました。

このようなものを見せられると、車の運転はいやだと臆病風が吹くものですが、実際のところ、保険に加入していれば、少なくとも金銭的にこのような悲惨な目には合うことはないのではないでしょうか?

しかし、自転車の場合は?

自転車保険は保険会社のメニューにはあります。自動車保険に付帯している場合もあります。

しかし、一般に認知度が低い気がします。加入率16%というデータもあります。

保険に未加入で加害者になった場合、賠償のために一生を棒に振るようなことになるのでしょうか?

そんなことになったら、加害者はもちろんのこと、被害者も悲惨です。

これだけ、自転車が増え、事故も増えている今、ライダーの皆さんには再度危険度を認識していただきたいと思います。



2011910(土)

力士から学ぶこと多いです


明日、大相撲が始まりますね。

先ほど協会のサイトを見たら初日、千秋楽を含め結構チケットが残っているので驚きました。

大相撲、この1年半不祥事で揺れました。中には、非常に批判的にご覧になっている方もおられると思います。

しかし、最近大相撲放送を観ていて真摯に思うのは熱戦の面白さもさることながら、彼らの

  • 力士の相撲への取り組み方
  • 日々の精進
  • 勝負に対する厳しさ

が、自分の日々の過ごし方、仕事への取り組み方に反映できるということなんです。

幕内力士は心身ともに一流に磨かれた若者であるだけに、私は彼らから発せられる言葉に、一目も二目も置いています。

20代の若僧の言うことなど、と思わずに彼らの姿勢も見てあげてください。学ぶことは多いです。



201198(木)

円高是正と自己否定的な円買いと


財務相、G7「円高で厳しい日本の経済状況を訴えたい」

2011/9/8 10:30

 安住淳財務相は8日午前、9~10日にフランスで開催される主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議に向けて「日本の今の経済状況、特に円高の中で非常に厳しい状況だし下振れ感もあるので、そうした認識は白川方明日銀総裁と一緒に世界各国のリーダーに訴えていきたい」と意気込みを語った。

(後略)日経電子版より
円高是正と自己否定的な円買いと

(資料)ドル円レート 1970年より。赤:名目レート 青:実効レート 日銀

円高、止まりませんね。最近の動きから1ドル76円台でやっと底が見えてきた感じはしますが。

輸出の実需筋からはさらなる為替介入への期待(というより要望)が高まっています。

日本は輸出国ですから、当然円高は企業業績そして、日本経済全体に悪影響を与えるといわれています。

また、円という通貨は不況時に高くなる傾向があり、2重苦です。

一方で「過去40年円高傾向にあるのに何をいまさら」とか「日本はデフレで実行為替レートに換算すると必ずしも円高とは言えない」という反論もあります(上記グラフを参照ください)。しかし、今日この日を生きている企業経営者にとって、40年前のことより、今の名目の数字が大事になるでしょう。

経済産業省の9月1日付の調査結果(下記参照)外部リンクによりますと、「企業行動として海外調達を増やすとか、生産拠点の海外移転などで対応せざるを得ない。」と企業は回答しています。

さて、今日このブログで言いたいのは、このようなありきたりのことではなく、あまり表だって言われていないことです。

この1年で日本政府は3度為替介入を実行しました。9月15日の菅代表選出の翌日(2兆1千億円)、3月18日大震災後の協調介入(7千億円)そして、8月5日(4兆5千億円)。

介入によって最大4円くらい円安になります。

しかし、この介入の効果は数日で消え、元のレートに戻りました。

それでは、だれが売っているのか?もちろん投機筋もありますが、大きいのは実需の売りなんです。輸出企業の財務部の部員が円が安くなるその瞬間を狙ってドル円を売りたたいています。(つまり円を買っています。)

9月8日時点でのドル円水準は77円30銭程度。このすぐ上の78円台にはこの実需の売りオーダーがびっしり並んでいるといわれています。もともと彼らは80円台で売りオーダーを出していましたが、80円代では売れず、77円、78円まで下りてきています。

別に彼らが、為替差益を享受しようというのではありません。簡単に言えば、輸出して物が売れれば外貨がたまります。これをどこかで円にしなければならないという、それだけのことです。

「円安が望ましい、しかし背に腹は代えられず円を買わねばならない。そのとき円は1円でも安くなればありがたい。」

というのが本音でしょう。「介入をお願いします」、と財務大臣に陳情している大企業もあるようですが、その時は喜んで円買います、というわけです。

私は、投機筋もさることながらこの実需のドル売りが円高に大きな影響を与えていると思っています。9月になり半期末を控えればなおさらかもしれません。

今朝発表された貿易統計を見ればわかるように、日本は貿易黒字国です。震災の影響で昨年同月比で40%の下落とはいえ、7月の経常収支は9902億円の黒字となりました。つまり、国外で物を売って、それを円に換える。つまり円を買う需要のほうが売る需要より多いのです。構造上円高になります。

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(グラフ)貿易収支(棒グラフ)と経常収支の推移(1996年より)単位億円 日銀資料

一方、中小企業は深刻ですね。円高によってアジアの周辺国と直に競争することになりました。国外で事業展開しないと、というのは本音でしょう。

それでは、円を売りドルを買ったポジションはどうなるか?ということですが、過去の介入分はほとんどが含み損となって残っています。ただし、米国と日本の金利差分は利益となっていわゆる「埋蔵金」として損をある程度相殺していたのですが、これも最近使ってしまいましたね。つまり、巨額な含み損だけが残っているわけです。

円高、なかなか複雑です。


(資料)「現下の円高が産業に与える影響に関する調査」の結果の公表 経済産業政策局 調査課 平成23年9月1日(木)

http://www.mytokachi.jp/blog/kurome/uploader/1315457284.pdf
http://www.mytokachi.jp/blog/kurome/uploader/1315457295.pdf
http://www.mytokachi.jp/blog/kurome/uploader/1315457310.pdf



2011817(水)

ロッシーの結婚とララファミリーの今後


ロッシーの結婚とララファミリーの今後

(写真)ロッシー

日本平動物園のロッシーのお嫁さんが明日来日します。まずはおめでとう。

国内では、ロシアからの来日組とララ・デナリの5頭の子供たちのペア探しはこれからも難航しそうですね。

その次の世代(つまり、彼らの子供のペアリング)を考えると、これら同志をペアリングさせることはできないのですね。

ララが先日、日本動物大賞・功労動物賞を受賞しました。この授賞理由が、「4回の出産、5頭の生育に成功を重ねた功績は大きい。」というものでした。

しかし、このララの功労がかえってその子供たちのペア探しを難しくさせるなら、皮肉なことですね。



2011811(木)

舞台とは一線を画す音楽作りのトリスタン バイロイト音楽祭 8月10日


舞台とは一線を画す音楽作りのトリスタン バイロイト音楽祭 8月10日

(写真)バイロイト祝祭劇場ミッテルロージェからみた町並み 午後5時半ごろ

本日は、気温は低かったですが雨は降らなかったです。

今日はトリスタンとイゾルデでした。このプロダクションを見るのは3度目です。そういえば初年度には日本人の指揮者が颯爽と出てきて、この一年で降りることになったいわくつきのプロダクションです。

私も初年度に観ています。

その後は、ピンチヒッターとして定評のあるウィーン出身のペーター・シュナイダーが振っています。

画像

はじめに音楽の話をしましょう。シュナイダーは以前はあまり特徴のない指揮振りだったのですが、この数年変わってきているように思います。

今日は、第2幕の2重唱に全体のピークを持ってきていたように思います。

しかし、いつもこのオペラはすごいと思います。4時間あまりの演奏時間で主役の二人のどちらかは常に舞台上にいて、場を引っ張っています。主役のどちらも実力とともに超人的なスタミナが求められます。

そして、このピークが第1幕の終わりで2人が愛の媚薬を飲むところから、第2幕の延々40分続く2重唱なのです。

私は個人的には、この2重唱はヴァルキューレの第1幕と同様「ああまたやってる」程度にしか思わず、むしろ第1幕のイゾルデの怒りの場面、第3幕のトリスタンの自らの生い立ちを語る場面に魅力を感じていたのでした。

しかし、今日はそれらの場面よりも、2重唱で二人が二人を別れ別れにする光と昼をのろい、自分たちの愛の名前こそがトリスタンとイゾルデというのだと語り、結論として永遠に一緒にいるために死んで生きましょう、という言葉の盛り上がりがよくわかり、この場面に最も感銘を受けたのでした。

歌手では、包み込むような美声がすばらしい、イゾルデ役のイオーナ・テオリンがぴか一で、トリスタン役の米国人ロバート・ディーン・スミスもやわらかい美声で魅了しました。このディーン・スミスはバイロイトで育ったようなテナーで、このプロダクションでは唯一初年度から歌っています。(端役はわかりませんが)

ロバート・ホルのマルケ王もさすがリート歌手らしい正確な歌唱でした。

画像

そして、舞台の話ですが、このトリスタンという作品はその性格上、ローエングリンと並んでみる側が舞台の美しさを期待する作品だと思います。

この前のプロダクションのハイナー・ミュラーの演出では第1幕の光の使い方に感銘を受けました。反対に第2・3幕はいただけなかったですが。

このプロダクションでは、光を丸型の蛍光灯で代用し、これらを揺らしたり点滅させたりしていました。それから、第2幕でイゾルデに趣味の悪い黄色のスーツを着せて、古ぼけたスタイルの鬘をかぶせたりしています。

そして、登場人物の奇妙な動作が目立ちます。たとえば、第1幕で散乱したいすをイゾルデが倒す。第1幕の終わりで、イゾルデの侍女ブランゲーネが、愛の媚薬を飲んだ二人をはじめはにこやかに見ているのに、急に真剣な顔になって「どうしよう」と叫ぶ。第2幕で、トリスタンの従者クルベナールが意味もなく卒倒する。同じく第2幕でのイゾルデの正気ではない動作。第3幕でイゾルデが「トリスタンはどこ?」といいながら、まったく探すふりをしないことなど。

これらは、初年度観たときよりもかなり減ってはいました。(たとえば以前は、イゾルデは大きな音を立てていすを投げつけていましたが、今回は音が出ないようにそっといすを倒していました)そして、第2幕の2重唱は2人はほぼ棒立ちで、確かにそのほうが歌いやすいのでしょうけれども、ほとんど振り付けはないような感じでした。

うがった言い方ですが、出演者のほうも意味のない動作を控えたのかもしれません。

ですから、結論としては「目を瞑って」観るべきトリスタンということでしょうか? 私は、3度目でしたので舞台はあまり気にしないようにしていました。それで正解でしたし、音楽のできは相当高いレベルにあったので全体として大変満足しています。



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