エッセイ(28)


2011430(土)

ダイアナ「元妃」と呼ぶのはやめましょう


ウィリアム王子が結婚されて、今後ケンブリッジ公爵と称されることとなりました。

英国のメディアでは、王族の本名を呼ぶことはなく、新聞などでも称号で呼ばれます。

たとえば、

エリザベス女王は、The Queen、チャールズ皇太子はThe Prince of Wales、妹君のアン王女はPrincess Royalなどです。

ところで、今回の一連の日本の報道で、王子の母君のプリンセス・ダイアナのに関するものがこれでもか、というほど目につきました。

そこで気になるのは、「元妃」とか「元皇太子妃」と呼んでいることです。

こんな呼び方をするのは日本だけです。「元」を付けることで、離婚後は王族ではないことを強調したいのでしょうか?

かつて彼女の離婚後の正式呼称について、英国内でも議論があり、結局、

Diana, Princess of Wales

とすることにしました。彼女は今でもプリンセスなのです。

ただし、英国内でも皇太子妃の正式名称であり、普通名詞であるThe Princess of Walesと区別するために、彼女の本名に称号を付随させるようにしたのでしょう。

英国外のメディアでも、プリンセス・ダイアナと呼ばれます。

「元」などと離婚を強調するのは日本だけ。

ダイアナ妃と呼ぶのに抵抗があるなら、プリンセス・ダイアナと呼べばよろしい。そのほうがずっとチャーミングで、ご本人にふさわしい呼び名であると思いませんか?

ちなみに、皇太子と結婚した、日本でカミラ夫人と蔑称のような言われ方をしている方は、コーンウォール公爵夫人です。彼女は王族ですが、自らプリンセス・ダイアナに配慮して、プリンセス・オブ・ウェールズの称号は辞退しています。また皇太子が即位した後も、王妃と称さず王の配偶者(今のエジンバラ公と同じ呼ばれ方)となることを希望しています。

また、このカミラ公爵夫人は、接した方によると尊敬に値する、とても素晴らしい方だそうで、日本のメディアが皇太子の浮気相手のように報道するは全くお門違いのようです。



2011427(水)

風評被害の損害補償額の算出法を考察する


東日本大震災から50日が過ぎ、現在は復興そして原発被害の損害補償へ視点が移りつつあります。

福島第一原発周辺の農家、漁業関係者や住民の方々は東京電力に対する損害賠償を求める活動を開始しています。

風評被害に関しては、該当する法がないということで、損害額の算出が困難であるという報道があります。

はて?そうでしょうか?

たとえば、農産物が売れなくなった、もしくは価格が下がったということであれば、

 損害額 = 単位価格の下落 × 販売個数の減少

となります。当然販売見込み価格であり、個数を計算に使います。いわゆる無形資産(ブランド)価値評価方法ですね。
(注:計算式を単純化しています)

難しくしているのは、責任のありかの線引きではないでしょうか? つまり、風評被害額のうち、どこまでが東電の責任であり、どこまでが、「根拠のないうわさ」の責任なのか?

たとえば、銚子漁港で茨城県産の魚の水揚げを拒否している外部リンクのは、後者に該当し、東電の責任ではないでしょう。

福島からの避難民の児童をばい菌扱いする行為もしかりです。

千葉県香取市の農家が出荷制限のホウレンソウを制限措置を知りながら出荷していた外部リンク。このような行為も、結果的に千葉県全体のホウレンソウの価値を下げてしまう(消費者は、千葉県産のホウレンソウの安全性に疑問を持つことになりますから)愚かな行為です。

これも、東電の責任からは外れます。

このようなことをトータルで考えて、東電が負担する損害補償額は、上式の損害額の6割とか7割と考えるのが適当ではないでしょうか?

それでは、残りの3-4割は?

農家や漁業関係者が涙を呑むか、日本人全体の責任として国庫負担(ひいては税金負担)となるのでしょう。

こう考えると、風評とは、自らを痛みつける全く愚かな行為であると改めてわかりますね。



2011421(木)

菅首相は小沢グループの力を借りればいい


統一地方選前半で民主党の惨敗に終わり、民主党内、野党からも菅首相退陣論が活発になっています。

石原都知事からも、「素人なんだから、もっと官僚を使わないと」といわれる始末。

大震災の以前からずっと思っていたことなのですが、菅首相は小沢グループを排除することで何か利を得ることがあったのでしょうか。

首相は、海江田氏を閣僚に据えることと、何人かの副大臣に小沢グループから起用した、と「適材適所」を強調していますが、小沢氏とそのグループを排除することで一過性の支持率向上を狙ったとしか見えませんね。

その特効薬もとっくに消えてしまい、選挙のたびに敗北する民主党。

その挙句、大震災後自民党に大連立を申込み、断られる。

人材がいないのは当たり前でしょう。部下の半数を排除しているのですから。

ここで思い出されるのは、オバマ氏が大統領に当選してクリントン氏を国務長官に任命したことです。クリントン氏は、民主党の大統領候補者に立候補してから、痛烈にオバマ氏を批判してきた人物です。それによって民主党が2分するほどの分裂があったにもかかわらず、当の候補者を政権内の重要ポスト(しかもクリントン氏はそれまで外交の経験はほとんどありませんでした)に据えることで、分裂を回避しただけでなく、有能な人材を政権に獲得することに成功したわけです。

クリントン氏も上院議員を辞職して、この要請にこたえました。

一方菅さんは代表選後、小沢さんとそのグループの人材を拒否したことにより、民主党の有能な人材を約半数活用できずにいます。

それどころか、内閣不信任案で辞任に追い込まれた仙石氏と馬淵氏をどさくさに紛れて再登用する器の小ささ。

東日本大震災の被災地は東北・関東で、小沢氏の地元である岩手も含まれています。岩手では小沢氏に援助を申し込んでいるとか。

山口出身の菅首相や台湾出身の閣僚が対処したり、野党の力を借りたりしないで、東北出身の小沢氏の力を借りればいいではないですか。

うまくいけば、菅首相の人材登用が賞賛されるし、だめなら、小沢氏にも力がないということでしょう?

大将が自らの駒を活用できなくてどうするんですか?



<<
>>




 ABOUT
黒目
写真は趣味ではありません。期待しないでください。
日常感じたことを紹介していきます。

性別
属性個人
 ブログカテゴリ
 カウンター
2011-03-14から
66,557hit
今日:167
昨日:8


戻る