2010310(水)

3月9日を聞いて

日記×703

既に日付は昨日の事だが、NHKの夜7時半の番組、クローズアップ現代を観て、初めてこのような曲の存在を知った。

マイとかちでも時々目にする人気グループ、レミオロメンが歌うこの曲が、卒業式の歌に使われている事が多いそうだ。


僕の世代だと仰げば尊しや蛍の光がそうだったが、学校のコーラスコンクールなんかで翼などのフォークソングが歌われるようになって、その延長線上に今の歌があるのだろう。

番組では高校を卒業して就職する生徒が、現在の不景気に直面して就職難をどのように乗り越えてゆくか、そして周囲の人々の援助がどれだけ彼らを支えているかと言った側面を3月9日という曲とオーバーラップさせている番組構成だったのだが…、


今の子供達はなぜこんなあからさま仕掛けに乗るのだろう?

この曲だって、言ってみれば、こういう使い方を想定したものであって、演歌に良くある結婚式用の歌とそう変わらない。

どちらにも共通することは、歌われていることはまったく正論で間違いないのだが、


なんとも湿っぽい。

なんでこんな暗い湿っぽい歌をわざわざ若い子は歌うのだろう?

そしてきれい事を皆で声高らかに、時に涙しながら、トコロテンの様に社会に押し出されて、ハイおしまい。

15や18で、過去の思い出にすがるような心の弱さで、明日はどう生きてゆくというんだい?


親がしっかりと収入があれば、学力はなくとも進学は出来る。いつまで経っても子供のままでいられる。

そういう余裕がなければ、いやおうなしにも就職して自立する社会人になることは、何も不幸なことじゃない。

むしろ当たり前のことじゃないか?

なのに多くの人は不景気とそのことを結びつけて気の毒がっている。

同情されても就職先は増えるわけじゃない。

卒業を間近に控えて就職が決まらない高校生が介護職や魚をさばく水産加工や葬儀屋に新卒で入るなど、良いのだろうか?


その子達が卒業式で3月9日を歌い、一時のナルシズムに浸るのは、送り出す学校側の見識を疑いたいと僕は言いたい。


学校はここまでダメになっているのがよくわかった。


2年前だろうか、高校を卒業したばかりの男子生徒が駅のホームで人を突き飛ばし死亡させた事件があった。

親が不景気で職を失い、進学を断念、学校は進学志望だった生徒には就職活動をしていないので、18歳の彼にハローワークへ行くように薦めたという。

将来に対する絶望感が彼を凶行に駆り立てたらしいが

これが真実なら同じような事件は絶えないだろう。

若いシンガーのあんちゃんたちよ、いや、今じゃアーチストって言うそうだが、

柄にもない、湿っぽい感謝してますアイラブユーみたいな曲作るばっかりじゃなくて、軍艦マーチとはいわないけれど、気分も明るくなるような歌を作ってくれよ。


世の中は、感謝感謝で動いてるわけじゃないんだぜ。

みんな仕事だからと一生懸命やってるんだ。

安っぽい勇気や元気押し付けられちゃ息も詰まるぜ。






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