飼育係2(11)


2009525(月)

エコ と 経済



突然ですが、

みなさんは「エコバッグ」というものを持っていますか?


そういう 私は持っています。


最近よく耳にするこの「エコ」という言葉

エコカー、エコ家電、エコポイント、などなど・・



今、私に 最も関係があるのは
その エコバッグなのですが、


買い物をして帰り、
エコバッグの中身をみると、

ペットボトルや、プラスチックの容器がたくさん


エコバッグの 中身が エコじゃない。


ず~~~っと感じていたけれど、、

「エコ」の使い方を 間違えてはいないの!?

「エコ」って言葉のイメージで
ごまかしていない??


「エコ」は地球にやさしいし、
「エコ」は動物に優しいし、

「エコ」なことをすると気持ちがいいよね。

「エコバッグ」で買い物をすると「エコ」なんだ。

地球に良いことしたよね!!


家庭には 気持ちよく エコバッグ
企業にも 気持ちよく プラスチック


 ・・って、

なにかが違う気がするんです。



エコカーや、エコ家電、

燃費のいい車の方や
電気消費量が少ない家電の方が
もちろん環境にはいいです。


ただ、

地球環境にいいはずの「エコ」なのに、


どんどん作って、

どんどん売って、

どんどん廃棄しよう。

そして、経済はまわっていく・・


そんな景気目的・経済重視は

「エコ」のことなのでしょうか?


現在、私たちが
お金を払って購入するものは
どんなに長く使用するものであっても
いずれはそのほとんどが
ゴミになります。

世界的に見てとても裕福な国、
日本に住む私たちは

「未来、ゴミになるものを買っている」という事に、

あまり気がつかないでいたような気がします。



ただ、
最近の「エコ」という言葉の使われ方が
間違っている気はしますが、


私は 絶対に
「エコ」は大賛成ですし、

経済の活性化が
とても大事なことも
理解しているつもりです。


どうせ入れ替えをするなら、
できるだけ「エコカー」に「エコ家電」を
と、大きな声でお願いしたいし、

ソーラーパネルなどの

自家発電機器は広まってほしいし、

できるものなら 私もそうしたいです。



でも、


どうしても


今の「経済」は「エコ」とは

あまり 仲が良くないような感じがするんです。。。



最近、毎日のように耳にする

「エコ」という言葉

その言葉の意味はわかっていても、

本当の意味で「エコ」なこと、

現実性のある「エコ」なこと、


もっと 大きく聴こえるといいな


と、

長くて わがままな ひとり言でした。


この記事のURL2009-05-25 21:49:45

2008815(金)

最強 の 「 どうぶつ 」


「地上最強の動物は なんでしょうか?」と質問されたら、
皆さんは どんな動物を思い浮かべるでしょうか??

「百獣の王」ライオン でしょうか?
それとも、ネコ科最大の シベリアトラでしょうか?
最大の肉食獣ホッキョクグマや、アフリカゾウでしょうか?

私が最強だと考えるのは アフリカゾウです。
そして、肉食獣の中では、
ホッキョクグマのオスでしょうか。


でも、この「最強」は、陸の上、そして 1 対 1 で戦ったら・・という
限られた条件の中だけでの「最強」です。


現に、この2つの最強の動物、
アフリカゾウは、象牙のために人間に殺され、
人間の開発のために棲む場所を奪われ、絶滅の危険があり。
ホッキョクグマにおいては 地球温暖化で、北極の氷が少なくなり、
 こちらも絶滅の危険が迫ってきている動物だといえます。


エサを探して、ナワバリを守って、寝て、繁殖して・・

動物の本能は、動物たちのありとあらゆる行動を引き起こしますが、
その本能、行動の全ては、
最終的に 「 種 」 を守ることに集約されます。

1 対 1 の戦いで強くても、その 「 種 」 を守るたたかいにおいては、
アフリカゾウや ホッキョクグマは 、決して最強ではありません。

逆に、 「最弱」 の側に近いのではないでしょうか。。。


空想の上の「 1 対 1 異種動物戦 」ではなく

地球上で 今も実際に行なわれている
「 種 」 を守るたたかいの 「地上最強の動物」 は、
体の小さなネズミ のような動物なのかもしれません。


  ――――――――――――――――――\r

さて、話しは変わって、

私たち人間は、動物の中では 何番目に強いでしょうか?

1 対 1 の戦いでは、武器さえ持てば まさに「最強」です。

でも、「 体ひとつで 」という条件で戦うと、
私たち人間のライバルは・・・
せいぜい ヤギや ヒツジなどの 小さめの草食獣です。


そして、「種を守るたたかい」の場ではどうでしょうか?


少し先の未来のお話し、、
地球の環境破壊が極限まで進み、
地球の環境が激変してしまったら・・・


私たちはどうなるでしょうか?


地球上にある自然は限られています、
地上の面積も限られていて、もちろん 海の広さも。


でも、世界中の人口は増え続け、
 便利な物も増え続けています、


人が増えれば、食料が必要になる、だから森を切り開いて農地を増やす。

農地を増やせば 森が減り、地球温暖化が進み、天候が荒れる、
天候が荒れて 作物が採れなくなるから、農地を増やす。

農地を増やせば 森が減り、地球温暖化が進み、天候が荒れる、
天候が荒れて 作物が取れなくなるから、農地を増やす、、、

 そして、それを繰り返す・・・

その間も 世界の人口は増え続ける。
便利な物も 増え続ける。


そして最後に、地球上から 森がなくなってしまったら、、、
地球上に増えるものは 農地や、工場や、学校ではなくて、
「戦争」という醜い争い なのかもしれません。


これは、ものごとを全て 極端に悪い方、悪い方へと考えていった
たとえばの お話しですが、

私たち「人間」という「種」は、
以前、私たちが思っていたほど 「最強」 ではないみたいです。



もし、食べ物があまり育たない世界になったら、、
もし、現在の流通のシステムが機能しなくなったら、、
もし、世界中から全ての「物」が不足しだしたら、、

そうなる前に、
今は 私たち「ヒト」という「種」が 向かうべき方向を
探さないといけない 時期なんだとよく感じます。


この記事のURL2008-08-15 19:02:48

2008523(金)

「 便利さ 」 について


今回は、わがままな 「 ひとりごと 」 の中でも、
異様に長くて、とっても変わった話をしたいと思います。

話の中に 動物は1種類しかでてきません。
どんな話しかと言うと 「 便利さ 」 についてです。

最後まで読んでいただける方が はたしているでしょうか・・・


皆さんの身の回りには、いくつ 「 便利なもの 」 があるでしょうか?


私は、自動車に 毎日のように乗り、携帯電話も使います、
飛行機にも乗ったことがありますし、パソコンも使います。
ですが、これらを使っていても 最近は 「 便利だ 」 とは あまり感じません。

目の前になくて 「 困った 」 とは よく感じますが・・・


みなさんは どうでしょうか?

毎日、飛行機が飛んでいることや、
当たり前のように 携帯電話で簡単に話ができることを
「 便利だ 」 と、日々の中で感じているでしょうか?


使い始めた 最初の頃は 「 便利さ 」 を感じても、
慣れてしまうと あまり 「 便利さ 」 を感じないのではないでしょうか?


私たち人間は 昔から「 便利のもの 」 を作り続けているにもかかわらず、
その 「 便利さ 」 を普段は あまり感じないでいます。

「 便利さ 」 を感じない理由はなぜでしょう

それは、飛行機は 空を飛ぶため、
携帯電話は コミュニケーションを素早くするため、
自動車は 移動をすばやくするため そんな理由のために作られます。

ですが、野性的な見方をすると、
便利な道具を作り続ける理由の根本には・・
「 自分が 強くなるため 」
「 自分が 他より勝るため 」
「 自分が 生き残るため 」 という、
動物的な理由が存在するからではないでしょうか


     - - - - - - - - - - - - - -


「 自然界は 弱肉強食、弱いものは生き残れない 厳しい世界」と、
 よくいいますが、
結局、私たち人間の世界も 強くなるため、勝つために努力を続けます。

自然の厳しさとは少し違いますが、
『 弱肉強食 』 は 私たちにも当てはまっているのだと感じます。

私たちは 幸せになるために、今より新しいものを
今よりも 強力で、速くて、簡単で・・
そんな便利なものを作り続けて、、

でも、

どんなに便利な道具でも、
慣れてしまうと 「 不便さ 」 を感じ、
全員が持てば 「 当たり前 」
そして、結局・・
便利なものが無いときに感じる「 不便さ 」 だけがはっきりと残ります。


昔からみると 私たちは はるかに進歩しているといえますが、
私たちの 『 幸せ 』 は それと同じだけ進歩しているといえるでしょうか?


これを見ている みなさんは 「 今、幸せですか? 」


この質問の答えを出すことは きっと簡単ではないと思いますが、
10年前、100年前、1000年前、、
いつの時代に 同じ質問をしても、、きっと
その 「 答え 」 は 文明の進歩ほどは 変わっていないのだと思います。

幸せになるために作り続ける 「 便利さ 」 が、
直接 「 幸せ 」 とは繋がっていないばかりか、
幸せになるために作り続けてきた 「 便利さ 」 に、
今は、逆に支配されているような気がしませんか?


    - - - - - - - - - - - - - - -


ここで、今回の お話の中に唯一出てくる動物、
私たち 『 ヒト 』 です。

中には 「 人間が動物?? 」 と思われる方もいると思います。

ですが、動物園の飼育係として、動物達とかかわっていけばいくほど、
私は、「 人間も動物なんだな 」 と感じてきました。

そう感じた理由のひとつは、身体的なことで、
また、別の理由のひとつが、結局 現在も
『 弱肉強食 』 の自然の原則の中から抜け出せていないところです。

経済的に強い国が裕福だったり、強い企業が生き残ったり、
能力のある人が より豊かな暮らしができる社会であったり、
世界的に裕福な国、日本にいても 「 弱肉強食 」 は変わりません。


ですが、その 「 弱肉強食の社会 」 が悪い、というわけではありません。

「 弱肉強食 」 の裏には、「 人間的な欲 」「 人間的な思考 」 などなど・・
様々な理由があって、それを完全に失うと
大切な人間性まで失くしてしまうかもしれません。

ただ、できるだけ多くの人たちに感じてほしいのです、

私たちは 「 完璧ではない 」 ということを。


地上でもっとも 繁栄した種であるといえる私たちは、
地上でもっとも 自然を破壊して、
地上に動物たちが住みにくくしている種でもあります。

今日も 便利なものを作り続けている私たちは
今まで以上に 便利なもので、どうなりたいのでしょうか?
幸せになれるのでしょうか?
何かと競い合い、勝ち続けるためでしょうか?


地上で 最も賢いはずの 私たち 「 ヒト 」 は、
森を壊して 畑を作り、家を作り、ビルを作り、自然と 環境を破壊して、
次は 「 環境を守らなきゃ 」 とあてている。

今から 「 便利なもの 」 の競い合いをやめて、
人らしく 幸せになる方法を
世界中の みんなで考えることはできないのでしょうか?


私は飼育係なので、自然環境や、野生動物たちが心配で、
このようなことをよく考えてしまいます。

最初は野生動物たちが幸せに暮らせるかが心配でしたが、
最近は、私たち人間の未来も心配になってきました。


この状況を改善できるような、
とっても とっても 便利なものがこれからできるのなら
未来の問題も、環境の問題も解決できるのですが・・

私にはどうも とっても便利なものが完成する前に、
今まで以上に大変なことが 起こるような気がしてしまうのです。


この記事のURL2008-05-23 18:31:07

200842(水)

「かわいい」 は人の武器


「かわいい」 は人の武器

写真で見ると、大きなこの ウサギ、、実際に見ると・・

もっと大きいです!!

このウサギは 「 フレミッシュジャイアント 」 という種類のウサギで、
この 「 フレミッシュジャイアント 」 は 『 フランスの巨人 』
という意味です。

上の写真は メスの 写真で、

そして、下の写真が オスの フレミッシュジャイアントです。

画像

2匹とも、去年の6月に 札幌の円山動物園からやってきました。

現在の体重は 今年の2月6日に、
メスで 6キロ、オスは 5.9キロで、
一般的な 「 飼いウサギ 」 と比べると とても大きく感じます。


そして、こちらは 一般的な飼いウサギ、
「 ミニウサギ 」の子供たちです。

画像

去年の9月と 10月に生まれた子ウサギたちが 集団で暮らしています。
小さな子ウサギ達が ぴょんぴょんと飛び回る姿は
見ていて とても癒されます。

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「 ジャイアント 」 と 「 ミニ 」 の ウサギの大きさの違いは
後ろの ワラなどの大きさを 参考にして見ていただくと、
なんとなく見えてくるでしょうか?

「 ミニ 」の生まれた当時は、今より もっと小さかったのですが、
すぐに すくすくと 大きくなりました。

このウサギたちは おびひろ動物園で飼育していますが、
野生動物ではなく、ペットの動物たちです。


そして、反対に おびひろ動物園には
飼育をしていない 野生動物たちもたくさんいます。

その代表格の 「 エゾリス 」 です。

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冬の間は、ほとんど足あと ばかりでしたが、
春になると 頻繁にその姿を見せてくれるようになりました。


そして、こちらは 「 トビ 」 です。

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青空を ゆっくりと飛び続ける その姿はとても優雅です。


そして、たまには 野生の鳥が 保護されてきます。

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こちらは 「 キレンジャク 」 です。

この 「 キレンジャク 」 実は、初めて間近で見たのですが、
とっても 綺麗な姿をしています。
ほんとうは、保護鳥獣は 飼育係1の ナワバリなのですが、
あまりの 綺麗な姿に負けて、ちょっとおじゃましてきました。

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細かくキメの整った羽に、
鮮やかな色、
そして、翼の先にも かわった模様が。


ところで、『ペット』 と 『 野生動物 』 この ふたつ の間にある
大きな違いとは、なんでしょうか??


それは、やっぱり 人間のかかわり方の違いだと思います。


「 ペット 」 といわれるほとんどの動物の生存には、
私たち 人間がかかわっています。

そして、私たちが飼いやすく、そして姿が可愛く、性格まで可愛い、
最近のペットは、そんなように
「 かわいい 」 ことを基準にしてその遺伝子が残ってきています。

反対に
「 野生動物 」 は、自然の中で自分たちの力だけで生存しています。
私たち 人間とのかかわりは その生存を脅かす場合がほとんどです。

そして、強く、早く、丈夫で、より体の能力の高いものしか、
自然の中では、その遺伝子を残してはいけません。

どんなに 可愛い野生動物がいても、、 その動物は
「 かわいい 」 ことを武器にして生き残っているわけではありません。

そして、必ずといっていいほど どこかに
『 凄い 』 といえる能力を持っているものなのです。

なので、私は 飼育係として、
ペットのことは 『 かわいい! 』 と、感じたまま伝えて、

野生動物のことは たとえ かわいい と思っていても・・
まずは、野生動物としての能力をお伝えして、
『 凄い! 』 と、伝えるようにしています。


かわいい動物を前面に出して より多くの人に見てもらう・・
かわいいペットを作り出して 広めていく・・

私も より多くの人に見てもらうために かわいい写真をよく使いますが、、
『 かわいい 』 を意図的に利用するのは、私たち人間だけなんですよね。


この記事のURL2008-04-02 20:29:18

2008228(木)

アライグマが教えてくれたこと


アライグマが教えてくれたこと

突然ですが、

私は「 かわいい動物 」は好きですが、

「 動物を 『かわいい』 という 」 ことが嫌いです。


そんな、少し変わったことを思うようになったのは

『アライグマ』を飼育してきたからだと思います。


 
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始めて飼育係として「アライグマ」と一緒のオリの中に入ったとき、

先輩の飼育係に「アライグマ かわいいですね」と言ったのを覚えています。


でも、すぐにその言葉はいえなくなりました。


 
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『アライグマは、可愛くて、安全な動物』だと勘違いしていたからです。


私が想像していたアライグマと、現実のアライグマとでは、

性格が全く違いました。


その勘違いの原因のひとつは、私が子供の頃に見ていた

「アライグマが出てくるテレビ番組」だったと思います。


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アライグマは、そのテレビ番組が放送されていた頃に、

『ペット』として外国から輸入されてきましたが、

その後、アライグマを山などに放す飼い主があらわれてしまいました。


それも、日本各地で、、大量に・・・


その結果、アライグマは日本各地の野生下で繁殖し、

エサとして農作物なども食べて、畑を荒らすようになり、

『外来種』といわれる『害獣』になってしまいました。


アライグマはただ自然の中で暮らしていただけなのに

なぜこのようなことになったのでしょう??


それはおそらく、アライグマを山に放した飼い主の方たちは、

私と同じように、『アライグマ』を勘違いしていたのだと思います。



テレビなどの「メディア」は、見てもらうための内容を作ります。

そして、より多くの方たちに見てもらうために、

視聴者が見たいもの、好みに合うものを中心に放送します。


動物の場合は「かわいい姿」や「生まれてすぐの頃」、

または、動物を「擬人化」したり、気持ちを勝手に言葉にしてみたり・・・



そして,その偏った情報が私たちのもとに届けられ、

偏った動物のイメージを多くの人が持ってしまう結果になるのです。


事実を伝えなくてはいけないはずの「ニュース番組」なども

動物を扱うときはだいたいそんな感じです。

『野生動物』と『ペット』その違いを伝えることはほとんどありません。


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動物園に来ていただいた方たちに楽しんでもらうため、

私も、多くの方たちが望む「動物のかわいい姿」を見せたい・・

という気持ちも本当はあります。


ですが、これ以上「アライグマ」のようになってしまう動物を作らないため、


そして、私たち人間と、野生動物が共存していける未来に向かうためにも


私は、動物を 『かわいい』 ということが嫌いなんです。


 
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この記事のURL2008-02-28 19:43:54

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