飼育係2(237)


2008316(日)

(続)アザラシのプール


(続)アザラシのプール

     2日前の、アザラシのプールです。

水はまだ 「 綺麗 」 とはいえませんが、

水がたくさん入って、やっといつもの深さのプールになりました。


 
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まだ、氷が浮いていて、なんともアザラシらしい写真になりました。


『 カイ 』 と 『 モモ 』 2頭の ゴマフアザラシが 気持ちよさそうに

いつまでも プールの中を 行ったり 来たり 泳いでいました。


そんな2頭も、今は 「 恋の季節 」

こんな感じで お互いのことを確認しあいます。

 
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この行動を見て、、人間の それ とは違うことはわかっていながらも、

なんとなく「 おっと、見せ付けてくれるじゃないか 」 と思いました。


ですが、私たちの常識は 動物たちには当てはまりません。

これは、 「 恋の季節のアプローチ 」 ですが、

同じような行動をしていても、

他の動物では それが威嚇行動だったりすることもあります。



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また、私の ひねくれた自論で、、、

これを言うと 不快な気持ちになる方も いるかもしれませんが、

私は 「 動物を 擬人化することは嫌いです 」


そして、それと同時に

   「 動物が人間みたいな行動をするんじゃなくて

         人間だって動物なんだ 」・・・と、感じています。



もちろん、私たち人間と その他の動物たちとは大きな違いがあります。


ですが、他の動物たちと共通する点もまた たくさんあるのです。


意識すらしないような、、、 当たり前のことですが、、


食べ物をたべ、呼吸をして、水を飲み、、

寝て、起きて、活動して、、

寒ければ震えて、暑くなってきたら体を冷やしたり、、

ストレスを感じて病気になったり、健康的だと長生きしたり、、


私たち 人間だけではなく、その他の動物たちにもあてはまることです。


そして、野生で生活する動物たちが、、

生活している環境が悪くなって その数が減少したり・・

 あるいは絶滅したり・・・


これだって、これからの 私たち人間の 自らの行いによって、

私たち自身に 起こりえることかもしれないのです・・


かなり 話しがズレましたが、私が動物園で飼育係を始めて、

これまでで、一番 実感したことです。


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話しが重たくなってしまいました・・ すみません・・・



気を取り直して。

これが、今日のアザラシのプールです。

 
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かなり綺麗になりました。 もうほとんど普段と変わりません。


 
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背中の模様だって こんなにはっきり見えます!


 
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そして、相変わらずの仲良しです。
( ラクダもこんな感じになってほしいです・・・ )


ちなみに、これが2日前で・・

 
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こちが、今日の様子です。

 
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とっても綺麗になりました。



そして、関係ない写真ですが、今日の園内の空を見上げると、

2羽の 「 トビ 」 が交差しながら空の上を自由に飛び回っていました。

 
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そんな夕方の空を見ながら、

今日もまた 一日が過ぎていくのを感じました。


この記事のURL2008-03-16 19:54:30

2008313(木)

春近し。


春近し。

 氷の上にいる ゴマフアザラシ の 「カイ」 です。


今年の冬はとっても寒かったのですが、

温かくなるのは いつもの年より早い気がします。


園内の雪は もうほとんど融けて、

地面の色が「 白 」 から、「 茶色 」 にかわりました。


そうなってくると、動物園では、

動物の周りも 色々と変化してきます。



まず、アザラシ のプールに水が少しだけ入りました!

 
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 左側が 「カイ」 で、右側が 「モモ」 です。


今は まだ、少量の 水を ただ入れただけなので、

水の量は 少なくて、氷も たくさん残っていますが、


それでも、「 カイ 」 と 「 モモ 」 はとっても嬉しそうに

『ビシャ ビシャ』 と音をたてて泳いでいました。


 
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これから、何度もプール掃除をするたびに 水も綺麗になって、

たくさんの 水を プールに入れられるようになっていきます。


そして、変わった形に 氷がとけた跡です。

 
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これは、どうやら ここに長い時間 「カイ」がここにいて、

「アザラシ」の形に氷がとけたみたいです。



そして、また登場 「ホッキョクグマ舎」 です。
  (あまり登場させ過ぎると、怒られそうですが・・)

ピリカが遊んだ、たくさんの 「ブイ」 の残がいです。

 
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人間の力では ま~~~ず 壊れないくらい硬いものなのですが、

「 ピリカ 」にかかれば こんな感じです。


そんな中、、掃除をしていると、あることに気がつきました。


 なんだか、雪に ミゾ が掘られているような・・・

 
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 よく見ると、横穴まで掘ってあります!

 
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何をしたかったのかまでは わかりませんが、

何かが気になって、ザクザク と自分の前足で掘ったようです。


「 ホッキョクグマ 」 にはやっぱり 雪 と 氷 がいいんだなぁ。。。



この ホッキョクグマ舎の階段は 高くて 急で、

上っても、そこから落ちると 大怪我になりそうで怖かったのですが、


「 でも、そのおかげで 雪がとけにくくて ピリカ が雪で遊べるのか 」

と、思ったら この ホッキョクグマ舎が少し好きになりました。


夕方 見に行くと、例の 「 横穴 」 は しっかり壊されていました。

 
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さすがは、ホッキョクグマ・・



他には、こんな ワンシーン も。

 
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わざわざ、雪解け水を飲む 「 ストロング 」 です。


どうも 動物たちは、

「 タライに入れた 綺麗な水 」 よりも

「 天然の 雪解け水 」 のほうが お気に入りのようです・・・


ちょっと悲しい・・・


この記事のURL2008-03-13 18:56:38

2008311(火)

にぼし さがし


にぼし さがし

今日も、またまた「アライグマ」です。


ラクダと同じく、私の担当動物なので、登場回数が多くなってしまいます。
 (アライグマが嫌いの方が いましたら申し訳ありません・・)



アライグマは、基本的に 「食いしん坊」 です。

 
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なので、「にぼし」を与えると いつも「ボリボリ」と食べてくれます。
   (最初の写真です)


ですが、ここで ひと手間。

せっかくの りっぱな「にぼし」を粉々にします。


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そして、アライグマの周りにばらまきます。


そうすると、アライグマは あたりを一生懸命さがしだします。


 
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 下から・・


 
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 上まで・・



一見、イジワルをしているように見えるかもしれませんが、

これは、「エサを採る楽しみ」を アライグマに

少しでも感じてもらうためにしています。



アライグマに限らず、野生で動物たちが活動しているとき、

動物たちは その時間の ほとんどをエサを探すことに費やします。


ですが、動物園で飼育している動物たちは、

野生動物でありながら、私たちが エサを 与えられます。


これによってほとんどエサを探すことなく エサを 食べられるのですが、


この「探すことなく」が動物たちにとっての

『ストレス』になってしまうのです。



私たち『人』は、ストレスになるほどの 自由な時間があれば、

なんらかの レジャーや、スポーツ、読書 などにその時間を使えます。


でも、動物たちには その手段はないのです・・


エサ待っているだけ・・・


そのことがどれくらいの ストレス になるのか、

それは、動物になってみないとわかりませんが・・・


そんなのは やっぱり嫌ですよね。


なので、この 「にぼし」 を使って、少しでもエサを探す時間を増やして

ストレスを 減らしてもらおうと 粉々にしてばらまきます。

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ここの部屋の広さでは ちょっと大き目の 「にぼし」 は

すぐに見つけてしまうのですが・・


粉のようになった にぼし を 暗くなってからでも探してほしいな、と

期待しながら 今日も にぼしを 粉々にしてきました。



ちなみに、水が凍らない時期は 「たらい」 などに水をはり

その中に、エサ と 色々な大きさの石 を入れる工夫をしています。


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(左側がオスで、右側がメスになります)


どちらも、最近耳にする「エンリッチメント」と

胸を張ってよべるようなものでもありませんが、

工事をしたり、お金をかけなくても、

動物たちのために 今 何かできることはないかと、

毎日 動物たちを見ながら考えます。


この記事のURL2008-03-11 18:14:17

200836(木)

水洗いを・・・しました!


水洗いを・・・しました!

今日の内容は「飼育係1」の内容にかぶせてみました!


今朝は昨日の朝よりも温かく感じたので、

思い切って朝から水洗いをしてみました。


それも、「飼育係1」の担当している「ホッキョクグマ舎」を!

「水洗いはしなくていいよ」と言われてはいても、

こう気温が温かいと、飼育魂が うずうずして我慢できません。


ちゃちゃっ、と洗うと・・・ あら、きれい。


でも、飼育の時間の都合上、さらっとしかできなかったので、

残りは「飼育係1」にバトンタッチです。




 そして、、園内を歩いていて、ふと 横を見ると・・

 
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以前は、全面雪と氷に覆われていた川にも流れが見えるようになりました。


 正門の前も・・

 
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雪がとけ、その下から芝生が顔をだしてきました。

これから春、夏になるにしたがって

だんだんと緑が濃くなってくるんでしょうね。


 そして、建設中の「新サル舎」は・・

 
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動物たちが外に出るときのオリの枠ができました。

こちら側が、チンパンジー側のオリです。


 そして、反対側から見ると・・

 
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リスザル用のオリで、真ん中がマンドリル用のオリになります。

こちらも着々と進んでいるようです。


 さて、午後になり、ホッキョクグマの「ピリカ」の様子を見に行くと・・

 なんだか、、ゆっくり、、慎重に階段を降りています。

 
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「夜になっても水が残ってると凍っちゃうかな」とは、思いましたが、

さすがにまだ水が凍るような気温ではないはずですが・・


久しぶりに水洗いで、ちょっと変わった様子になったので

用心でもしているのでしょうか?



 さて、最後に・・


 今日の問題作・・・


 
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 屋根の上の、雪を食べる「ユキ」です・・・ あれ?


この記事のURL2008-03-06 19:19:18

200831(土)

雪の降ったあとに


雪の降ったあとに

雪が降った後に残るものといえば・・

まずは、やっぱり雪です。


そして、動物園には 『 足あと 』 も残ります。


動物の「足あと」は 『 アニマルトラック 』 ともよばます。

でも、使い慣れないので・・


今日のブログの中身は「ラクダの足あと」です。

 
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私がラクダの担当者なので、

いつもラクダばかりで申し訳ないのですが・・


今日も、ラクダを選んだ理由はそれだけではありません。


ラクダの足あとには、砂漠という特殊な環境で暮らすための

ある特徴が現れているんです。


それは、足あとの形です。

  
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ラクダは蹄(ヒヅメ)のある動物で、

ウシや、シカなどと同じ、ヒヅメの先が2つに分かれた、

『偶蹄目』にあたる動物です。


ですが、ラクダの足あとは先端が割れていて、

その下のほうは丸味を帯びた形になります。


それは、砂の上を歩くときに、足が砂の中に沈みにくいように

足の裏に柔らかな「脂肪のかたまり」があります。

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その足の裏の脂肪のかたまりが地面についたときに、

丸く広がって、地面につく面積を大きくすることにより

砂の中に足があまり沈まなくなり、砂の上でも歩きやすいのです。



ラクダだけでは物足りないので・・


別の動物の足あとです。

 
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さて、何の動物の足あとでしょう??

3本の指の間に、ヒレがあります・・



正解は、フラミンゴ です!

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実は、とっても難しい問題でした。

フラミンゴが、水鳥だということはわかっていても

水の中に立っていることが多いので

ヒレがあるかどうかなんてあまり気にしませんよね。


フラミンゴのヒレには、

湖底などの柔らかい土の上でも足があまり沈まないでいられる、

という機能もあるようです。

そう考えると、ラクダ足の機能となんだか少し似ていますよね。


さて、次は・・

   
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また、水鳥です。

でも、フラミンゴよりもかなり大きな足あとです。



正解は、モモイロペリカン でした!

   
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体の大きさに合わせて、足あともとても大きいです。


最後に、問題だけを出したいと思います・・

この足あとは何の動物の足あとでしょう?

 
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正解は3月4日にコメントの中でお知らせします。


ヒントは、私のブログの中でも出てきたことのある動物です。

隣に見える長靴の大きさも参考にして考えてみてくださいね。


この記事のURL2008-03-01 18:13:42

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別名、悩める営繕班長です。

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