飼育係2(237)


2008514(水)

まるで 仔ヒツジのように


まるで 仔ヒツジのように

歌の題名のような タイトルでスタートしましたが、
ただの 「 ヒツジの毛がり 」 です。

この 『 ただの ヒツジの毛がり 』 が、実は 大変なのです!!

テレビなどで見る「ヒツジの毛がり」は、
ひとりの人が、数分で一頭を仕上げてしまうのですが、

私たちの場合は、大勢でヒツジが動かないよう押さえて、
そして、恐る恐るバリカンで刈り上げていきます。

私たちが「毛がり」に慣れていないのが 悪いのですが・・・
「ヒツジの毛がり」は、私たちにとって 一年に1度の大仕事なのです!


まず最初は 「 おかん 」 から。

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「 バリバリ バリバリ 」 と、
電動のバリカンで 長い毛を刈っていきます。


外側から見ると とても可哀想に見えますが、
動かれて怪我をさせてしまうより、この方が安全なのです。

ヒツジを 地面に押しつけては苦しませるので、
押し付けないように、動きだけ押さえる・・

ヒツジが怪我をしないように 一生懸命です。

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そして、、

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まずは 「 おかん 」 の出来上がりです!!


最初の写真と同じように まるで 生まれたての仔ヒツジ です。

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毛を刈る前は、こんな感じでした。

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続いて 「 もここ 」 の番です。

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こちらも 「 バリバリ バリバリ 」 と バリカンが活躍します!


毛の外側は色が付いていますが、
刈った毛の内側は、こんなにも白くて フワフワな感じです。

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そして、、

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「 もここ 」 も出来上がりです!!


毛を刈る前と比べると、こんなにも違います。

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見た目だけは、まるで別の動物みたいですよね。


毛を刈っている映像が、私たちの未熟さのせいで
とても可哀想に見えてしまいますが・・

このモコモコとした毛を そのままにしておくと、
ヒツジたちは、これからの暑さでまいってしまうのです。



外の広場に屋根を つけてもらって、

ひと回りも、ふた回りも 小さく見えるヒツジたちは、

今日も元気に 大空にしたで 気持ちよさそうに過ごしていました。

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この記事のURL2008-05-14 17:56:41

200855(月)

エゾリスらしくなってきました。


エゾリスらしくなってきました。

エゾリスの子達も少しづつ エゾリスらしくなってきました。

ずっと 小さなリス達の家(ケージ)の中でしか暮らしていなかった
リスたちも そろそろ体を動かせるように、
昼の間だけ 大き目のケージの中で すごすようにしました。

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そして、仲間の 仔リスたちと、久しぶりのご対面です。

最初は、かなり戸惑っていた 仔リスたちも・・

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少したつと 4匹で仲良く寄り添って寝ていました。


そして、そろそろ 「 離乳食 」 を用意してみました。
食パンの白いところに 牛乳をかけた 「 ミルクパン 」 です!

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だれか食べてくれるかな?


との、心配をよそに

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いきなりがっつきました!!

2匹しかいないように見えますが、実は しっかり4匹います。

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ほとんどを 2匹の仔リスたちで たいらげてしまいました!!


そして、その後は・・


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久しぶりに 外の空気を吸うために
鳥類舎の小鳥の場所に おじゃまします。


ここまでが おとつい の写真で・・


次が 昨日の写真です。

少しケージの中を 模様がえして、

外に 出してみると・・

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ほとんど 隠れて 寝ているばかりで、
来園者の皆様からは 全然見えませんでした・・


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今まで順調に大きくなっているエゾリスの子達、
大きくなったら どうなるのでしょう?

このまま 動物園の中にいるの?
それとも 自然の中に帰るの?

その答えは、私にも わかりません。


動物園では重要な事業のひとつとして、
傷ついた野生動物の保護を行なっています。

そして、野生動物が元気になると 自然に帰します。

しかし、中には 健康上の理由などで
結局、動物園にずっと残っている場合もあります。

その 「 自然に帰る 」 と 「 動物園に残る 」 の境目は、
保護された野生動物が 野生で生きていけるかどうか、です。

中には 「 生きていけなくても とにかく野生動物は野生に帰すんだ 」
という意見もありますが・・

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とりあえず今回は、立派なエゾリスとして成長した後に

『 もしエゾリス達が自然に帰ったら 』 という話をしたいと思います。が、

保護されたリスたちが 本当に自然に帰るためには様々な問題があります。


まず、最初の問題は、人間に育てられたことです。

どんなに、立派に大きく成長しても 本来は親リスから
教えてもらうべき 自然での生き方を 何も学ぶことができていません。

エサは与えられるもの として、覚えて
人間は安全な存在 として、覚えて
天敵の存在なども知らずに 成長していきます。


そして、次の問題は、そのエゾリスたちが 危険だ ということです。

なにも エゾリスたちだけに危険があるわけではなく、
人を恐れずに近寄ってくる エゾリスというのは、
実は、とても危険です。

人に近寄ってくるエゾリスを
きっと多くの人が、「かわいい」と思うでしょう。

そんな 「かわいいエゾリス」は 簡単に人の手の上に乗り、
そして、捕まえようとした人から身を守るため、
反撃して 強力な歯で 簡単に人に怪我をさせることができます。

このように 人に慣れた野生動物というのは 実はとても危険なのです。

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そして、最後の問題は、自然には自然のバランスがある ということです。

例えば どんなに大きな森でも、どんなに広い大地でも、
その森や、大地の中で暮らせるエゾリスの数は限られます。

また、エゾリスだけではなくて、
エゾシカ、キタキツネ、エゾタヌキ、ユキウサギ、クロテン、などなど・・
野生動物にも、生きていくために最低限 必要なエサの量があり、
生きていくために必要な 『 広さ 』 というものがあります。

どんな野生動物だって 無限にその数を増やせる訳ではないのです。

なので、大きくなったエゾリスたちを 森の中に放すと、
その森に もともと住んでいたエゾリスたちとの生存競争が始まります。


これから、この仔リスたちがどうなるのかは 私にもわかりません。

しかし、人の手によって育てられた時点で、
その存在は、すでに自然界のバランスから 切り離されてしまっています。

立派に成長しても、帰るべき自然の中にそのスペースは存在しませんし、
飼育している私自身 生存競争に勝ち残れないだろうと思っています。


結局、「 人に保護される 」 時点で、
その野生動物には 元々、その居場所がないのです。


だからといって、

もちろん 野生動物の保護に反対しているわけではありません。

ただ、、傷ついた野生動物を保護することよりも、
それ以前に野生動物が保護されないようにすること、

私達人間が 奪い続けてきた 野生動物たちの居場所を守り、

  野生動物の生きていける自然を返して、

保護される野生動物の数を 減らすことの方が大切だと感じています。


この記事のURL2008-05-05 19:16:48

200854(日)

後半の前半


後半の前半

昨日ほどではなかったですが、
今日も ほどよく温かくて、雨や、強風にもさらされない
まさに ゴールデンウィーク! と呼ぶにふさわしい 1日でした。

桜はさっそく ちらほらとその花が落ち始めていて、
ライオン舎の前や、コンドル舎の前にも 桜の花びらが敷かれていました。

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それも、そのはず、2日前はこんな感じでも

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桜吹雪が 舞い散って・・

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今日は、薄い緑色の葉が 色鮮やかに生えそろっていました。

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ゴールデンウィークの後半の前半は 良い天気で
最高の お花見日和だったのではないでしょうか。

このまま、後半の後半も 晴れてくれるといいですよね。


そして、そんな中の 動物達。
( また トラと、ラクダですが・・ )

シベリアトラの 「 ストロング 」 は、最初は 寝ているばかりで、
来園された皆様を ガッカリさせていましたが・・

中にあるプールに 水を入れていると、

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急に起きて、プールに顔をうずめています。


水を飲んで・・・ というよりは、
何かをじっと見ているようです。

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どうやら、水の動きや、水に浮いた小さな枯れ葉が気になっているようです。

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ついに、水の出口にかぶりつきです。

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そんなにプールの水が珍しいかなぁ、なんて思いながら、
このプールを考案して、設置してくれた人に感謝しました。


そして、これだけ天気がいいと、ラクダたちは・・

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のんびり屋です


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冬毛も少しづつ取れてきていますが、
毛代わりは まだ こらからが本番です。
桜の花びらのように 『 スパッ 』 とはいかず、
じわじわと 掃除をする私を苦しめてくれます・・・


そんなラクダたちのオリの中に、開園前に少しだけ変化をつけました。

どうやら、ラクダは この変化を気に入ってくれたみたいですが。
この微かな 変化に気が付いた人は、はたしているでしょうか?

もしも、この変化に気が付いたら・・

その人は、きっと 「 おびひろ動物園の ラクダマニア 」 ですね。


この記事のURL2008-05-04 20:23:38

200853(土)

仔リスの成長


仔リスの成長

本当になかなか リスたちが登場しないので、
先に、私の飼育している 仔リスたちの 紹介です。

私が飼育している2匹の中で、大きいほうの・・

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『 リ 』 です。

そして、少し小さいほうの・・

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( 「リ」ときたら・・皆さんが考えている通りの・・ )

『 ス 』 です。

写真みなると 外見での見分けは かなり難しいです。
( 撮った順番がわからないと、私でも多分わかりません・・
  おそらく最初の写真は「 リ 」の方です。 )


保護動物のため、誕生日はもちろんわかりません。
ですが、間違いなく この2匹は兄弟、姉妹なのでしょう。

お母さんリスとは 普通よりも早く離れてしまいましたが、
ひとりぼっちに ならなかったのだけは よかったのかもしれません・・・

名前については、色々とツッコミたい方もいるでしょう!!
ただ、私があまり名前にこだわりがないだけです・・
こだわりたいのは・・中身です!

・・と、威張れるほどの中身も無いで、
 名前については、何かの機会に真剣に考えますね。


そして、この下の写真が 保護されてきた 当日の写真です。

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今のリスたちも まだまだ小さいですが、
比べて見ると 最初の頃は小さいなぁ、と感じます。

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目は開いていなくても、お互いをさがして くっついて寝ています。


そして、飲んでいるように見えて、実はほとんど飲んでいない
最初の ミルクあげ。

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今となっては、この2匹も 「 リス 」 らしい外見をしていますが、
保護された当初は、目もまだ開いておらず、
「 ネ、ネズミ!? 」 という感じでした。

ですが、何度も経験のある 先輩飼育係に聞くと・・・
「 毛が生えているから、まだ大きい方 」 なのだそうです。


そして、大切なアイテム、注射器。

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この小さな注射器で、最初は嫌がって飲まないところを、
何度もあきらめずに ミルクを飲ませます。

一度飲ませて、飲まなくて・・  でも、また飲ませて・・
それを繰り返して だんだんと慣らしていきます。

なんとなくのコツとしては、ミルクの匂いをかがせて 『 ここにある 』 と
知らせながら ミルクを与えると、
慣れないながらも 少しづつ飲んでくれるような感じがしました。


そして、こちらも大切なアイテム・・

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「 リス達の家( ケージ )」

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この中でリスたちは寝て、

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私たちは運ぶのに便利だったりします。


近頃では、指を 「 あま噛み 」 するのがだんだんと 痛くなってきたので、
リス達の家の中に ひまわりの種を 入れてみました。

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左が 使用前、右が 使用後です。

まだ、ひまわりの種を 食べたりはしませんが、
歯で 「 カリカリ 」 と やっているようです。



そして、、今回は長すぎるので もう終わりますが、、

今日は、外の空気に当てるため、
午後から、2時間ほど、動物園の正門を入ってすぐにある、
「 鳥類舎 」 の小鳥の中に 大きなケージごと入っていました。

来園者の皆様からも 見える位置にいたのですが、
どなたか 気がついた方がいるでしょうか?

できたら早いうちに、その写真を載せてまた更新いたしますね。


この記事のURL2008-05-03 20:22:27

200851(木)

花 花 花


花 花 花

今日はとっても温かかったです。
温かい、というより、暑かった、という感じでした。

そん感じなので、桜は、と見てみると・・

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こんなに咲いている桜もありました。

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今日はこんな感じでも、


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3日前はこんな感じでした。

とつぜんの温かさに、桜もビックリしているんじゃないでしょうか。


動物園らしく、キリンをバックに。

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そして、見えづらいですが、ラクダをバックに。

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ひとくちで 「 桜 」 といっても、色々な 桜が園内にもあります。

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全体を見ると、

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もうすこしで 本当に 「 満開 」 でしょうか。


そして、中にはこんな葉桜も・・

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おびひろ動物園の 桜のピークは ちょうど今週末くらいではないでしょうか。
あとは、天気さえよければ、文句なしのゴールデンウィーク!!

そして、児童会館・美術館エリアからの道には、こんな 桜並木もあります。

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こんな道を歩いてみるのも 楽しいかもしれません。


そして、この時期は 花といえば 桜が主役
でも・・

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ひっそりと 地面に咲く こんな小さな花たちも
とても綺麗に咲いていました。



でも・・ これじゃあ今回は、、

飼育係のブログ、じゃあ ないですね。


この記事のURL2008-05-01 18:19:19

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飼育展示係 11
別名、悩める営繕班長です。

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